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新車での販売が無くなって久しい30プリウス。
時折、その燃費がネットなどで取り上げられますよね。2015年が最終モデルで、すでに古くなった車ではありますが、低燃費で人気なのです。
30プリウス(3代目プリウス)のカタログ燃費と実燃費
30プリウス(3代目プリウス)の燃費には、たくさんの説があります。正直どれを信じていいのかがわかりませんね。実際のところは、30プリウス(3代目プリウス)を所有して乗っていないとわからないものです。
この項目では、30プリウス(3代目プリウス)のオーナーである僕が、燃費を検証しました。
30プリウスのカタログ燃費
上記の画像は、50プリウスのカタログ燃費の表記だが、30プリウスのカタログ燃費はWLTCモードで、30.4㎞/Lとなっています。
お断りしておきますと、この30プリウスが発売されていた頃は、まだ今現の燃費基準であるWLTCモードは採用されていなかったため、JC08モードから換算してのカタログ燃費となっています。
よく、巷でカタログ燃費という表記が使用されていますが、カタログ燃費っていったい何?ってことになりますよね。カタログ燃費の測定方法は、実燃費との落差が問題視された経緯もあり、測定方法が変わってきています。
ちょっと以前の燃費測定基準であったJC08モードという測定方法の場合だと、シャシーダイナモという車の馬力やパワー等を計測できる機械で、シャシーダイナモのローラーの上に車を載せて重量を負荷させた状態でタイヤを回転させて行われています。
ただし、実際に道路上で運転操作無しで行われるため、風の抵抗や実際の路面の状態などは考慮されていません。
JC08モードより以前の測定方法は、10・15(じゅう・じゅうご)モードが採用されていました。10・15モードの測定方法は、市街地や郊外を想定した25にも及ぶ走行パターンで燃費を測定していたのです。ただ、10・15モードの場合は、JC08モードよりも実燃費との落差が大きかったので、JC08が採用されたのです。
そして、JC08モードも廃止され、2018年10月より新たにWLTC(Worldwide harmonized Light duty driving Test Cycle)という測定方法に切り替わっています。
それでも、実燃費とは大きな開きがあるのが現状です。よくカタログを見て、「こんなに燃費良くないぞ!」と感じる方は多いと思います。実燃費よりも相当良い燃費が計測されたりするので、カタログ燃費は参考にもならないと言っても過言ではないでしょう。
30プリウスの実燃費(自分の車で実燃費を測定)
30プリウスの実燃費を僕の愛車の30プリウスで測定・検証してみました。グレードはGツーリングセレクション・レザーパッケージです。通勤で休日以外の週に5日、往復で65kmの距離を運転しています。ガソリンを入れるたびに燃費の測定ができるので、参考になるかと思います。
燃費測定年月日 | 燃費(km/L) | コメント |
2021年10月25日 | 23.91km/L | 走行距離が882kmで、満タンで入ったガソリンの量が36.88L |
2022年1月10日 | 21.77km/L | 走行距離が890kmで、満タンで入ったガソリンの量が40.88だ。やはりこれだけ寒いと燃費が良くない。 |
2022年5月13日 | 24.25km/L | 走行距離が880kmで、満タンで入ったガソリンの量が36.28Lだ。エアコンのいらないこの時期が一年を通して一番燃費が良いのだろう。 |
2022年8月19日 | 22.49km/L | 走行距離が660kmで、満タンで入ったガソリンの量が29.34Lだ。冷房を入れているとやはり燃費は下がる。 |
2022年10月4日 | 25.62km/L | 走行距離が673.4kmで、満タンで入ったガソリンの量が26.28Lだ。この燃費が計測開始後最高燃費となった。今回の燃費の良さには要因がいくつかある。
・タイヤを新品にした。 |
2023年11月4日 | 24.08km/L | この日は久しぶりに燃費を計算してみた。走行距離が597.5kmで、満タンで入ったガソリンの量が24.81Lだ。
季節は秋で、エアコンを使用することはほとんど無い。ただ、調子に乗って上り坂でパワーモードを何回も使ったので、それほど燃費は伸びなかったが、それが無ければもっと低燃費になっていただろう。 タイヤも交換して1年が経過し、車にとっては今が一番良いコンディションかもしれない。 |
上の表をご覧戴くとご理解戴けるかと思いますが、まずまずの低燃費を継続できています。この燃費を継続できている最大の理由は、主に通勤で使っている車なので、一度の走行距離が30km以上の距離を走るため、低燃費が出やすいのでしょう。もし、一度の走行距離が10kmにも満たない距離だと、ここまでの低燃費は出せないでしょうね。
30プリウス(3代目プリウス)の燃費の真実を徹底検証!
燃費の良し悪しには、様々な要因がからんできます。この項目は、30プリウス(3代目プリウス)を乗っていて、僕がほぼ毎日愛車のプリウスを運転していて、燃費の良いときとそうでないときはどういう要因があるのか?についてお話しました。
ハイブリッドシステムインジケーターの役割
30プリウスだけでなく、ほとんどのハイブリッドカーに装備されているハイブリッドシステムインジケーター(名称はメーカーによって違う)の役割についてお話することにします。
ハイブリッドシステムインジケーターは、運転席のインパネに表示され、ドライバーが今現在の車の状況を確認できる仕組みになっています。
その情報とはメインバッテリーの電気の残量だったり、現在の燃費や平均燃費などです。それに今現在はエンジンとモーターでも走行か?あるいはモーターだけの走行か?の状況を把握できます。
車種によって違ってきますが、30プリウスの場合は過去の月間別の平均燃費までもが確認できる仕組みになっており、とても親切で分かりやすいインジケーターとなっています。こういうのが好きな方にとってはとても面白いメカですね。
30プリウス(3代目プリウス)の燃費表示の正しい見方
とても便利なハイブリッドシステムインジケーターですが、燃費表記はあくまでも参考程度にしておいた方が良いでしょう。
なぜなら、ハイブリッドシステムインジケーターの燃費の表記は、路面状況や走行状況などの車のいろんな現在の要素を加味してコンピューターが計算する仕組みになっています。様々な状況を加味するということは、必要な情報だけでなく、余計な情報も全て拾い上げてしまうのです。
この機能は年々進化を遂げてはいるが、実燃費は
実燃費=走行距離÷満タンで入ったガソリンの量
なのです。なので、実燃費より良い数値が出ることがほとんどであり、インジケーターの数値ほどは実燃費は良くないことが現状だ。正しい数値とは意外にもアナログなものなのです。
季節によって変わる燃費
上記で話した僕の愛車の30プリウスで実燃費を測定・検証しましたが、ご覧戴いてわかるように冬場の1月が一番燃費が悪く、21.77㎞/Lとなっていますね。
逆に一番燃費が良いのが5月で、24.25㎞/Lとなっています。ハイブリッドカーの燃費は、季節によって大きく変わります。
車の使用環境によって変わる燃費
車の使用環境は人それぞれではありますが、それによって大きく燃費は変わってきます。それは、一度に走行する距離であったり、通勤で毎日車を使用するか?もしくは休日のレジャーや買い物のみの使用なのかにもよって違います。
また、タイヤの状況も燃費に影響を与えるので配慮しておきたいものです。これについては、後で解説しています。
一度に走行する距離
30プリウスだけでなく、多くのハイブリッドカーは、一度に走行する距離によっても燃費は大きく変わってきます。
結論から言ってしまいますと、一度の走行距離が8㎞に満たない場合は、燃費は伸びません。一度に走る距離が短いと、ハイブリッドカーの最大の恩恵である低燃費のメリットは得ることができないのです。
僕の場合を例に挙げると、30プリウスで毎日の通勤をしています。片道が約32.5㎞、往復で約65㎞が一日の僕の走行距離です。
横浜市は坂が多い地域で有名ですが、僕の通勤経路は割とフラットであり、渋滞はあるもののさほど気にするほどでもないのです。ハイブリッドカーで低燃費が出せる使用条件だと言えるでしょう。だから、上記で測定・検証したような燃費が出せるのです。
これが、一度の走行が8㎞未満のちょこっと乗りだと低燃費を出すことは難しい。そういう方はハイブリッド車ではなく、普通のガソリン車か軽自動車に乗った方が良いでしょう。
通勤で車を使用するか?休日のみの使用か?
車で毎日通勤をし、僕のように割と長距離を走る方の30プリウスは低燃費を出すことが可能です。逆に休日の買い物やレジャーがメインの方は低燃費を望むのは難しいでしょう。
運転の仕方によって変わる燃費
30プリウス(3代目プリウス)だけでなく、ハイブリッドカーはドライバーの運転の仕方によっても燃費は大きく変わってきます。
丁寧でおとなしい運転を心がける方の30プリウス(3代目プリウス)は低燃費を出せる傾向にあります。逆にラフな運天をするの方の30プリウスは燃費が悪くなる傾向にあります。これはハイブリッドカーでなく普通のガソリン車でも同じですね。
実は僕の愛車の30プリウスはワンオーナーの中古で購入しています。
以前のオーナーが売却したものを僕が購入した中古車販売業者がオークションにて競り落としたものです。その中古車販売業者の経営者が僕に売却するまでの間、自分で乗っていた時があるらしいのですが、その時の燃費は20㎞/Lに満たなかったようなのです。
車にもレーダー探知機を付けていたので、おそらく運転が荒かったのでしょう。僕が購入して乗り出してからは上記で話したような低燃費を叩き出せています。やはり乗り方は燃費に大きく関係してくるのです。
グレードによって燃費は変わるのか?
また、車のグレードによって燃費は変わるのか?という疑問を多く見かけることがあります。
結論から言うと、グレードによる燃費への影響はほとんど無い。と言っても良いでしょう。
車というものは、30プリウスに限らず高グレードになればなるほど装備が多くなる関係で車の重量が重くなります。付け加えて、標準装備されるタイヤ・ホイールも大口径になる傾向にあります。タイヤ・ホイールが大口径になると燃費が下がるという概念ですね。
車が重くなるとそれだけ燃費が下がるという概念もありますし、理解はできます。
しかし、車というものは発進する際に一番エネルギーを使いますが、いったんスピードに乗ってしまえば多少の重量の差は燃費にほとんど影響しません。
それに大口径のタイヤ・ホイールですが、口径が大きくなれば重量が重くなるので燃費が下がるという理屈もわかる気はします。でも、逆に大口径のタイヤ・ホイールは一回転あたりの進む距離が大きいので、それだけ燃費を稼げるのです。
実際に、同じ会社に勤める同僚の人に僕の30プリウスより下のグレードに乗っている方がいるが、僕の30プリウスほど燃費は良くないと言っています。したがって、グレードは燃費にほとんど影響しないと言ってもいいかもしれません。
30プリウス(3代目プリウス)の燃費改善のためのパーツ交換とは?
「燃費が良くなるパーツなら積極的に交換したい!」
たいていの方がそう考えると思いますが、燃費を良くするためのパーツは、意外とシンプルなものなのです。
新しく新品に交換することも大切ですが、ここでは、こまめにメンテナンスすることで燃費向上に大きく役立つパーツについてお話しました。
タイヤの状態が燃費向上に大きく影響する!
30プリウス(3代目)プリウスを何年の所有し乗っていて、燃費向上の大事な要素として最も大きいと感じるのが、「タイヤの状態」です。
勿論、装着しているタイヤは新品に近ければ近いほど、燃費は良くなるのですが、そんなに頻繁にタイヤを新品に交換することなんてできませんよね。それこそエコカーでなくなります。
そこで、タイヤがどのような状態であれば燃費が良くなるのか?、あるいは燃費が向上するのか?と言いますと、
・常にタイヤをキレイな状態にしておく
・できればハイブリッドカーに採用が多い低燃費タイヤを装着する
主に上記の3点が重要になってくると思います。
皆さんの所有しておられる30プリウス(3代目プリウス)のタイヤの溝を確認してみて下さい。思った以上に小石がたくさん挟まっていることに驚かれるでしょう。
この小石を時間が許すタイミングで小まめに除去することが大事になってきます。Amazonや楽天などの通販でタイヤの小石を取るピックは販売されています。
僕も、時間があるときは小石取りピックを使ってコツコツと小石を取っています。チリツモかもしれませんが、これが意外と低燃費に効果を発揮しているのではないかと考えています。
また、洗車を行ってタイヤをキレイな状態にしておくことがとても大切です。タイヤワックスは燃費にほとんど影響しませんが、こまめに手入れをすることで、自分の愛車のタイヤの状況を細かく把握できるのです。
また、低燃費タイヤの装着も燃費向上に大きく高価を発揮します。
低燃費タイヤは、タイヤのグリップ力よりもタイヤの転がり抵抗を押さえて転がりやすく設計されているタイヤのことです。ブリジストンならエコピア、横浜タイヤならブルーアースといったところが有名ですね。
僕も、次回のタイヤ交換には低燃費タイヤの装着を検討しています。
バッテリー寿命と燃費関係について
燃費向上に大きく影響するのが、駆動用メインバッテリの状態です。
駆動用メインバッテリーは、走行距離や経年などで、どうしてもだんだんと劣化していくものです。できるだけ長く良い状態を維持したいのですが、このことに関しては当サイトの別の記事でも詳しくお話しています。
この駆動用メインバッテリーの状態は、ハイブリッドカーの生命線と言っても過言ではないほど、燃費に大きく影響します。常に、バッテリーの状態を把握しておくことが大切になってくるでしょう。
・バッテリーを劣化させやすい走り方をしていないか?
・ΔSOCの数値を把握しておく
上記の3つが、駆動用メインバッテリーの状態を把握する秘訣になるでしょう。
バッテリーの電気の蓄積量のインジケーターが満タンに近い状態なのに、エンジンがかかっている状態が長く続く場合は要注意です。すぐにでもディーラーなどで点検してもらうようにしましょう。駆動用メインバッテリーの状態によっては交換が必要な場合もあります。
30プリウス(3代目プリウス)には、4つの走行モードの中に、「EVモード」といった電気モーターだけで走行できるモードがあります。早朝や深夜の住宅街を走る際に使用することで騒音を防げるのですが、燃費を良くしたいからと言ってEVモードを乱用してしまうと、駆動用メインバッテリーの劣化のリスクが高まるのです。
必要以上にEVモードを使うことはおすすめしません。必要な時だけの使用に留めておくことをオススメします。
また、ΔSOCとは、別記事でもお話していますが、駆動用メインバッテリーの状態を数値で表したものです。ディーラーなどに行って数値を計測してもらうことをオススメします。
エアコンが燃費に与える影響
エアコンの状態も燃費に大きく影響します。
今のエアコンは、昔の車のようにエアコンのガスを頻繁に補充しなくてはいけないようにはなっていません。ただ、エアコンフィルターは1年に1回は交換するようにしましょう。
エアコンフィルターが汚れた状態だと、エアコンがスムーズに循環せず、必要以上に温度を下げたり上げたりしないとエアコンが効かないといったことになってしまいます。そうなることでエンジンのかかっている時間が長くなり、燃費が悪くなるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って、
●30プリウス(3代目プリウス)のカタログ燃費と実燃費
●30プリウス(3代目プリウス)の燃費の真実を徹底検証!
●30プリウス(3代目プリウス)の燃費改善のためのパーツ交換とは?
でしたね。
車の使用環境によって燃費は大きく変わってきます。
僕の30プリウスは通勤距離や使用環境の影響もあって、低燃費を出せています。しっかりとメンテナンスした愛車で通勤できることはとても嬉しいことです。
今後もメンテナンスを怠らず、大切に乗っていこうと思っています。今回の情報をお役立て戴ければ幸いです。
30プリウス(3代目プリウス)は、まだまだ中古車市場で人気の車です。燃費もすごく良いですね。ただ、低燃費を出すにはそれなりの条件が必要なのです。
今回は、僕が現在愛車として乗っている30プリウスの燃費を測定・検証しましたので、参考にして戴けると幸いです。