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30プリウスをローダウンしている車をよく見かける。
確かにカッコいい!
でも、30プリウスはローダウンに適さない車であることを知っているのだろうか?

でも、「下げたらこんなにカッコいいのに、車高ダウンせずにはおられない!」
と言う方のために、今回のお話を参考にして戴きたい。
30プリウス(3代目プリウス)は、そもそもローダウンに適していない!


”愛車の30プリウスをローダウンしてカッコ良くしたい!”
販売終了からだいぶ年数が経過するにもかかわらず、一日30プリウスを見ない日は無い!というほど、普及している車だ。それだけ爆発的に売れた車なのです。
中には、カッコ良く車高をローダウンしている車もよくみかけます。
中には、5~6センチは下げているのだろうか?、フェンダーとホイールがツライチにキマッてる車もあって、僕でも「カッコいいなあ」と思ってしまのです。
ただ、正直これは、とても申し上げにくいのですが、実際には30プリウスは、ローダウンには向かない車だということを知っておいて戴きたい。同じ30乗りとして言わせてもらうと、出来れば、ローダウンせずにノーマルの車高のまま、乗ることをオススメしたいのです。
その理由を、30プリウスを愛車として毎日乗っている僕の体験記を交えて説明するので、参考にして戴ければ幸いです。
30プリウスのリヤサスペンションがトーションビームであることが要因として大きい
僕が、30プリウスをローダウンをおすすめしない最大の理由は、リヤサスペンションにトーションビーム式が採用されていることが一番大きい。
車のことをよく知っている方なら、トーションビーム式サスペンションがどういうものかは、理解されていることだと思う。
安価なFFのコンパクトカーのリヤサスペンションや軽自動車のリヤサスペンションに、トーションビーム式は採用されていることが多い。
トーションビーム式のサスペンションがどんなものかは、過去に別記事を上げているので、それを見て戴きたい。
トーションビーム式サスペンションは、左右のサスペンションがトーションバーでつながっている構造、つまり「車軸式」と呼ばれるものだ。
それに対して、よく聞く「ダブルウィッシュボーン」や「マルチリンク」という構造のサスペンションは、左右のサスペンションがそれぞれ独立して取り付けられている「独立懸架」と呼ばれる。
簡単に言ってしまうと、左右のサスペンションを鉄の棒でつないであるのが「車軸式」で、繋がれてなく自由なのが「独立懸架式」だと覚えておくとよい。
つまり、左右の足を鉄の棒でつながれているのと、そうでないのとでは、どっちが自由か?は当然わかるだろう。
トーションビーム式サスペンションは、比較的平坦な道路を普通のスピードで走行する際は、乗り心地などに影響を及ぼさない。ダブルウィッシュボーンやマルチリンクなどの他の種類のサスペンションとの差も感じないだろう。
サスペンションの差が出るのは、でこぼこ道や雨の日の荒れた路面、古くなって轍の出来た道路を走行する時だ。
30プリウスの場合、FFなので、後輪には駆動はかからない。駆動が掛からないのだが、左右のサスペンションがトーションバーでつながった構造になっているため、リヤタイヤで段差を踏んだ時に、対角上にある駆動輪のフロントタイヤが浮き上がってしまい、車の挙動に悪影響が出るのだ!
僕は、雨の日に後輪の片輪で水たまりをまたいだ時に、何度も怖い思いをした経験がある。
左右輪が逆ストロークになる悪路では、スタビライザー効果が仇となって、振動が止まらなったりする。イレギュラーでトラクションコントールが働いたりする場合もあったり、サスペンションがバタつくのだ。
これによって、一時的に警告灯が点灯したりして車が通常の状態ではないということが理解できるのだ。とても脆弱な足回りだなと感じてしまう。
問題は、これがノーマルの車高のクルマで起きる現象であることだ。ただでさえ悪路に弱い足回りなのに、ローダウンして硬くなった足回りだったらどうなるだろうか?
簡単に想像がつくはずだ。
特に後期型の場合、ボディ剛性の強化などによって、車体が硬くなっている
特に後期型の30プリウスは、センターブレースやメンバーブレースの形状を変えてボディ剛性を強化している。ボディがしっかりした分だけ、路面の衝撃が伝わりやすい。
サスペンションが変わって(ボールベアリング型アッパーマウントから入力分離型アッパーマウントに変更)、乗り心地がマイルドになったとは言われるが、残念ながら、それほどは功を奏していないように思えてしまうのだ。
しかも、ツーリングモデルには17インチの扁平タイヤが標準で装備される。
これらの「足回りを固めて、強化した」結果が、残念ながら悪い意味での乗り心地の硬さにつながってしまっているのだ。
ダブルウィッシュボーンやマルチリンクなどの独立懸架式の場合

トーションビームのような「車軸式」とダブルウィッシュボーンやマルチリンクのような「独立懸架式」では、構造も全く違う。
ダブルウィッシュボーンやマルチリンクなどの独立懸架式は、路面の凸凹に対する追従性が高く、安定性が良いので操縦性に優れ、乗り心地が良い。
トーションビームのように左右のサスペンションがつながってなく、左右の路面の状況に差異があっても、路面の衝撃をそれぞれで吸収できるとてもしなやかな足回りなのである。
同じトーションビームでもメーカーや車種によって違う!
ただし、同じトーションビーム式のサスペンションであっても、メーカーや車種によって優れた性質を持つトーションビームもあることを覚えておいて戴きたい。
中には、スポーツカーなのに、あえてトーションビーム式サスペンションを採用している車種もあるのだ。
スズキのスイフトスポーツである。
スズキの歴代スイフトスポーツのリヤサスは、初代から今現在に至るまで、ずっとトーションビームを採用している。
歴代スイフトのトーションビームは、ねじり剛性などが細かく調整されていたり、前後のサスペンションのバランスなどを煮詰めて細部まで計算されて作りこまれているため、とてもクイックに曲がる足回りに仕上がっているそうだ。
しかも、ショックアブソーバーは、モンロー社製の高級品なのである。
自分では運転したことが無いため、何とも言えないが、YouTubeなど、どの情報を見ても、スイフトスポーツのサスペンションは、皆が絶賛しているのだ。
もう一台は、ホンダのシビックタイプR(FK2型)だ。これもトーションビーム式を採用している。
ただ、「アダプティブ・ダンパー・システム」の採用により、加速度センサーストロークセンサーなどからミリ秒単位でドライバーの操作や車両状況を検知し、ダンパーの減衰力を独立制御することができるのだ。
それらによって、トーションビームを採用していても、ニュルブルクリンクで最速タイムを出しているのだ。
このように、ダンパーやスプリングなどのセッティングを見直すことで、乗り心地が大きく改善されているトーションビーム式のサスペンションも存在するのだ。
しかし、30プリウスの足回りは、そこまでは工夫されていない。30プリウスは大衆車だったり、ファミリーカーなのだ。スポーツカーや高級セダンではない。
あくまでも固くして剛性を強化しただけで、却って乗り心地が悪化しているように思えてしまうのだ。
それでも中には、「30プリウスをローダウンしたらカッコいいし、なんとかローダウンしたい!」っていう方はいらっしゃると思う。僕も実はそうなのだ。
では、なるべく30プリウスの乗り心地を損なわずに、ローダウンする最適な方法を次の項目でご紹介してみることにしよう。
ホイールベースが長い車なのに、トーションビーム式を採用しているところに無理がある
先述した同じトーションビーム式を採用しているスイフトスポーツやFK2型シビックと30プリウス(3代目プリウス)と大きく違うのは、ホイールベースの長さである。
ホイールベースの短いコンパクトカーや軽自動車などはトーションビーム式のサスペンションであっても、乗り心地にさほど悪影響を与えない。ところが、30プリウス(3代目プリウス)のホイールベースは2,700㎜もある。室内の居住性を追求したことでロングホイールベースの車に仕上がっている。
ただ、ロングホイールベースの車ならマルチリンクやダブルウィッシュボーンなどの独立懸架のサスペンションを採用すべきだったのだ。これが30プリウス(3代目プリウス)の失敗だと言えるだろう。その証拠に後出の50プリウス(4代目プリウス)や60プリウス(5代目プリウス)はリヤサスペンションにダブルウィッシュボーン式を採用しているのだ。
それでもローダウンしたい方へ!30プリウス(3代目プリウス)をローダウンするのに最適な足回りとは?


30プリウスをローダウンしてカッコ良くしたい!
では、先述したように、トーションビーム式のサスペンションが採用された”融通の利かない”足回りを持つ30プリウスをどうすれば、なるべく乗り心地を損なわずにローダウンすることができるか?を考えてみましょう。
最適なのはKYBのノーマル形状ショック&スプリング
30プリウスに限らず、愛車の車高をカッコ良くローダウンする方法として、ほとんどの方が「車高調整式ダンパー」つまりl「車高調」を想像するだろう。
確かに、車高調なら5~6㎝以上のダウンが可能だし、ホイールとフェンダーをツライチにできるようなローダウンが可能だ。
しかし、当サイトの他の記事でもお話しているが、車高調はあくまでもサーキットを走る競技用のための足回りだと僕は考えている。30プリウスに車高調を付けたら、車が跳ねてとても乗っておれるものではない!
ダウンサスのみの交換もおすすめしない。
ダンパーのストロークがロングストロークのまま、サスペンションが短くなってしまったら、いろんなシーンでスプリングが遊んでしまい、車が跳ねる原因になる。
一番良い選択だと思えるのは、国産の有名サスペンションメーカーであるKYB(カヤバ)のノーマル形状のショックアブソーバーとサスペンションをセットで交換することである。
この製品はKYBの「ローファースポーツプラス」と言い、リヤのサスペンションは減衰力調整ができるようになっている。
車高ダウンのダウン幅は2~3㎝ぐらいで、極端なローダウンは期待できないが、程よいダウンで見た目も引き締まってカッコ良くなると評判のショックアブソーバーとダウンサスのセットだ。
僕の知っている限りで、 30プリウスの乗り心地を極端に損ねず、ローダウンできる方法はこれが最適だと思っている。
ただ、自分で取り付けられる方は、Amazonや楽天でオーダーしたほうが安く済むが、そうでない方は、最寄りのカーショップに相談すると良いだろう。
取り付けをショップに依頼した場合は、パーツ代+工賃+アライメント代の合計で約13万円ぐらいだろうか?
ゴム類やブッシュ類も新しくする
サスペンションを交換するついでに、足回り周辺のゴム類やブッシュ類も新しいものに交換することもおすすめだ。
古い車になると、ゴム類は劣化してしまっている場合が多い。これらの劣化は乗り心地に大いに影響するし、ついでに新しいものに交換して、足回りをリフレッシュしよう!
必ず四輪アライメントもセットでオーダーするようにしたい!
トーションビームの場合は、アライメントで調整できる幅は少ないが、足回りを交換した場合の四輪アライメントは必ず行ってほしい。
あくまでも、車を安全に走らせるために必要な工程だからだ。
KYBは30プリウスのサスペンションをOEM生産している!
同じノーマル形状のショックアブソーバーのメーカーはKYB以外にもある。
ただ、なぜKYBをおすすめしたいかと言うと、実はKYBは、30プリウスの純正サスペンションをトヨタから依頼されてOEM生産しているメーカーなのだ。
それだけ、30プリウスのサスペンションを熟知しているメーカーだし、何より安心だろう。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、
・30プリウス(3代目プリウス)は、そもそもローダウンに適していない!
・それでもローダウンしたい方へ!30プリウス(3代目プリウス)をローダウンするのに最適な足回りとは?
でしたね。
僕も30プリウスのオーナーです。
ローダウンしたくても、本当はしないほうが良いことを僕は知っています。でも、ローダウンするとカッコいいし、やっぱり車が引き締まって見えるんですよね!
なので、今回は30プリウスをローダウンしないほうが良い理由と併せて、”できるだけ乗り心地を損なわない30プリウスのローダウンの方法”をご紹介しました。
ただ、ローダウンしたあとのケアはしっかり行って、良い車に仕上げて下さい。
実は、30プリウスはある理由があって、ローダウンは正直おすすめできません。
ローダウンすると、やはり見た目がカッコいいのでやりたいのですが、実際は30プリウスのオーナーである僕も、我慢してノーマルの車高のまま乗っています。