60プリウス(5代目プリウス)試乗記|まるでスポーツカーのような軽快なドライブフィールと辛口の意見【ハイブリッド車】

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斬新なスタイリングで人気の60プリウス。

発売からかなり経過するが、中には納車まで1~2年待ちというユーザーもいる中、ZやGの2.0Lモデルは注文を受け付けていない状態が続いているという。

ライター

そんな中、60プリウスの試乗に行ってきました。

エンジンや足回りの完成度の良さに、気持ちの良いドライブフィールを味わえたのですが、それと同時に今回は、辛口の意見も忌憚なく言わせていただきました。

これから60プリウスの購入を考えているユーザーさんは、是非参考にして戴きたい!

セダンではなく、まるでスポーツカーのフィーリング!

試乗した車両
グレード:Z(2WD FF)
ボディカラー:プラチナホワイトパールマイカ
ライター

試乗する前から気になっていたエンジンと足回りの状態を中心の試乗での感想です。事前の噂以上のフィーリングの良さで期待通りでした。

 

キレイに気持ちよく吹け上がるエンジン!

ディーラーの担当営業の方に助手席に乗って戴き、試乗コースを一周して帰ってくる試乗プランだ。

まず、驚いたのは、ストレスなく綺麗に気持ちよく吹け上がるエンジンだ。

今現在の僕の愛車の30プリウスもそうだし、前モデルの50プリウスや他社メーカーのハイブリッドカー全般に言えることだが、従来のハイブリッドカーのエンジンの独特のモタツキ感やマッタリ感やかったるさは全く感じない。

本当に気持ちよく高回転まで吹け上がるのだ!
エンジン音は、意図的にある程度大きめのサウンドに設定してあるのだろうか?
それはわからないが、ハイブリッドではないスポーツカーやセダンに遜色の無いエンジンの仕上がりだと感じた。

 

横浜は坂道が多い。

これは、横浜に住んだことがある方でないとわからないと思うが、全国的にも坂道がとても多いのである。試乗コースも、ところどころ急な上り坂が何か所もあったが、実にストレスなく悠々と坂道を登っていく。これなら、横浜だけでなく坂道の多い地域にお住まいの方もストレスなく走れるだろう。

また、モーターとのつなぎも相性がいい!
エンジンとモーターの連携の良さが、従来のプリウスには無かったフィーリングの良さである。アクセルペダルを踏み込んだ分だけ、俊敏に回答するレスポンスの良さだ!

ちなみに、アクセルペダルは従来の吊り下げ式からオルガン式に変更されている。

エンジンは従来の1.8Lから新たに2.0Lに刷新され、車速とエンジン回転数がシンクロし、ドライバーの思い通りに車が反応する仕上がりになっているという。

僕のような車好きにも納得できる良いエンジンに仕上がったなと思った。

 

ダブルウィッシュボーンのリヤサスペンションがいい!悪路でもストレスなく乗り心地が良い!

今回の試乗で、僕が一番楽しみだったのは、先代の50系プリウスと同じく、リヤサスペンションがダブルウィッシュボーンを採用しているところだ。

これは、30プリウスに乗っている方や乗ったことがある方なら理解して戴けると思うが、30プリウスや20プリウスのリヤサスペンションはトーションビーム式なのだ。

サスペンションの違いというのは、平坦でキレイな路面を走っているときは、ほとんど違いを感じないが、悪天候の時や、轍や段差などによって荒れた路面を走った時は、如実にその差を大きく感じる。

とにかく、多少の悪路でもストレスなく走れるのだ。

乗り心地が良い!

これが、リヤサスペンションにトーションビームを採用している30プリウスだと、こうはいかない。ちょっとした段差でもリヤは跳ねるし、ハンドルを取られそうになる。

リヤのサスペンションが違うだけで、これだけの差を感じるのは僕だけではないだろう。本当は、高速道路を走りたかったのだが、これならリヤのタイヤが跳ねることは無いだろう。

 

また、カーブが多い箇所でも、フロントがクイックイッと入っていく。ハンドリングがとても良い。このハンドリングの回答性の良さは、スポーツカーそのものだ!

同乗してもらった担当の営業マンによると、第二世代となったTNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームの採用によって、ボディ剛性も先代モデルに比べてさらに増したという。

本当に、車好きにはたまらない、優れた足回りなのである。

 

旧型プリウス以外の車のユーザーが60プリウス(5代目プリウス)に乗り換える理由とは?

60プリウスに乗り換えるユーザーは、どのような方なのだろう?

担当営業マンに聞いてみたところ、歴代のプリウスに乗ってきた方やそれ以外の方など、いろいろですとのことだった。ただ、この独特のスポーツカーのようなスタイリングが気に入って購入を決めるユーザーは多いと言う。

そう言えば、僕の知り合いの方にも、最近最高級グレードのZを契約した方がいる。その方の現在の愛車は202クラウンだ。

その理由は、現行のクラウンは従来のFRセダンからFFベースのAWDになってしまった。そろそろ乗り換えを考えていただけに、正直ガッカリしたと言う。後から発売されたセダンはFRであるものの、既に手遅れだと感じる。

ならば、全く別の車を買おうと検討しているときに、60プリウスが発売されて、そのスタイリングに魅了されて購入を決めたという。

あくまでも、僕の推測に過ぎないが、歴代のプリウスに乗ってきたユーザーは、60プリウスは選択しないんじゃないかと思うのだ。それだけ、車のコンセプトが従来のプリウスと大きく違ってきているのだ。

 

60プリウス(5代目プリウス)の賛否両論

 

ライター

60プリウスの登場は、そのスタイリングに魅了されるユーザーもいれば、そうでないユーザーもいることは確かです。

今回、試乗した僕が、エンジンやサスペンションの完成度から成る”走りの爽快感”とは別に、正直なユーザー目線で60プリウスの賛否をお話しました。

 

19インチホイール&タイヤは好みが分かれるかも?

60プリウスのZグレードやGグレードの一部のモデルに採用されているタイヤ&ホイールは195/60R17という従来の規格外のサイズである。規格に無いサイズなのだが、横浜ゴムが作っている。

大径ホイールに195という細めのタイヤの奇妙な組み合わせである。聞くと、大径ホイールで見栄えを良くして、細めのタイヤで燃費を稼ごうという策のようである。

確かに理にかなってはいるが、僕のような車好きのおじさん達にはどこか納得がいかないように思う。

19インチと言えば、通常のタイヤの幅は255とか、それ以上の極太タイヤになるのだ。僕が考える最適のサイズは、30や50のツーリングモデルと同じ17インチの215か18インチなら225あたりがベストのサイズだと思うのだ。

ココは僕の意見が強くなってしまって実に恐縮なのだが、エンジンを30プリウス(3代目プリウス)や50プリウス(4代目プリウス)に搭載されていた1,800ccから2,000ccに排気量アップをし、50プリウス(4代目プリウス)からは、リヤサスをダブルウィッシュボーンに変更して走りを追求したのはとても良いと思う。ここはほとんどのユーザーが称賛しているだろう。

アシにダブルウィッシュボーンを採用し、エンジンを排気量アップしてパワーを追求し、「走り」を追求したプリウスに刷新したのであれば、肝心のタイヤ・ホイールも見た目や燃費のためでなく、走りを追求できるサイズにして欲しかった。タイヤ・ホイールだけに燃費を追求させてどうなるのだろう?タイヤサイズによる燃費なんてほんのわずかなものではないか!

 

そこは、ユーザーさんそれぞれの好みの問題になってくるのだろうけど、僕は納得がいかなかった。

ライター

僕がもし、60プリウスを買ったとしたら、タイヤ&ホイールは17か18インチにインチダウンをして、タイヤ幅はそれよりもっと太いサイズの物を探して取り付けると思います。

僕と同じように考えるユーザーは結構多いと思いますよ。

 

傾斜しすぎのAピラーはどうか?

奇妙なサイズのタイヤ&ホイールだけではない。

60プリウスの全高は19インチホイールを装着したモデルだと、1,420㎜となっている。

この高さは、前モデルの50プリウスの1,470㎜に比べても50㎜も低いのだ。F80系BMW M3でも全高は1,430㎜だ。それらと比べれば、60プリウスがいかに低いかというのがわかると思う。

 

その全高の低さの象徴となっているのが、話題になっている極端に傾斜した”Aピラー”なのである。僕が若い頃に乗っていた30ソアラでも、こんなに傾斜していなかった。ただ、この極端に傾斜したピラーを好むユーザーは意外と多いという。

逆に、従来のセダンのようなスタイルを好むユーザーには受け入れにくい要素であろう。また、この極端な傾斜のピラーが運転しにくいというレビューも見かけるが、僕は試乗してみてそこまでは感じなかった。

 

歴代プリウスを乗り継いできた人だけがわかる60プリウス(5代目プリウス)

20プリウス、30プリウスを所有してきた僕(50は所有していない)にとって、60プリウスは、全く別のクルマになってしまった感じがする。

良い意味でも、逆の意味でもそうだ。

従来のハイブリッドカーのイメージは、ハイブリッドカー=経済的=大衆的だと僕は考えている。

ただ、あくまでも僕の推測に過ぎないが今のトヨタだけでなく、他社を含めた国産車業界の中で、メーカーが60プリウスを開発・販売するにあたって、このような選択になったのはある意味仕方ないことなのかな?とも考える。

原材料不足の中、前モデルの50プリウスを廃盤にした理由も含めて、トヨタには本来プリウスより車格が下のカローラシリーズが刷新されたことによって、プリウスとほぼ同格になってしまった。

同じ車格のクルマは何種類も必要ない。

そのなかで、プリウスの車格を上にランクアップさせて高級路線にして売り出すのが最善だと考えた末なのではないだろうかと思うのだ。

今回の試乗は、前述した完成度の高いエンジンとサスペンションで、至高の乗り心地や上質なドライブフィールを手に入れたと同時に、別路線のクルマにせざるを得なかったのだろうという印象だった。

 

60プリウス エクステリア(ギャラリー)

どの方向から見ても、とてもアヴァンギャルドな感じがするエクステリアである。
走行性能や燃費以外にも、このエクステリアが気に入って購入を決めるユーザーも多いと言う。

60プリウス インテリア(ギャラリー)

とても落ち着いていて高級感溢れるインテリアだという印象を受けた。
シートベンチレーションが涼しくて気持ち良い!
前モデルの50プリウスより一層ラグジュアリー感が増している。落ち着いた大人のクルマというところだろうか。

 

60プリウス基本スペック

型式:6AAーMXWH60‐AHXHB(Zグレード 2WD FF)
全長:4,600㎜
全幅:1,780㎜
全高:1,430㎜(17インチタイヤ装着モデルは1,420㎜)
車両総重量:1,695kg(Zグレード 2WD FF)
最小回転半径:5.4m
ホイールベース:2,750㎜
エンジン型式:M20AーFXS
総排気量:1,986㏄
最高出力(ネット):112(152)/6,000[KW(PS)/r.p.m]
最大トルク(ネット):188(19.2)/4,400~5,200)[N・m(kgf・m)/r.p.m

 

 

まとめ

ライター

いかがでしたでしょうか?

今回は大きく分けて、

セダンではなく、まるでスポーツカーのフィーリング!
60プリウス(5代目プリウス)の賛否両論

今回の試乗は、僕にとって、60プリウスの上質なドライブフィールを味わえたと同時に、いろいろ考えさせられた試乗でした。

車業界も、昔と違い、複雑で難しい局面に来ているなと感じました。

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