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街にはいろんな車が溢れている。
以前から疑問に思っていたのが、ベンツやBMWやポルシェなどの輸入車(欧州車)によく見られることが多いホイールの黒い汚れだ。国産車のホイールは比較的キレイなのに、なぜ?外車のホイールはあんなに黒く汚れているのだろう?

輸入車(欧州車)のホイールが黒く汚れている原因


街を走っている車を見ると、日本の車に比べて輸入車(欧州車)のホイールが黒く汚れているのをよく目にすることがあります。
国産車のホイールはそう汚れてはいないのに、どうして輸入車(欧州車)だけ、ホイールが黒く汚れている車が多いのでしょうか?この項目では、輸入車(欧州車)のホイールが黒く汚れている原因についてお話しました。
日本と欧州は道路の制限速度が全く違う!
輸入車(欧州車)のホイールが黒く汚れている原因は、結論から言ってしまうと、日本と欧州の制限速度の違いから来ている。黒いホイールの汚れは、ほとんどがブレーキの粉塵による汚れであり、ブレーキの強い制動力を求められる欧州では、制動力の強化によるブレーキダストによるものだ。
外車や輸入車のホイール汚れは、ブレーキダストがほとんどであり、輸入車(欧州車)のブレーキシステムには、強い制動力を確保するためにブレーキを強化しなくてはならない使命があるのだ。
下の表は、日本を含めた欧州各国の一般道路と高速道路の制限速度だ。一般道路も高速道路も日本とは全く制限速度が違うのがわかると思う。
国 | 一般道路 | 高速道路 |
日本 | 60㎞/h | 100㎞/h(一部120㎞/h) |
ドイツ | 100㎞/h | 130㎞/h~速度無制限 |
フランス | 80㎞/h(運転免許取得経過期間にもよる) | 130㎞/h |
イタリア | 90㎞/h | 130㎞/h |
オーストリア | 100㎞/h | 130㎞/h |
欧州各国のどこの国でも、一般道路も高速道路も相当な高速であるのが確認できるし、ドイツに至っては、一般道路の制限速度が日本の高速道路の制限速度と同じなのである。
このように欧州では、このような制限速度の高さから、車のブレーキの制動力を強化せざるを得ない状況なのだ。あのホイールの黒い汚れは国産車には見られない。国産車であのようなホイールの汚れが見られるのは、ブレーキを強化したスポーツカーやサーキットを走るレーシングカーやチューンドカーなどの一部の車両に限られる。
ブレーキパッドの鉄含有量が多い
ブレーキの制動力を強化するための一環として、ブレーキパッドの強化は欠かせない。ベンツやBMW、ポルシェのホイールの黒い汚れの原因は、ブレーキパッドの鉄含有量が多いことであり、ブレーキダストのほとんどは鉄粉なのである。
これは、一部の国産車でも当てはまることである。街乗りメインのパッドや純正パッドでは鉄成分はほとんど入っていなくて、柔らかい鉄が少しだけ入れられている。サーキット向けのパッドには多くの鉄入れられているのだ。
ブレーキパッドだけでなく、ブレーキローターも削って制動力を確保
強化されているのは、ブレーキパッドだけではない。ブレーキローターも実は強化されている。
強化されているというよりは、通常、国産の車のブレーキシステムは、ディスクブレーキの場合だとブレーキパッドをブレーキローターに当てて摩耗させることによって制動力を発揮させている。
ところが、輸入車(欧州車)の場合は、ブレーキパッドだけではなく、ブレーキローターも摩耗させることで高い制動力を発揮しているのだ。なので、ブレーキダストの中身はブレーキパッドの鉄粉だけでなくブレーキローターの鉄粉も含まれているのである。それらが外車の鉄粉による汚れの原因だ。
輸入車(欧州車)の場合、それらの関係から高級車やスポーツモデルの車だけでなく、大衆車レベルの車であっても、ブレーキは強化されている。制限速度が高い分、ブレーキの制動力が高くなければ道路の安全には対応できないからであろう。
ホイールの汚れを放置すると、どうなるか?


外車や輸入車の黒く汚れたホイールを放置しておくと、ホイールにとっては決して良くありません。ホイールダストを掃除しないで放っておくと、腐食やサビが発生するのです。
この項目では、ホイールのブレーキダストなどの汚れによるサビについてお話しました。
ホイールに白サビが発生し、ホイールの強度が落ちる!
ベンツなどの輸入車のブレーキダスト等によるホイールの汚れを放置しておくと、アルミホイールに独特のサビである「白サビ」の原因になってしまう。
スチール製のホイールなら「赤サビ」が発生し、アルミ製のホイールなら「白サビ」が発生する。昨今はスチール製のホイールはあまり流通していなく、比較的安価な国産車でもアルミ製のホイールを履いていることが多いので、ほとんどのホイールのサビは「白サビ」だろう。
僕も実際に、妻の車の洗車やメンテナンスをやっていなくて放置してしまい、白サビを発生させてしまったことがある。白サビは、クリーナーで除去できる場合の軽度なものもあるが、僕の場合は、それで白サビを除去できず、研磨に出さないといけない状態になってしまった。
ブレーキダストが出やすい輸入車(欧州車)や外車の場合は、国産車以上にブレーキダスト等によるホイールの汚れに注意しないといけない。白サビができてしまうと、ホイールの強度も落ちるし、第一見た目が良くない。せっかくの輸入車(欧州車)や外車を所有していても、足元のホイールに白サビがあると台無しである。
ホイールを汚れにくくするための対策


ホイールの黒い汚れが、ブレーキシステムの違いによるものだとわかってはいても、やはりホイールが汚れやすいのは嫌だし面倒なものです。
「この黒く汚れやすいホイールをどうにかできないものか?」と思案される輸入車(欧州車)オーナーの方は多いようです。この項目では、黒く汚れやすいホイールの対策についてお話しました。
低ダストのブレーキパッドに交換する
ベンツやBMW、ポルシェなどの欧州車(輸入車)を所有しているオーナーの悩みがホイールの黒い汚れだ。ホイールの黒い汚れを軽減するための対策の一つに「低ダストのブレーキパッド」に交換するという手がある。
日本のブレーキパーツのメーカーにも、低ダストのブレーキパッドを扱っているところがある。輸入車(欧州車)のオーナーさんは、ご自分の愛車のブレーキパッドをそれらのメーカーのものに交換してみるという手段もあるので、試してみると良いだろう。
輸入車(欧州車)だけでなく、国産車各メーカーともにラインナップが豊富なので、ご自分の愛車に合ったものが見つかれば、お得な価格で購入して自分で交換できる方は自分で交換し、自分ではできなくても最寄りのディーラーや整備工場に持ち込みで交換することができる。
足回りをこまめに洗車する
黒いホイールの汚れの対策の一つとして、誰でもできるのが小まめな足回りの洗車である。洗車に関しては、ボディや内装の洗車や清掃はちゃんとやる方が多いが、足回りの洗浄は意外と軽視されがちのように感じる。ホイールのダストによる汚れは綺麗に掃除しておこう。
やはり安全パーツだし、足回りがきれいだと足元が引き締まって車がカッコ良く見えるので普段から綺麗にしたいものだ。輸入車のホイールはホイールクリーナーで洗浄してキレイにしておきたい。そう言えば、以前にベンツを所有していた友人は、いつもホイールばっかり掃除していたっけ。「外車は鉄粉が付きやすいんや!」と言って。
カーショップには、ホイールの洗浄剤や輸入車によく効くホイールクリーナーも販売されている。ブレーキダスト専用のホイールクリーナーもあるし、外車に乗っている方はブレーキダストをしっかり洗浄できるものを選びたい。
ホイールをコーティングする
ブレーキダスト除去剤で、ホイールの汚れを除去した後は、ホイールをコーティングして仕上げをしておきたい。
ホイールをコーティングすることで、ブレーキダストが固着するのを防ぐことができるし、撥水性も高く汚れにくいのでやってみると良いだろう。
ホイールのコーティング剤は、安く買えるものから高額で品質も高いものまで豊富である。どれを選べば良いのか迷うところだが、欧州車のオーナーであれば、ブレーキダストが固着しにくい質の高いものを選んでおきたい。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って、
●輸入車(欧州車)のホイールが黒く汚れている原因
●ホイールの汚れを放置すると、どうなるか?
●ホイールを汚れにくくするための対策
でしたね。
特に、輸入車(欧州車)や外車を所有しておられる方は、愛車のホイールの汚れの原因や対策法をご理解戴けたと思います。
やはり、ホイールは安全にも関わる大事なパーツですので、他のパーツ同様、大切にメンテナンスを行って戴き、ベストなコンディションで愛車とのドライブを楽しんで戴ければ幸いです。
ある日、某輸入車ディーラーに試乗に行った際に、担当の営業マンに「輸入車のホイールが黒く汚れている理由」を聞いてみたところ、輸入車と国産車はブレーキシステムが違うということでした。
やはり、顧客の中にもホイールの汚れを気にされる方は多いのだそう。
今回は、輸入車のホイールの黒い汚れの原因や対策についてお話しました。