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車のメンテナンスで普段あまり気にしないことが冷却水・クーラントだ。
冷却水・クーラントは一見、何でもないパーツに見えるが、車にとってはとても重要な働きをするものだ。
今回は、エンジンの冷却水・クーラントの役割や点検方法、補充や交換方法について話してみた。
実はとても重要な役割を果たしているものなので、しっかり理解して戴きたい。
エンジンの冷却水・クーラントの役割や点検方法 冷却水・クーラントの種類
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冷却水・クーラントの役割とは?
冷却水・クーラントは、いわゆるエンジンを冷却するための液体である。
冷却水・クーラントは、ラジエターに回ってラジエターに当たる風によって冷やされ、再びエンジンに回ってエンジンを冷却する役割だ。
また、冷却水・クーラントには、不凍や防錆の機能が備わっているため、エンジンやラジエターを保護にも一役買っているのだ。
冷却水・クーラントが水道水で代用できないのは、水道水には塩素やナトリウムなどが含まれており、エンジンやラジエターをサビさせたりしてしまうからだ。
冷却水・クーラントが無いと、エンジンは熱によってオーバーヒートしてしまうし、冷却水・クーラントの量が少なかったり、劣化していてもエンジンのオーバーヒートの原因になる。
また、ラジエターも傷めてしまうことになるので、点検・メンテナンスが必要なのだ。
冷却水・クーラントは一見、何でもないただの水のように見えるが、とても大事なパーツなのである。
冷却水・クーラントの点検方法とは?
冷却水・クーラントの点検方法はとても簡単だ。
ただ、最近の車はラジエターキャップがむき出しになっていないものが多いので、下記の画像のようにリザーバータンクを点検すると良いだろう。
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上記の画像は30プリウスの物であるが、左の画像がエンジン側のリザーバータンクで右側がインバーター側のリザーバータンクである。
プリウスでなくとも、たいていの車はリザーバータンクが付いているので、タンのF(FULL)のメモリまで液が到達していれば量は十分である。
また、色がキレイか?濁った色をしていないか?もチェックしておこう。
ラジエターやラジエターキャップがむき出しになっている場合は、ラジエターキャップを開けて、液面が注入口のいっぱいまできているか確認しよう。
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ラジエターキャップも点検・交換が必要!
ラジエターキャップは、ただのキャップと思われがちだが、ラジエターキャップには圧力調整機能が備わっており、不具合があるとエンジンの冷却効果が落ちるし、エンジンのオーバーヒートにもつながるので注意が必要だ。
ラジエターキャップの交換のタイミングは使用頻度や状態によっても異なるが、車検ごとの2年に一回や5~7年に一回の頻度で交換が必要だ。
冷却水・クーラントの種類
クーラントはただの冷却水のように見えるが、その性能は進化を続けており、機能が優れている。

ロングライフクーラント(LLC)
スーパーロングライフクーラント(SLLC)
ディーゼル用クーラント
エンジンの冷却水・クーラントの補充や交換時期と交換方法
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冷却水・クーラントの補充や交換の時期とは?
通常であれば、2年の車検ごとに交換しておけば問題ないだろう。
例として、僕の愛車の30プリウスの場合の時期をトヨペットに問い合わせてみた。

交換時期について
LLCの交換時期:2年
SLLCの交換時期:初回7年/16万㎞
次回以降4年/8万㎞
スーパーLLCの交換時期が半減する理由について
冷却システム内に劣化したLLCが残ってしまい、混ざってしまうことを想定しているためです。
寒冷地仕様では出荷時50%濃度となっており通常使用車は出荷時30%濃度となっております。
上記内容を回答といたしまして、ご参考頂ければと考えております。
冷却水・クーラントは、そう劣化が激しいアイテムではないため、つい見落としがちなのだが、リザーバータンクに入ったクーラントの状態を常に確認しておくのは大事だ。
クーラントはラジエターやエンジンを循環しているので、頻繁に補充しないといけないものではない。
しかし、ホースなどの経年劣化によってクーラントが漏れてしまっている場合もある。
ホースやラジエターからクーラントが漏れていないか確認をし、漏れている場合は修理をする。
修理は、自分ではできない場合がほとんどだと思うので、ディーラーや整備工場に任せるようにしよう。
漏れていない場合で、満タンを示すFゲージまでクーラントが足りてない場合は、補充することである。
冷却水・クーラントの補充や交換方法
冷却水・クーラントの補充はとても簡単だ。
量が足りない場合は、リザーバータンクに入れるだけでいいのだ。
ただ、交換となるとちょっとひと手間かかるし、素人では難しい作業となってくる。
ここで迷うのが、自分でやるかお金を出してプロに任せるかの判断だ。
自分で交換するか?ディーラーなどのプロに任せるか?の判断基準
冷却水・クーラントを交換する際に迷うのが、「自分で交換するか?」「ディーラーなどのプロに任せるか?」で迷う方も多いと思う。
結論から言うと、自宅に道具や設備、自分で交換した経験がある方は自分でやった方が良いし、道具や設備も無く、自分で交換した経験が無い方はディーラーなどのプロに任せた方が良いということだ。
なぜなら、今回は下記の費用を見てほしい。
今回は僕の30プリウス用の工賃込みの料金だが、
冷却水・クーラント(スーパーLLC) | 2,934円 |
交換工賃 | 1,760円 |
その他ラジエターOリング | 150~200円 |
スーパーLLCの価格は、Amazonなどの通販で買っても2ℓ入りで代替2,500円前後であり、LLCで1,000円前後だ。
一応、交換手順と方法について話しておくが、クーラントを自分で買って自分で交換する場合の費用と、交換をディーラーや整備工場などのプロに任せる場合の費用を比べれば、コストや手間を考慮すると後者の方が良いということである。
でも、どうしても自分で交換したい方は、下記の手順を守って安全に十分留意して行うようにする。
1.冷却水・クーラントを抜く
冷却水・クーラントを交換する際は、エンジンが冷えているのを確認して行うこと。
車をガレージジャッキなどで持ち上げ、車の下にもぐって行うこと。
この時に注意したいのが、ジャッキで上げっぱなしにするのではなく、必ずウマをかませて行うようにすることだ。
車をジャッキで上げっぱなしの作業は大変危険だ!
もし、劣化したジャッキだとジャッキが緩んで、車の下敷きになってしまった事故もあるのだ。
必ずウマを用意して、車にかませて作業を行うことだ。
古くなった冷却水・クーラントを全部抜く。
ラジエターの下部にあるドレンコックを緩めると、冷却水は抜けるようになっている。
全部抜けたら、ドレンコックを閉めるのを忘れずに!
3.リザーバータンク、ラジエター、エンジンと冷却水の通るルートを水洗い
古い冷却水・クーラントが全部ぬけたら、すぐに新しい冷却水・クーラントに交換するのではなく、水で冷却水・クーラントのルートを水洗いする。
リザーバータンクを水で満たし、エンジンをかける。
5分ほどエンジンをかけて、水を循環させたらエンジンを止めて、水が冷えるのを待つ。
水が冷えたら、ドレンコックを緩めて水を全部抜く。
4.新しい冷却水・クーラントを入れる
ドレンコックを忘れずに閉めたら、新しい冷却水・クーラントを入れる。
この際に、ルート内のエア抜きをしっかりやっておくこと。
冷却水の漏れが無いか、ホースなど破損や劣化があれば新しいのに取り換える。
自分で交換するのが困難な場合は、ディーラーや修理工場に相談するようにしよう。
冷却水・クーラントのメンテナンスの注意点!
冷却水・クーラントの補充は簡単にできる作業だが、交換となるとひと手間かかる。
家にフロアジャッキがあれば良いが、自宅にそんなものがあるのは整備工場を経営してる方だけだろう。
特に車の下に潜っての作業は危険を伴うので、決して無理をせずにディーラーなどプロに任せることだ。
交換する代金は知れている。
代金をケチって、命を落とすほど馬鹿な話は無い。
まとめ
冷却水・クーラントは、エンジンを適正な温度に保つために大きな役割を果たしている。
最近の車は性能は良くなったとはいえ、冷却水・クーラントの点検、整備を怠っていると、オーバーヒートにつながるので注意が必要だ。
洗車の際に、必ずボンネットを開けて、冷却水・クーラントの量や状態を確認するように心掛けて欲しい。
赤と緑の冷却液はLLC(ロング・ライフ・クーラント)と呼ばれ、耐用年数はおよそ2~3年です。エチレングリコールを主成分としています。
青とピンクの冷却液はSLLC(スーパー・ロング・ライフ・クーラント)と呼ばれ、耐用年数7~8年を誇るとても優れたものになります。
主成分がプロピレングリコールになります。
その他にも、ディーゼルエンジン用の冷却液や、輸入車専用の冷却液もあります。
輸入車用は、メルセデスやBMWなど、そのメーカーの純正品を選んだ方が無難かもしれませんね。
また、東北地方や北海道に住んでいる方に向けた寒冷地仕様の冷却液もあります。
寒冷地仕様の冷却液は、標準仕様の冷却液が濃度30%程度で氷点下15℃まで適応しているのに対し、寒冷地仕様のものは濃度50%程度で氷点下氷点下36℃まで適応しています。
その車に適合した冷却液をチョイスして使用するようにしましょう。