この記事は約 11 分で読めます。
国産のハイブリッドカーの新型が次々に登場する中、ホンダのハイブリッドカーは他社と一線を画す車づくりで、話題になっているようだ。
そんな中、今回はFL4シビック(ハイブリッド)の試乗に行ってきた。

走りが気持ちいい!シビックe:HEVはハイブリッドとは思えないアクセルフィール
(文字入り).jpeg)

ホンダのハイブリッドシステムのe:HEV搭載のFL4シビックは、ハイブリッド搭載モデルでありながら、車で走る楽しさをとことん追求した、車好きのユーザーにとってはたまらない装備が満載です!
この記事を参考にして戴いて、これからハイブリッドカーの購入を検討中の方は、是非FL4シビックを試乗してみて戴きたい!
思わずアクセルを踏みたくなる!軽やかな加速フィールとエンジン音を効果的に使ったアクティブサウンドコントロール
.jpg)
ハイブリッドカーに慣れている人ほど、シビックe:HEVのアクセルフィールに驚くだろう。
発進はモーター動力がメインの加速になるのだが、グイッとアクセルをあおって一気に加速しようとして、そのフィーリングに驚いた。
ハイブリッドカー独特のモタツキ感が全く無いのだ!ハイブリッドモデルは、時速60㎞まではモーター出力のみで走る仕組みになっていて、電気自動車のような加速フィールを楽しむことができる。
ハイブリッド搭載車のFL4シビックには、「NORMALモード」「SPORTモード」「ECONモード」「INDIVIDUALモード」の4つの走行モードがある。せっかくなので、SPORTモードに入れて走ってみた。
速度が上がっていくにつれてエンジンの動力が加わって、力強い加速フィールを楽しめる。
そして、アクセルをベタ踏み、力強いエンジンの咆哮とともに、「フォーン」というスポーツカー独特の高性能エンジンのやたらと心地良い回転音がするのだ。
助手席の営業担当が言うには、「アクティブサウンドコントロール」によるエンジン回転とシンクロした人工的な音をプラスすることで、ユーザーにとって気持ちの良い爽快な走りを楽しんでもらえるのだとか。
うん!これは車好きのオヤジにはたまらない装備だね!こういう車造りのできるホンダは車が好きなユーザーの気持ちがよくわかっていると思う。
実に憎い演出ではないか!
走るのが気持ちよく、楽しくって、ついついアクセルを踏んでしまうのだ!
アクセルを踏みすぎて、助手席の担当営業の方から、「ここは警察の方の取締り区間なので、気を付けて下さいね。」と念を押されてしまうほど夢中になってしまった。
まるでトルコンのようなフィーリング!「全開加速ステップアップシフト制御」
.jpg)
まるでスポーツカーのような気持ちの良いフィーリングに手伝って、さらに驚く演出がまっていた。
このFL4シビックは確かCVTだったはず。SPORTモードでスピードを上げていくと、シフトアップしている感覚なのだ。
まるで高級スポーツセダンに搭載されている従来のトルクコンバーター搭載のオートマチックトランスミッションみたいだ。
これも担当営業の方が言うには、「全開加速ステップアップシフト制御」といって、アクセル全開で強い加速を行う際に、エンジンの回転数を段階的に制御することによって、有段トランスミッションのような変速を実現しているのだ。
「CVTの間に結び目を作るような感じですね」と担当は言っていたが、まさにその表現どおりなのだ。
本当に気持ちの良い爽快な走りを演出している。
こういう車好きのユーザーの気持ちがわかっているホンダは凄い!と脱帽せざるを得ないだろう。
加速時にタコメーターが出現!
.jpg)
また、アクセルをグイッとあおっていくと、減速時はスピードメーター左のデジタルグラフィックメーターが、バッテリーへの回生状況を示していたのが、加速時にはタコメータに変わるのだ!
この演出はとても気分が良い!僕のような車好きのオヤジにはたまらない演出なのだ。
山道が気持ちいい!クイックなコーナリング


試乗では、主に鎌倉山の山道を走りました。
鎌倉山は道が狭く、タイトなコーナーがいくつもあり、走り好きな方にはとても良いコースです。急な坂道やカーブでも、運転していて怖さはほとんど感じませんでした。とても良い足回りに仕上がっていますね。
低重心化でボディ剛性が向上、ハイブリッドの副産物か?
FL4シビックをドライブした印象は、とてもボディがしっかりしていてドッシリしているということだ。
これは、ホンダのハイブリッドシステムであるe:HEVの搭載によって、リヤのボディ剛性が向上している成果だということだ。
実際に走行した場所は鎌倉山なので、道が狭く、道路の舗装も古いので、決して走って気持ちの良い道路ではないのだが、車がとても高いレベルで安定していて、安心して乗っていられた。
連続するカーブでも、フロントがスッと入っていき、それにリヤのタイヤがスムーズに追従するといったところだろうか。狭い道のカーブでも怖くないのだ。
硬めではあるが、嫌な突き上げ感の無い心地良いサスペンション
乗り心地の良さの原因は、ボディ剛性だけではない。
ハイブリッドモデルのFL4のサスペンションは、他のガソリンモデル(1.5ℓ/VTEC&ターボ搭載モデル)よりもマイルドに専用設計してあるという。
硬めのダンパーではあるが、嫌な突き上げ感も無く、段差や轍だらけの鎌倉山の道も気持ちよく走れるのだ。
同じマルチリンクであっても、柔らかめに設計してあるのだろう。僕の好みを言えば、もう少し硬めに振っても良かったのではないかと思うほど柔らかい足回りなのである。
サスペンションの種類は、フロントがマクファーソン式ストラットで、リヤがマルチリンク式を採用している。
リヤのサスペンションは、やはり独立懸架に軍配が上がる。僕の愛車の30プリウスのリヤサスペンションがトーションビームだけに、その乗り心地は雲泥の差だろう。
タイヤ・ホイールサイズはちょっと頑張りすぎかも!?
.jpg)
採用されているタイヤサイズは、235/40ZR18 95Yで、かなり走りを意識したサイズになっている。
私見ではあるが、この相当頑張った扁平サイズであっても、荒れた路面からの嫌な突き上げ感は無く、乗り心地にそう影響は無いものの、僕としてはもうワンサイズ小さめのものでも良かったのではないかと思ってしまう。
タイプRのような、完全に走りに振ったモデルならともかく、少しでもラグジュアリー感を出して欲しい感はある。
下り坂が楽しい!減速セレクター
.jpg)
上の画像のハンドル横に設置してあるパドルシフトは、スポーツカーに採用される変速用のものではない。
これは、「減速セレクター」といって、下り坂でアクセルをオフにしたときの減速の強さを4段階に調節できる機能だ。
ハイブリッドカーながら「bレンジ」の採用がないFL4シビックは、その代用としてなのか減速セレクターが採用されている。実際に操作してみると、これがまた楽しい!
例えが適当ではないかもしれないが、まるでマニュアル車に乗っている感覚を覚えて、気持ちが良いのだ!
あの「車選びドットコム」で土屋圭一がレビュー!
実は、あのYouTubeの人気チャンネルの「車選びドットコム」でドリキンこと土屋圭一がシビックe:HEVをレビューしています。
土屋さんもベタ褒めで嬉しいですね。
実は、コストパフォーマンスに優れたシビックe:HEV
.jpg)

FL4シビックの特筆すべきところは、走りの良さだけではありません。
実は、他のメーカーがオプションとして設定するような豪華な装備が標準で装備されているのです。もちろんこれらは車両本体価格にコミコミでの価格です。車好きのユーザーさんに喜んでほしいというホンダの心意気が伝わってくるようです。
従来ならオプション設定される装備が標準装備!
走りの気持ちよさや爽快感ばかりを話してきたのだが、実は僕が今回のFL4の試乗での感想で、一番特述したかったのは、FL4シビックのコストパフォーマンスの高さなのだ。
トヨタ車なら「TOYOTA Safety Sense」、日産車なら「プロパイロット」(装備によって名称はいろいろ)、のような運転支援システムがホンダ車なら「Honda SENSING」なのだが、これが標準装備だ。
それだけではない。運転席&助手席がパワーシートだったり、他のメーカーなら必ずオプション設定になるであろう「BOSEプレミアムサウンドシステム」が標準装備なのだ。
オプションで付けないといけないものと言えばフロアマットぐらいだろうか?
これだけの装備が付いて、車両本体価格が3,980,900円(税込)なのである。この価格が高いか安いかは、今までいろんな車を乗り継いできた方なら理解できるだろう。本当にコストパフォーマンスに優れた一台と言えるのではないだろうか。
このようなホンダの企業努力とも言える価格設定は、他社の同クラスのハイブリッドカーよりも一層お買い得感があるだろう。
それほど重要視していない燃費はなぜ?
FL4シビックの燃費はカタログ数値でWLTCモードで24.2㎞/Lだ。
他社が30㎞/Lを表示する中、昨今では極端に低い数値だ。これは、他メーカーのハイブリッドカーがひたすら低燃費を追求する傍ら、本来の車をドライブする楽しさを忘れてしまい、低燃費に偏ってしまって車好きのユーザーの思いをないがしろにしているのを戒めているような気がしてならない。
それでも、実際に車を所有して、乗っていないとわからないが、実燃費に限りなく近い数値であれば、上出来の低燃費である。低燃費を謳うよりも走りの楽しさを追求しているのにも関わらずだ。
他メーカーは、このホンダの心意気を見習って戴きたいと思うのだ。
FL4 シビック ギャラリー、主要諸元など
FL4シビック ギャラリー
主要諸元など
車名・形式:ホンダ・6AA-FL4
トランスミッション:電気式無段変速機
全長(m):4.550
全幅(m):1.800
全高(m):1.415
ホイールベース(m):2.735
トレッド(m)前後:1.535/1.565
最低地上高(m):0.135
車両重量(㎏):1.460
乗車定員(名):5
エンジン 最高出力(KW[PS/rpm]):104[141]/6,000
最大トルク(N・m[kgf/m]rpm):182[18.6]/4,500
電動機(モーター)最高出力(KW[PS/rpm]):135[184]/5,000‐6,000
最大トルク(N・m[kgf/m]rpm):315[32.1]/0‐2,000
燃料消費率(WLTCモード)(㎞/L):24.2
市街地モード(WLTCモード)(㎞/L):21.7
郊外モード(WLTCモード)(㎞/L):27.6
高速道路モード(WLTCモード)(㎞/L):23.4
動力用主電池:リチウムイオン電池
タイヤ(前後):23540ZR18 95Y
主ブレーキの種類・形式(前後):油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク
サスペンション方式(前後):マクファーソン式/マルチリンク式
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って
●走りが気持ちいい!シビックe:HEVはハイブリッドとは思えないアクセルフィール
●山道が気持ちいい!クイックなコーナリング
●実は、コストパフォーマンスに優れたシビックe:HEV
●FL4 シビック ギャラリー、主要諸元など
でしたね。
FL4シビックは、ハイブリッドカーでありながら、走りの気持ちよさや車本来の楽しみ方をユーザーの方々にしてもらおうと頑張っているのが車づくりに現れています。
国産他社のハイブリッドカーの造り方とは一線を画したような戦略に、昔ながらの車好きのユーザーは喜んでいるでしょうね!
「百聞は一見に如かず」で、やはり試乗してみるのが一番だと思います。是非、自分で体感してみて戴きたい。
今回の試乗で驚いたのは、従来のハイブリッドカーの造り方とは全く違う内容になっていることです。
こんなに走るのが楽しいハイブリッドカーは僕も初めて!
この記事を読むと、「是非試乗したい!」と言う方は多いのではないでしょうか。