この記事は約 19 分で読めます。
僕はZVW30プリウス(3代目プリウス)を所有し、乗っています。
良い車でとても気に入っていますが、不満な点もいくつかあります。それは、リヤのサスペンションが少々古臭いのです。

サスペンションの構造と役割

サスペンションは車のパーツの中でも、とても重要な役割をしています。
この項目では、サスペンションの構造や役割について簡単にお話しました。
サスペンションは安全で快適な走行のための大切な役割
サスペンションは、車の足回りには欠かせない重要なパーツです。
路面からの衝撃を吸収したり、車が安定して安全で快適に走行するために大切な役割を担っています。また、チューニングやセッティングを施すことで、車を自分好みのスタイルや乗り味に変化させることができるので、とても重要なパーツなのです。
サスペンションは、大きく分けて「コイルスプリング」「ショックアブソーバー」「サスペンションアーム」の3つのパーツから成り立っています。この3つのパーツのそれぞれの役割は以下の通りになります。
コイルスプリング
コイルスプリングは、その名の通り金属の線材をらせん状に巻いたスプリングで、衝撃を吸収するクッションのような役割をしています。
バネの巻き数や太さは、その車の重量などに合わせてセッティングされています。
このスプリングの太さや長さを変えることで、車高を下げたりカーブを曲がる際のロールを少なく抑えることができる仕組みになっています。
ショックアブソーバー(ダンパー)
ショックアブソーバーは、金属でできた筒状のパーツです。
コイルスプリングは、路面からの衝撃を受けると振動が発生します。その振動を抑える役割を果たすのがショックアブソーバーなのです。
筒状の構造のショックアブソーバーには、粘度の高いオイルとガスが入っており、「復筒式」と「単筒式」に大別されます。
コイルスプリングとのバランスの良い組み合わせにより、路面からの抵抗や衝撃によって、縮んだバネが戻ろうとする反発力を抑えて、穏やかな力に変換することでコイルスプリングの振動を抑えるという仕組みとなっています。
サスペンションアーム
サスペンションアームは、車のサスペンションシステムの一部で、車体と車輪をつなぎ、ホイールの動きを制御するパーツです。
車軸の位置を決めるだけでなく、タイヤの上下運動を可能にし、車両の走行安定性に貢献しています。
サスペンションの種類

世の中に出回っているサスペンションはいくつも種類があります。
ここでは、乗用車に多く採用されているいくつかの種類のサスペンションの特性を簡単に説明しました。
一番多く出回っているストラット式サスペンション
最も出回っているスタンダードなタイプのサスペンションが、ストラット式サスペンションです。
開発者の名前と取って「マクファーソンストラット」と呼ばれることも多いのです。ほとんどは前輪のサスペンションとして採用されています。
ストラット式サスペンションは、構造がシンプルでスペース効率に優れているため、多くの車種で採用されています。ショックアブソーバーとコイルスプリングを一体化した構造で、コンパクトかつ安価に装着できることが特徴です。
ストラット式サスペンションの主な特徴やメリット
簡潔でコンパクトな構造:とても造りがシンプルで、ショックアブソーバーとコイルスプリングを同じ軸上に配置しながら、一本のサスペンションアームで車輪を支持できます。 高いスペース効率:小スペースでも配置できるので、小型車に多く採用されています。そのため、何種類かのサスペンションの中でも、軽量であり、コストが安いのが特徴です。 幅広い車種への採用:特に乗用車を中心に、様々な車種で採用されています。
ストラット式サスペンションのデメリット
路面からの振動:路面からの衝撃が伝わりやすいことがあります。 コーナリング時の衝撃:ストラット自体に力が加わるため、ショックアブソーバーの動きが制限され、乗り心地が悪くなる場合があります。造りがシンプルな反面、剛性やアライメント調整の幅は狭いです。
ダブルウィッシュボーンや、マルチリンクのような上級な乗り味は望めません。先述しましたが、ほとんどがフロントのサスペンションに採用されています。
スポーツカーや、高級車に採用が多いダブルウィッシュボーン式サスペンション
ダブルウィッシュボーン式サスペンションは、車のことをあまりご存じない方でも、名前ぐらいは聞かれたことがあるかと思います。
ダブルウィッシュボーンは、スポーツカーやレーシングカー、大型高級セダンに採用されることが多い。名前の由来は、鳥の叉骨(ウィッシュボーン)の形状に似たアームが上下に二つあることで付けられた名前です。
ダブルウィッシュボーン式サスペンションの主な特徴やメリット
設計自由度が高い:アームの長さや角度、取付位置を細かく調整でき、加減速時の車両の姿勢変化やホイールアライメント特性を自由に設計できます。 乗り心地の良さ:剛性が高く、路面からの衝撃を吸収しやすく、乗り心地を向上させます。 操縦安定性が高い:上下のアームが独立して動くことで、路面からの衝撃を効率的に吸収し、操縦安定性を高めます。
ダブルウィッシュボーン式サスペンションのデメリット
高コスト:構造が複雑で、パーツ数も多いので高額になること。 広いスペースを要する:構造上、広いスペースを必要とするので、制約が厳しい。 バネ下重量が重くなりがち:パーツ数の多さから重量がかさむため、バネ下重量が重くなりやすい。
ダブルウィッシュボーンの進化型であるマルチリンク式サスペンション
マルチリンク式サスペンションは、ダブルウィッシュボーン式サスペンションに比べ、アームの本数を増やしそれぞれのリンクへ機能を分担させた設計から、「ダブルウィッシュボーンの進化型」とも呼ばれています。
市販車では、1982年にベンツ190Eのリアサスに採用されて脚光を浴びました。高級車やスポーツカーに多く採用されており、特にリヤサスペンションとして採用されていることが多いです。
マルチリンク式サスペンションの主な特徴やメリット
乗り心地の良さ:乗り心地の良さとロードノイズの低さから、高級車に採用されることが多い。世界では、メルセデスベンツが最初に採用した方式のサスペンションである。 タイヤの接地性向上:リンクの位置や角度を細かく調整することで、タイヤが路面に設置しやすくなります。 操縦性の向上:サスペンションの動きを綿密に制御できるため、操縦安定性が向上します。 路面追従性向上:路面の凸凹に柔軟に対応し、乗り心地を向上させます。
マルチリンク式サスペンションのデメリット
メンテナンスが複雑:構造が複雑で部品点数も多いため、取り付けには高い技術力が要求されます。 高コスト:高い性能を維持するためにこまめなブッシュ交換を要し、作業工程や調整箇所が多く長い時間を要します。
コストが安く、整備が簡単な車軸式サスペンションの一種であるトーションビーム式サスペンション
トーションビーム式サスペンションは、固定車軸方式の一種のサスペンションです。
左右のトレーディングアームを梁(クロスビーム)でつないだサスペンション形式の一種です。この梁がねじれ(トーション)を許容することで、左右の車輪がある程度個別に上下動できます。比較的シンプルな構造のため、コストを抑えて製造できるのが特徴です。
小型車やFF車やFFベースの4WD車の後輪に採用されることが多いですね。
トーションビーム式サスペンションの主な特徴やメリット
低コスト:構造がとても簡単な造りでできているため、整備が容易にできる低コストなことがメリットのサスペンションです。 居住空間や荷室を広くできる:簡単でシンプルな造りのため、スペースを取らないことが功を奏して、トランクルームを広く取れたり、室内を広く取れる利点があります。 バネ下重量が軽い:パーツ数が少なく構造されているため、バネ下重量を軽くできます。 抗ロール性が得やすい:固定されているため、ロールには強いです。 キャンバーやトレッドの変化が少ない:左右のトレーディングアームを固定されているため、ストロークに伴う対地キャンバーやトレッドの変化が少なくて済みます。
トーションビームのデメリットなどの車軸式の場合のデメリット
片輪の衝撃がもう一方の車輪に伝わりやすい:トーションビーム式サスペンションのデメリットは、車軸式サスペンションの特徴である左右のサスペンションをトーションバーでつないでいるため、片方の車輪の衝撃がもう片方の車輪に伝わりやすいことです。FF車は駆動輪が前輪であるため、後輪には駆動が掛からないとは言え、段差を踏んだ時に対角上にある駆動輪のフロントタイヤが浮き上がってしまい、怖い思いをすることになることがあります。 悪路では、車の振動が止まらなくなる場合が多い:また、左右輪が逆ストロークになる悪路では、スタビライザー効果が仇となって、車の振動が止まらなくなります。悪路での乗り心地は正直悪いですね。
スポーツカーや高級セダンに多く採用されるダブルウィッシュボーンやマルチリンクと違い、サスペンションの動きが制限されるトーションビームは、ホイールベースの短いコンパクトカーや軽自動車ならまだマシですが、ZVW30プリウス(3代目プリウス)のような3ナンバーのセダンタイプの車に採用するには、ちょっと無理があると思います。
トーションビーム式サスペンションは「安かろう悪かろう」なのか?

低コストだが、他の種類のサスペンションと比べると、乗り心地や路面追従性に欠けるなど、さんざん酷評されてきたトーションビームですが、メーカーや車種によっては、トーションビームを積極的に採用し、デメリットを改善しているものも中にはあるのです。
この項目では、スポーツカーなのにトーションビームを採用している実例をお話しました。
同じトーションビームでもメーカーや車種によって違う!
実は、同じトーションビームを採用していても、メーカーや車種によって、その出来具合は全く違ってきます。実際には、ホンダのFK2型シビックタイプRや、スズキのZC33S型スイフトスポーツにも、トーションビーム式サスペンションは採用されているのです。
歴代スイフトスポーツのトーションビーム
歴代スイフトのトーションビームは、ねじり剛性※などが細かく調整されています。
長い間のノウハウの蓄積により、じっくりと煮詰めてあるのと、あの世界の一流ブランドである「モンロー」製のサスペンションを歴代のスイフトスポーツは採用しているのです。
それでも、公道での突き上げは強めではあると言います。
※ねじり剛性とは?
ねじり剛性とは、物体がねじり力(トルク)に抵抗する能力を表す指標です。具体的には、ある角度にねじる時の抵抗力、つまりねじれ変形に対する抵抗力の大きさを指します。高いねじり剛性を持つ材料や構造物は、同じねじり力に対してより小さな変形をすることがあります。
ねじり剛性の定義:構造物や材料がねじり力(トルク)によってねじれたときに、どれだけ抵抗するかを指す指標です。 剛性の工程:ねじり剛性が高いほど、同じトルクに対してねじれ変形が小さくなります。 応用例:自動車のボディ、シャフト、梁、その他の機械部品など、ねじり荷重がかかる場所でとても重要です。 ねじり剛性の計算:単位長さの棒を単位角度(1ラジアン)ねじるのに要するねじりモーメントで表されます。この値は、横弾性係数(G)と断面二次極モーメント(lp)の積(Glp)で計算されます。 ねじり剛性と乗り心地:自動車では、ねじり剛性が高くなると、騒音や振動、乗り心地に影響を与え、より安定した走行性能を実現します。 ねじり剛性と耐久性:構造物のねじり剛性が高ければ、ねじれ荷重による損傷や変形を防ぎ、耐久性を向上させることができます。
シビックタイプR(FK2型)のトーションビーム
シビックタイプR(FK2型)はトーションビームを採用しています。
それでもニュルブルクリンクでは、FF車で最速タイムを出したことは有名な話ですね。
しかし、トーションビームであっても、アダプティブ・ダンパー・システム※の採用により、乗り心地やハンドリングを改善し、トーションビームの弱点を克服しているのです。
※アダブティブ・ダンパー・システムとは?
※アダプティブ・ダンパー・システムは、ZFザックス(SACHS)という、多くの自動車メーカーにサスペンションパーツ、クラッチパーツを供給するドイツの巨大企業が開発、供給する製品です。
ヨーロッパ車にはとても多く採用されており、街乗りから、サーキット走行まで自在に味付けができると言われているサスペンションになります。
上記のことから、同じトーションビームでも、車を作る際に煮詰められた構造のものがあると言うことが理解できたかと思います。
残念ながら、ZVW30プリウス(3代目プリウス)のトーションビームは、そこまでは考えられて採用されてはいないだろうと予想ができてしまうのです。ただ、室内(特に後部座席)や荷室が広いのは、トーションビーム式サスペンションの採用による恩恵であることは間違いない事実ですので、それは認めないといけないでしょう。
ギャラリー
画像の左から、ZVW30プリウス(3代目プリウス)のトーションビーム、10アクアのトーションビーム、右側2個の画像はダブルウィッシュボーン式サスペンション。
ZVW30プリウス(3代目プリウス)のトーションビームの乗り心地が悪い理由

僕の愛車のZVW30プリウス(3代目プリウス)にもトーションビームが採用されています。
このサスペンションが原因で、何度か怖い経験をしています。なぜ、30プリウスにトーションビーム式のサスペンションが合わないのか?僕の意見で恐縮ですが、お話しました。
ホイールベースの長さが原因になっているように思える
実際にZVW30プリウス(3代目プリウス)を愛車として、毎日乗っている僕ですので、理解できることかもしれませんが、ZVW30プリウス(3代目プリウス)のトーションビーム式サスペンションのよる乗り心地の悪さの原因は、ZVW30プリウス(3代目プリウス)のホイールベースの長さにあるかもしれません。
実際に先述した同じ形式のリヤサスに、トーションビーム式を採用しているFK2型シビックやスイフトスポーツ、またトヨタの10アクア(初代アクア)のホイールベースとZVW30プリウス(3代目プリウス)のホイールベースを比較してみると下の表のようになっています。
車種ごとのホイールベース
| 車両 | ホイールベース |
| スイフトスポーツ | 2450㎜ |
| FK2型シビック | 2600㎜ |
| 10アクア(初代アクア) | 2600㎜ |
| 30プリウス(3代目プリウス) | 2700㎜ |
FK2型シビックや10アクアとは、たった10㎜の差なのです。本来、トーションビーム式サスペンションは、ホイールベースの短いコンパクトハッチには支障なくマッチできる場合が多いでしょう。僕も妻の10アクア(初代アクア)にたまに乗る機会があるが、取り立てて乗り心地の悪さは感じないのです。
ZVW30プリウス(3代目プリウス)のようなセダンタイプ(実際はセダンではないが)の車にトーションビーム式のリヤサスを採用してしまうことで乗り心地の悪さが生じてしまうのではなかろうか?と考えています。
悪天候時に前輪のトラクションがかからないことも!
ZVW30プリウス(3代目プリウス)に乗っていて、怖い思いをすることがあるのが悪天候の時です。
交差点近くになって、軽くブレーキを踏んだ際に段差があったり、水たまりを踏んでしまうと後輪が路面の衝撃を吸収しきれずに前輪のトラクションがかからずに、スリップサインがでることが時々あるのです。
その時の車は、多少不安定な動きをして怖い思いをするときがあるのです。このような経験は、ZVW30プリウス(3代目プリウス)の前型のNHW20プリウス(2代目プリウス)でも経験したことがあります。
もしかすると、17インチのタイヤ・ホイールを採用していないツーリングモデル以外のグレードの純正タイヤ・ホイールは15インチなので路面の影響を受けにくいため、このようなことは無いのかもしれませんね。
そもそも、セダンタイプの車にトーションビーム式のサスペンションは無理があるのかもしれません。後輪のバタつきが前輪にも影響してしまうのです。
そのようなユーザーの苦情があったのかどうかは知りませんが、ZVW30プリウス(3代目プリウス)以降の型の50系プリウス(ZVW51プリウス)や60系プリウス(MXWH60プリウス)のリヤサスペンションはダブルウィッシュボーン式を採用していますし、このような事態は解消されて乗り心地も良くなっているのです。
未だに人気があり、中古車市場でも売れているZVW30プリウス(3代目プリウス)ですが、このようなところはZVW30プリウス(3代目プリウス)のユーザーの僕としてはとても残念でなりません。
17インチのタイヤ・ホイールを履いたツーリングモデルや純正ホイールからインチアップしたユーザーは、ショックアブソーバーやサスペンションなどの足回りを外品に交換したとしても、根本的な問題の解消は難しいかもしれませんね。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、
●サスペンションの構造と役割
●トーションビーム式サスペンションは「安かろう悪かろう」なのか?
●ZVW30プリウス(3代目プリウス)のトーションビームの乗り心地が悪い理由
でしたね。
「安かろう悪かろう」と世間で言われているトーションビーム式サスペンションも、近年は進化しているのがご理解戴けたかと思います。
かと言って、ダブルウィッシュボーンのようなしなやかさや、セッティングの自由度の高さが魅力的に映るのは否めないのが現実です。
ZVW30プリウス(3代目プリウス)のトーションビームは古いタイプのものなので、近年のトーションビームのようにはいきませんが、今後のサス・ショックの強化品への交換等などで、乗り心地の改善を図りたいと考えています。





-150x113.jpg)
-150x113.jpg)




ZVW30プリウス(3代目プリウス)のリヤサスペンションは、「トーションビーム式サスペンション」です。
世の中で高性能とされているダブルウィッシュボーン式やマルチリンク式と違って、機能面で劣るのです。
しかし、近年のトーションビームは進化していて、スポーツカーにも採用されているのだとか…。
今回は30プリウスのリヤサスにも採用されているトーションビーム式サスペンションと、ダブルウィッシュボーン式をはじめ他の種類のサスペンションの構造や違いなど、徹底して解説しました。
聞いて損をしない情報ですので、是非最後まで見ていってね。