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車のレザーシート(本革シート)を装着しているクルマを良く見かけるようになりました。




今回は、車のレザーシート(本革シート)のメリット・デメリットや、クリーナー等を使ったメンテナンス方法について解説してみたよ。
僕の経験上、間違ったメンテナンス方法もあるので、是非参考にして戴ければ幸いです。
車のレザーシート(本革シート)はどうやって作られているか?


レザーシート(本革シート)が装備された車って、ラグジュアリー感があってとてもいいですよね。この項目では、車のレザーシート(本革シート)がどのように作られているか?というお話をしました。
「皮」を鞣して「革」に生まれ変わる
車のレザーシート(本革シート)を製造する工程は、「鞣し(なめし)」という作業から始まる。
もともと牛や豚や鹿などの獣の皮であるため、そのままでは腐敗したり、水分が抜けてしまう。
だから、皮をシートなどの製品として使用できるようにするには、皮のコラーゲン繊維になめし剤を結合させて、安定した「革」に変化させることが必要なのである。
この皮を鞣す工程を生業とする人たちのことを「タンナー」と呼ぶ。
皮を鞣して革にする工程のことを「Tanning(タンニング)」と呼ぶ由来なのだろう。
この鞣しという工程には実はランクがあって、ベンツやフェラーリなどの高級車に使用されるシートに使われる革は丁寧に時間をかけてなめされるし、安いものだとそれなりの工程になると言ったところだろうか。
車のレザーシート(本革シート)はコーティング(塗装)をして、車用のレザーシートになる
革ジャンや財布などの衣類やアクセサリーに使用されるレザーと違い、車のレザーシート(革シート)に使用される革は、その後の工程が必要だ。
車のレザーシート(本革シート)に使用される革は、なめしただけでなく、その上にコーティングを施して仕上げられる。
その後、シートの形状にしていくのだが、車のシートってとても形状が特殊なのである。縫製などはほぼ手作業で行われるため、とても手間と時間がかかる。その素材が高価であり、手間と時間を要するため、コストがとてもかかるのだ。
車のレザーシート(本革シート)が高級車にしか採用されないのは、そのせいかもしれない。
品質が良くなった最近の国産車のレザーシート(本革シート)
昔の国産車のレザーシート(本革シート)の品質は酷かった記憶がある。
昔の国産車は、高級車でも「モケット」と呼ばれる高級なフワフワしたファブリックを使用していることが多く、レザーシートの装着車が少なかった。恐らく、欧州車と違い、車にレザーシート(本革シート)を装着するという文化が薄かったのだろう。
そのせいか、レザーシート(本革シート)が装着された一部の車種でも、シートそのものの品質が悪く、すぐにひび割れたり破れたりすることが多かった。
ただ、今やレクサスを始めとした国産の高級車には、レザーシート(本革シート)を装着しているのが当たり前になってきている。国産車のレザーシート(本革シート)の品質は向上しているのだ。
車のレザーシート(本革シート)のメリット(長所)とデメリット(短所)


見た目がゴージャスで、座って心地良いレザーシート(本革シート)ですが、メリットもあればデメリットもあるというもの。
この項目では、レザーシート(本革シート)のメリット・デメリットについてお話しました。
車のレザーシート(本革シート)のメリット(長所)
レザーシート(本革シート)には、光沢や質感に高級感がある
布製のファブリックシートと違って、レザーシート(本革シート)はその独特な光沢や質感がある。
これは、実際にレザーシート(本革シート)を装着した車に乗っておられる方はわかると思うが、座った時のひんやりした感じやフィット感は、ファブリックシートでは味わうことができない独特な感触が味わえる。
また、見た目の高級感があり、車を所有する満足感を味わうことができる。
昔のレザーシート(本革シート)なら、コーナリングのたびに体が横に滑るというデメリットが多く報告されていたが、最近は加工の仕方に工夫が施されて、そういうことはなくなってきているそうだ。
ホコリが出にくく、清潔
レザーシート(本革シート)は、ファブリックシートのようなホコリがたちにくく、清潔だ。
ホコリに弱い人やアレルギーを持った人にとっては、レザーシート(革シート)の車はとても良いだろう。
車のレザーシート(本革シート)のデメリット(短所)
汚れやすく、定期的なメンテナンスが必要
独特の光沢や質感があり、高級感があるレザーシート(本革シート)だが、デメリットもいくつかある。
とにかく汚れやすいのだ。黒系のレザーなら、汚れが目立ちにくいのでまだいいが、白やベージュなどの淡色系の色は汚れが目立ちやすい。
僕の30プリウスもレザーシート(本革シート)だが、色がアクアという薄い緑色がかかった淡色の色なのだ。白やベージュなどの淡色系のレザーシート(本革シート)は、清潔感があって見た目も良いのだが、とにかくすぐ汚れるのだ。
また、汚れが付いてしまうと落ちにくかったりするので、定期的にクリーナー等でメンテナンスをして、汚れないようにすることが必要になってくる。
夏場は蒸れやすく、冬場は冷たい
レザーシート(本革シート)のデメリット(短所)は夏場に背中や腰が蒸れやすいことだ。
通気性が良くないためにそのようなことが起こるのだが、逆に冬場は冷たいのだ。
最近のレクサスに装備された「シートベンチレーター」という機能は、シート表面の小さい穴からエアコンの風が出てきて暑い夏場でも寒い冬場でも快適な座り心地を確保できるものもある。また、シートヒーターが装備されている車種も多い。
しかし、シートベンチレーターが装備されているのは一部の高級車だったり、シートヒーターも車種によっては、運転席と助手席だけでリヤシートには装備されていなかったりと完全ではない。
高額!
レザーシート(本革シート)を装備した車は、先述した通り高級車や高級グレードに限られるのが難点だろう。
だからこそだと思うのだが、頑張って仕事をしてお金を稼いだ人だけが高級車に乗り、レザーシート(本革シート)の質感を味わえるということなのだろう。
レザーシート(本革シート)のクリーナー等を使ったメンテナンス方法


レザーシート(本革シート)をキレイな状態に保つには、普段からのメンテナンスが必要です。この項目では、誰でも簡単にできるメンテナンスのやり方についてお話しました。
車のレザーシート(本革シート)専用のクリーナーを使う
シュアラスター レザークリーナー レザーケアフォーム S-61
上の写真は、普段僕が愛車のシートのメンテナンスに使用しているシュアラスター製のレザーシートクリーナーだ。
泡状になったクリーナーをクロス等の布に付けて拭き取るだけの簡単なものだ。
手軽に使用できて、軽い汚れなら落とせるし、艶出し効果もあるのでおすすめだ。
浸透性の保護剤は無意味かも!
革ジャン等の衣類のレザーのメンテナンスに使用することが多い「マスタングペースト 」などの浸透性の保護剤は無意味だろう。
理由は、車のレザーシート(本革シート)に使用されているレザーはコーティングを施しているため、保護剤が浸透しないのだ。僕もそれを知らないときに、マスタングペーストを使用してしまい、逆に汚れが付きやすくなってしまった経験がある。
クリーナーを使ったメンテナンス方法は以下の通り。良ければ参考にして戴けると幸いだ。
工程1.まずは簡単に乾拭き(場合によっては水拭き)をする
車のシートの汚れ具合にもよるが、まずはシート全体を乾拭き、もしくは水拭きをして、汚れやホコリを落とす。
普段一人で乗る機会が多い方は、運転席のシートばかりが汚れる傾向にあるので、丁寧に作業しよう。
工程2.クリーナーをクロスにスプレーし、シートを拭いていく
クリーナーを使用する際に注意したいのは、シートに直接スプレーするのではなく、マイクロファイバークロス等の柔らかい布にスプレーし、シートを拭いていくようにする。
シートによっては色落ちするリスクもあるので、必ず目立たないところで試してから作業するようにしよう。
工程3.全体を乾拭きして仕上げる
クリーナーで一通りシートを拭い後は、ドアを開けて車内を乾かせてから、乾いた柔らかい布でシート全体を乾拭きして仕上げだ。
白やベージュの淡色系のレザーシート(本革シート)は要注意!
淡色系のレザーシート(本革シート)はとにかく汚れやすいので要注意だ。
僕の愛車の30プリウスも、アクアという色の淡色系の色のレザーシートなのだが、ちょっとメンテナンスを怠ったために、クリーナーを使って拭いても汚れが落ちないのだ!
僕の場合は、気にはなっていたけど気が付いたら手遅れだったいう状態だ。
好みにもよると思うが、レザーシート(本革シート)をチョイスするときは黒系のダークな色にした方が良いだろう。
メンテナンスが面倒な場合、手軽にレザーシート(本革シート)の高級感を楽しむ方法


車のレザーシート(革シート)の光沢や質感は、ファブリックシートには無い魅力があるのは先述しましたが、面倒なのはメンテナンスなのです。
でも、実はメンテナンスが面倒な方でも手軽にレザーシート(革シート)の心地よさを楽しめる方法があるのです。
リアルレザーのシートカバーを装着する
最近のシートカバーは、リアルレザーのものが増えてきてチョイスするのに迷うぐらいだ。特にクラッツイオというメーカーのものが人気があり品質も良いと評判だし、カラーもいろいろあって豊富だ。中には、パンチングを施したものも出てきており、人気を博している。
先日、会社の同僚の軽自動車に乗せてもらったのだが、とてもきれいなリアルレザーのシートカバーを装着していて、とても驚いた。こういうシートカバーを装着するのも、手軽にレザーシート(本革シート)を楽しめる方法の一つだ。
合成皮革やハーフレザーのシートをチョイスする
車種によっては、レザーシート(本革シート)ではなく、合成皮革やハーフレザーのシートのチョイスができる車もある。
合成皮革は、メンテナンスがほぼ必要無いし、ハーフレザーは名前の通りヘッドレストや両端だけがレザーで、背中や座席の真ん中の部分はファブリックで出来たものだ。
こういうのでレザーを楽しむのもアリだろう。
まとめ

今回は車のレザーシート(本革シート)の魅力やメリット・デメリットについてお話してみた。
大まかには、
●車のレザーシート(本革シート)はどうやって作られているか?
●車のレザーシート(本革シート)のメリット(長所)とデメリット(短所)
●レザーシート(本革シート)のクリーナー等を使ったメンテナンス方法
●メンテナンスが面倒な場合、手軽にレザーシート(本革シート)の高級感を楽しむ方法
という内容でした。
僕の体験談にはなるが、レザーシート(本革シート)はファブリックでは味わうことのできない質感があり、魅力があることは確かだ。
でも、その反面、メンテナンスがとても面倒なのは仕方がないだろう。
レザーシートを選ぶかどうかは、定期的なメンテナンスができるかどうかや、ライフスタイルに合わせたチョイスが必要だろう。