トーションビーム式サスペンションのメリットやデメリットを徹底解説!|ZVW30プリウス(3代目プリウス)の乗り心地が他のトーションビーム採用の車種に比べて悪い理由とは?

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トーションビーム式サスペンションのメリット

ライター

「安かろう、悪かろう」と酷評されるトーションビーム式サスペンションですが、メリットもちゃんとあります。

この項目では、トーションビーム式サスペンションのメリット(長所)についてお話しました。

トーションビーム式サスペンションってどんなサスペンション?

トーションビーム式サスペンションとは、小型ハッチバック車のリヤサスペンションに採用されることが多いサスペンションです。「車軸式」と呼ばれるサスペンションの種類のうちの一種になります。

左右の車輪をトーションバー(アクスルバー)と呼ばれる鋼製の棒でつながれた構造をしているのが特徴です。

昨今のスポーツカーや高級車のサスペンションの主流となっている「マルチリンク式サスペンション」や「ダブルウィッシュボーン式サスペンション」は、独立懸架式といって前後左右が独立して取り付けられているのが主流になっています。

それらと違い、トーションビーム式サスペンションは左右がトーションバーでつながれた状態が、他の種類のサスペンションとの大きな違いとなるのです。

 

車軸式サスペンションとは?

車軸式サスペンションは、左右の車輪が一本の車軸で連結されている構造のサスペンションです。

主な種類には、

リジットアクスル式
トーションビーム式
ド・ディオン式

などがあります。

リジットアクスル式
左右の車輪がrigidな1本の車軸で連結されている最もシンプルな形式です。トラックやバス、一部のクロスカントリー車などに採用されています。

トーションビーム式
左右の車輪を連結する車軸が、中央部分でねじりバネの役割を果たすビームで繋がっている形式です。FF車のリヤサスペンションによく採用されます。

ド・ディオン式
リジットアクスルとトーションビームの中間的な構造で、車軸は固定されていますが、左右の車輪は独立して動きます。

セミトレーリングアーム式
左右の車輪をトレーリングアームで支持し、アームのピポットが車体に対して斜めに配置された形式です。一部のFR車に採用されています。

 

 

荷室の幅が広く取れる

トーションビーム式サスペンションとは、軽自動車やFF車やミニバンのリヤサスペンションに採用されるケースが多いサスペンションです。

その理由は、人や荷物を後部座席やラゲッジスペースに多く載せるのを前提の車にとって、後部座席やラゲッジスペースの広さは、使い勝手を左右する重要な要因だからです。

トーションビーム式サスペンションは、そのシンプルな構造から構成するパーツの数が少ないため、上下左右の突起物が少なく、その結果、後部座席や荷室のスペースが大きく取れるというメリットがあります。

実際にその効果を具体的に確認するための材料が、トヨタのZVW30プリウス(3代目プリウス)と50系プリウス(ZVW51プリウス)と60系プリウス(MXWH60プリウス)のラゲッジルームの大きさで比較してみるとその違いが確認できます。

 

車種別 室内のサイズとラゲッジスペースの広さ

室内のサイズ ZVW30プリウス(3代目プリウス) 50系プリウス(ZVW51プリウス) 60系プリウス(MXWH60プリウス)
長さ(㎜) 1,905 2,110 1,840
幅(㎜) 1,470 1,490 1,500
高さ(㎜) 1,225 1,195 1,135

 

荷室(ラゲッジスペース)のサイズ ZVW30プリウス(3代目プリウス) 50系プリウス(ZVW51プリウス) 60系プリウス(MXWH60プリウス)
容量(L) 446 502 410
高さ(㎜) 640 890 680
幅(㎜) 1,580 1,390 1,390
奥行(㎜) 880 715 815

 

上記の2つの表を見て戴ければご理解できるかと思いますが、車の室内の大きさの中でも、幅は30から60へとモデルチェンジをするたびに、広くなっているのがわかるかと思います。

しかし、幅が広くなっているのに、ラゲッジスペース(荷室)の幅は狭くなっているのです。この要因は、トーションビーム式のサスペンションを採用していたZVW30プリウス(3代目プリウス)から、50系プリウス(ZVW51プリウス)にモデルチェンジした際に、ダブルウィッシュボーン式サスペンションに移行しているからなのです。

ラゲッジスペース(荷室)の使い勝手の良さは、奥行きや高さよりも幅や地面からの高さで決まると言っても過言ではないでしょう。これらのことがトーションビーム式サスペンションを採用した車のメリットではないでしょうか。

 

低床にできる

トーションビーム式サスペンションは、その部品数の少なさからスペースが大きくとれるため、低床にすることができます。このメリットを大いに利用できるのがハイブリッドカーなのです。

ハイブリッドカーは、ハイブリッドバッテリーを重心近くの床にマウントすることが多くなっています。そのマウントのスペースを取りやすいのです。

 

メンテナンスが容易

トーションビーム式サスペンションは、構造そのものがとてもシンプルなことと、構成されるパーツの点数が少ないこともあって、メンテナンスがとても容易なことにあります。

構成される部品が少ないと言うことは、調整箇所も少なく、劣化した際に交換する部品数が少なくて済むということなのです。

 

コストが安い

部品点数が少ないと言うことは、コストが抑えられるということです。

低コストで軽量コンパクトなトーションビーム式サスペンションは、軽自動車やコンパクトカー、商用車に採用されることが多くなっています。

 

トーションビーム式サスペンションのデメリット

ライター

トーションビーム式サスペンションには、乗り心地の悪さを含めたデメリットが多く存在するのが現状です。

では、なぜそんなに乗り心地が悪くなるのでしょうか?この項目では、乗り心地が悪くなる数々の要因などについてお話しました。

他のサスペンションに比べて乗り心地が悪い

トーションビーム式サスペンションと他の種類のサスペンションとの乗り心地の違いは、普段の平坦な道路を普通に走行しているときには、あまりその差を体感できません。しかし、悪天候の際や、荒れた路面のところ、またスポーツ走行をしたときのハンドリングでその差は歴然と出てしまうのです。

左右のサスペンションを鋼製のトーションバー(アクスルバー)でつないだトーションビームは、どちらか片一方の車輪が段差を踏んだ際に、もう片一方の車輪にまで振動が伝わってしまうのです。結果、車は横方向に振動します。

また、荒れた路面の場合、路面の衝撃を直に受けてしまうため、車は強い振動を起こすのです。これは実際にトーションビーム式サスペンションを採用している車に乗った人でないと理解できないでしょう。

これが、独立懸架式のマルチリンクやダブルウィッシュボーンだと、どちらか片方の車輪が段差を踏むなど、路面からの衝撃を受けても、もう片方の車輪には影響することはありません。サスペンションの路面追従性が良いので、乗り心地に影響しないのです。この差は思った以上に大きいでしょう。

また、脚が早く動くことが求められるスポーツ走行には向かず、構造も単純であることから、ハンドリングも乗り心地もマルチリンクやダブルウィッシュボーンなどの独立懸架には全く及ばないのが現状だと思います。

ZVW30プリウス(3代目プリウス)をローダウンしないほうが良い理由と併せて、”できるだけ乗り心地を損なわないZVW30プリウス(3代目プリウス)のローダウンの方法”

 

アライメントの自由度が低い

車のチューニングで不可欠なのが、足廻りのチューニングです。

見た目の良さや走りやすさ、乗り心地の改善のために、トー角やキャンバー角、またキャスター角の調整は不可欠となってきます。これを総称して「アライメント調整」と呼んでいます。

車輪の取り付け角度が固定されているトーションビーム式サスペンションでは、これらの調整が不可能なのです。特にトー角とキャンバー角は純正状態では不可能なのが現状です。

 

ZVW30プリウス(3代目プリウス)のトーションビームが他の車種のトーションビーム搭載車に比べて乗り心地が悪い理由

ライター

コンパクトカーのFF車やミニバンなど、トーションビーム式サスペンションを採用している車種はたくさんあります。では、なぜ同じトーションビーム式のサスペンションを採用しているZVW30プリウス(3代目プリウス)は乗り心地が良くないのでしょうか?

この項目では、30プリウス(3代目プリウス)に乗っている僕が、その原因について試案・検証したお話をしました。

ホイールベースの違いが大きい?

トーションビームを採用している車種は実に多いのです。でも、その中でもZVW30プリウス(3代目プリウス)は特に乗り心地の悪さを感じるのです。同じトーションビームを採用しているトヨタのアクアや日産のノートオーラe-Powerだと、そこまで乗り心地の悪さは感じませんでした。

これは、僕の見解であるので間違っているか正しいのかはわかりませんが、おそらくホイールベースの差ではないだろうか?と考えています。

 

トーションビーム式サスペンション採用車の車種ごとのホイールベース

車種 ホイールベース(㎜)
ZVW30プリウス(3代目プリウス) 2,700
10アクア(初代アクア) 2,550
フィット(GR3)(FF車) 2,530
シビックタイプR(FK2) 2,600
スイフトスポーツ(ZC33S) 2,450

上記の表をご覧戴くと、そのホイールベースの差が一目瞭然ですね。

同じトーションビーム式サスペンションを採用している他の車種に比べて、ZVW30プリウス(3代目プリウス)の2,700㎜にもなるホイールベースはとても長いのです。

このホイールベースの長さが、リヤタイヤのどちらか片方が、段差を踏んだ際の衝撃によって、前輪に「てこの原理」で影響すると思われます。実際に、ZVW30プリウス(3代目プリウス)を運転しているときに、後輪の片方が段差を踏んだ際に、前輪のトラクションが不足してスリップサインが出ることが多いのです。これで何度か怖い思いをしたことがあります。

僕の家は、10アクア(初代アクア)も所有しています。妻が使用している車ですが、僕もたまに運転することがあるのですが、このような乗り心地の悪さは感じたことがありません。ZVW30プリウス(3代目プリウス)の乗り心地が悪いのは、この他の車種に比べて、ホイールベースが長いことが仇になっている気がするのです。

長いホイールベースの車は、高速巡行時の安定が良いのが特徴です。綺麗に整備された高速道路を走るさいは疲れにくいのです。ただ、一旦一般道路の悪路を走る際には、長いホイールベースにトーションビーム式サスペンションの組み合わせが悪影響を及ぼすのです。

ZVW30プリウス(3代目プリウス)のリヤサスに採用されているトーションビーム式サスペンション|ダブルウィッシュボーンなど、他のサスペンションとの違いを徹底解説

 

ホンダのトーションビームが優れている理由

同じトーションビーム式サスペンションを採用しているホンダのシビックタイプR(FK2)は、ニュルブルクリンクのテストコースでFF車最高タイムを叩き出した実績があります。

理由をいろいろ調べてみたら、ホンダのトーションビーム式サスペンションの優れた構造に感心してしまいました。

説明が非常にしにくいが、以下の通りだと考えます。

タイヤに上下に加わる力によって、タイヤに加わる力によるモーメントがダンパーにかかってきます。それによってダンパーロッド、ロッドガイド、ピストンとダンパー内部のパーツに横方向の力が発生し、これによってフリクション(摩擦の力)が大きくなります。

フリクションが大きすぎると、ダンバーがスムーズに動かないことになります。そこで、「サイドフォースキャンセルスプリングの出番なのです。

 

サイドフォースキャンセルスプリングとは?

サイドフォースキャンセルスプリングとは、自動車のサスペンションシステムにおいて、旋回時にタイヤにかかる横方向の力(サイドフォース)を打ち消すように働くスプリングのことです。これにより、乗り心地を損なわずに操縦安定性を向上させることができます。

具体的には、以下の2つの方法でサイドフォースをキャンセルします。

1.スプリングの配置や形状の工夫
スプリングをダンパーの中心軸からずらして配置したり、スプリング自体を斜めに巻いたりすることで、タイヤにかかる曲げの力を逆方向に力を掛けて、サイドフォースを打ち消します。

2.低バネレート化
スプリングのバネレートを低くすることで、路面からの衝撃を吸収しやすくなり、乗り心地を向上させることができます。同時にコンプライアンスブッシュの配置を最適化することで、さらに乗り心地を向上させることもできます。

 

ホンダのサスペンションに関してよく耳にする話は、ノーマルのダンパーやスプリングを外品に換えたときに、「ノーマルの方が良かった」と言って、ノーマルのダンパーとスプリングに戻すユーザーが多いと言います。車高を下げてカッコ良くしたいと考えて、安易に外品に換えないほうが良いのでしょう。足廻りに拘って煮詰めた仕上がりはホンダのお家芸だと思えるのです。

トヨタのトーションビームは、ダンパーとスプリングが別の位置に取り付けられていることもあるので、このようなことができません。シビックタイプR(FK2)もダンパーとスプリングは別の位置に付いていますが、それ以外に「アダプティブ・ダンパー・システム」を採用するなど、とても工夫されたサスペンションに仕上がっているのです。

他の要因として、ルノーのメガーヌRSやFK2シビックの場合は、フロントサスペンションにダブルアクシス・ストラットサスペンションを採用しているおかげで、うまく作用しているのもあるのでしょう。

 

まとめ

ライター

いかがでしたでしょうか?

今回のお話は、大まかに言って、

トーションビーム式サスペンションのメリット
トーションビーム式サスペンションのデメリット
30プリウス(3代目プリウス)のトーションビームが他の車種のトーションビーム搭載車に比べて乗り心地が悪い理由

でしたね。

何だか、トーションビーム式サスペンションの弱点を多く話しましたが、車好きの僕にとって、やはり車を運転する喜びとは、外観や内装のカッコ良さよりも、エンジンや足回りの性能が大事だなと感じるのです。

同じ思いを感じている方も多いのではないでしょうか。

 

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