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タイヤ・ホイールをインチアップしたけど、なんかハンドルが重いし、乗り心地も悪くなったと悩んでいませんか?

タイヤ・ホイールのインチアップの際に、鍛造ホイールやマグネシウムホイールをチョイスするメリット


快適なハンドリングの確保には、バネ下重量の軽量化が欠かせません。
自分の愛車に鍛造ホイールやマグネシウムホイールをチョイスするのは、かけた費用以上の効果を得ることができる良い選択だと思います。
この項目では、バネ下重量の軽量化についてお話しました。
バネ下重量の軽量化が最大のメリット!
タイヤ・ホイールをインチアップするのはいいのですが、「車自体が重く感じる」とか、「燃費が悪くなった」という声をよく耳にします。
それは、タイヤ・ホイールのインチアップに伴って、タイヤ・ホイール自体の重量が重くなるからなのです。
クルマのことを良く知っており、車のメンテナンスやチューニングのことに詳しい方はさておき、せっかくインチアップして愛車の見た目がカッコ良くなったのに、車の乗り心地が悪くなるのではちょっと勿体ないですよね。
でも、バネ下重量って何のことでしょうか?
バネ下重量とは?
バネ下重量を簡単に説明しますと、上の画像をご覧になって下さい。
サスペンションの受け皿や取り付け場所と言えるアッパーマウントを境にして、車の真ん中の点線より上の部分が「バネ上」であり、点線より下の部分が「バネ下」と呼ばれます。
要するに「バネ」とはコイルスプリングやショックアブソーバーなどのサスペンションの部分のことであり、車にとって「バネ」の役割を果たしている箇所のことです。
バネ下重量は、タイヤ・ホイール、コイルスプリングやショックアブソーバーなどのサスペンションシステム、ブレーキローターやキャリパーなどのブレーキシステム、ほかロアアームやストラット、ドライブシャフトなどの部品から構成されます。
バネ下重量の軽量化はバネ上重量の軽量化の4倍以上の効果がある!
バネ下重量が軽量化されると、サスペンションの動きが良くなり、車自体のフットワークが軽くなります。
結果、車の走行性能がアップすると言われているのです。
サーキットを走るレーシングカーは、車を少しでも速く走らせないといけません。
そのために、ボディをカーボンに変えたりしてボディ本体側の軽量化を測ったりしていますが、バネ下重量の軽量化はバネ上重量の軽量化の約4倍以上の効果があると言われているのです。
公道を走るのがメインの一般の車であっても、バネ下重量の軽量化はとても効果的です。
特に、スポーツカーや高級セダンに多く採用されている「ダブルウィッシュボーン」という種類のサスペンションは、剛性が高く上質なサスペンションなのですが、構造が複雑なため、数多くのパーツが必要なので重量が重くなりがちです。
そこで、バネ下重量が軽量化されることで、ハンドリングレスポンスがアップしますし、乗り心地の改善にも大きく貢献するのです。
バネ下重量の軽量化に手っ取り早い方法はタイヤ・ホイールの交換!
バネ下重量の軽量化の方法としては実にいろいろな方法があります。
レーシングカーでは、ショックアブソーバーのストラットシェルケースをアルミ製の物に交換したり、ストラット式のショックアブソーバーであれば、ガスやオイルを入れる本体側を上側にしてロッドを下側にした倒立式構造に変えてバネ下重量の低減を図ることもあります。
他にも、ブレーキキャリパーは一般的には鋳鉄製ですが、これをアルミ製のキャリパーに交換することで軽量化をはかったりもします。
しかし、公道を走るのがメインの一般車でそれをやるのはコストがかかりすぎますし、「そこまでお金をかけてまで…」と思われるのではないでしょうか。
そこで、ブレーキをアルミ製のものに交換しなくても、バネ下重量の軽量化を図り車の乗り心地を改善するには、ホイールを軽量かつ剛性の高い鍛造ホイールに変えるのが手っ取り早い方法となるのです。
バネ下重量の軽量化に鍛造ホイールやマグネシウムホイールが効果的な理由とは?
バネ下重量の軽量化には、鍛造ホイールやマグネシウムホイールに交換することが一番効果的です。その理由は以下の通りです。
鍛造ホイールとは?
アルミホイールには、その製造方法の違いから大きく分けて「鍛造ホイール」と「鋳造ホイール」に大別されます。
鋳造ホイールはホイールの原材料となるアルミニウム合金を金型に流し込んで冷やし固めて作ります。
鍛造ホイールはアルミニウム合金を金型に流し込む工程は鋳造ホイールと同じなのですが、同時に高圧プレスで鍛造成形して作られます。
その製造方法から、鍛造ホイールは鋳造ホイールに比べ、より軽量で高剛性のホイールを造ることができるのです。中には、17インチなのに15インチのスチールホイールよりも軽くなるものがあると言うのが驚きです!
軽量化できるということは、車の乗り心地の向上にもつながります。その影響で、近年の高級セダンやスポーツカーに標準装備されたりメーカーオプションとして設定されることが多くなってきています。
マグネシウムホイールとは?
マグネシウムホイールとは、素材にアルミニウムの代わりにマグネシウム合金を使用したホイールであり、アルミホイール以上に走行性能のアップや燃費の向上が期待できます。
マグネシウムホイールもアルミホイール同様、鍛造と鋳造に大別されます。マグネシウムホイールの鋳造よりは鍛造をおすすめしたいところです。マグネシウムホイールのメリット・デメリットは以下の通りです。
マグネシウムホイールのメリット
軽量で車体を軽量化できるゆがみにくいため、安定性、ハンドリング、乗り心地が向上する
加速性能やブレーキ性能が良くなり、燃費性能の向上が期待できる
バネ下が軽くなるため、コーナリング時や加減速時の荷重移動がスムーズになる
マグネシウムホイールのデメリット
素材が高価である加工が難しい
アルミニウムより衝撃や負荷に弱い
腐食に弱い
耐食性、設計自由度がアルミニウムに比べて劣る
バネ下重量の軽量化で最も効果があるのは燃費が良くなること!
実は、バネ下重量を軽量化することの最大のメリットは燃費の向上なのです!
例えば現行(2022年現在)のカローラセダン(W×Bハイブリッド)を例にお話ししてみましょう。

採用されている純正タイヤ・ホイールは215 45/R17で7Jの5穴/P.C.D:100です。1本あたりのホイールの重さが約12㎏でタイヤが約10㎏になります。
これを18インチにインチアップするとしますと、タイヤ・ホイールサイズは215 40/R18で7.5Jの5穴/P.C.D:100です。1本あたりのタイヤホイールの重さはホイールが約14㎏でタイヤが約12㎏になります。
タイヤ・ホイールが1本あたり約4㎏増え、4本合計すると約16㎏の増量となるのです。
このホイールを通常の鋳造アルミホイールではなく、鍛造マグネシウムホイールのBBS社製のRS‐GTの18インチをチョイスするとしますと、18インチ 7.5J インセット48 5穴/P.C.D:100になります。
このホイール1本あたりの重量は約8.9㎏ですので、タイヤと合わせると1本約20.9㎏となります。
なんと!純正の17インチよりも軽くすることができるのです!

なるほど!
4本のタイヤ・ホイールの合計だと、BBSのRS-GTだと4本で83.6㎏、純正の17インチのタイヤ・ホイールの4本分の合計が88㎏だから約4.4キロも軽くできるんだよね!
タイヤ・ホイール1本あたり1㎏軽くできるのは大きいよね!

バネ下重量を1%減らすことができれば、燃費は約0.1㎞/L改善できる可能性があるんです!
だから、バネ下重量の軽量化は燃費に一番効果があるんですよ。
メリットばかりではない!バネ下重量の軽量化のデメリットとは?
バネ下重量の軽量化はメリットだけなのでしょうか?
実は、デメリットもしっかり存在するのです。
バネ下重量の軽量化は、サスペンションの動きが良くなり、路面のうねりに対する追従性は良くなります。
ただ、荒れた路面を走る際に発生する細やかな振動に対しては、「タイヤ・ホイールが重たいときよりも細やかな振動を拾いやすくなるので却って乗り心地が悪くなる」という報告もあったりします。
重たいホイールの場合であれば、タイヤを押しつぶす力が強いため細かなギャップなどで発生する振動をタイヤが吸収してくれるのですが、軽いホイールだとタイヤが振動を吸収せずに、その振動がドライバーや同乗者に伝わってきてしまうことが多いという指摘もあるのが事実です。
その影響もあり、ワンボックスカーやオフロードカーは、純正装備されているホイールが重たい場合が多いのです。
ドライバーや同乗者に細かい振動を伝えないためにあえて重くしていると言っていいでしょう。
インチアップに最適!バネ下重量の軽量化におすすめの鍛造ホイールや、マグネシウムホイールのお得な買い方をご紹介!


バネ下重量の軽量化におすすめの鍛造ホイールやマグネシウムホイールをお得に買える販売サイトのご紹介です。
日本全国に47店舗あり(一部店舗が無い地域もあります)、インターネットで注文~近隣の実店舗で取り付けまで、ワンストップで行えるショップのご紹介になります。
この項目は、商品のプロモーションがほとんどです。興味のある方だけ見て戴いて、そうでない方は飛ばして下さい。
販売店のサイトの使い方
タイヤ・ホイールの激安でおなじみのフジ・コーポレーションのネットショッピングサイトです。
サイト内にあるフィッティングルームで愛車に合うホイールをマッチングでき、注文しておいて最寄りの実店舗で取り付けることができます。店舗検索ページにて、最寄りの近隣店舗の検索ができます。
正直、このサイトは車好きの方にとってはとても面白く使いやすいサイトです!検索しているととてもワクワクするので、とてもおすすめなのです。
サイトの使い方はとても簡単なのですが、上手な使い方と注意点だけお話しておきましょう。
まずは、
タイヤ・ホイールセットタイヤ単品
ホイール単品
カーパーツなど
その他
の中から選んでクリックします。
仮にホイール単品を選んでクリックしますと、「車種を選択する」と「車種を選択しない」という画面に切り替わります。車両を選択するを選んで、自分の愛車を登録することで自分の愛車と選んだホイールとのフィッティングができますのでおすすめです。
「お車を選択してください」のところをクリックすると、入力画面が、
自動車メーカー車種
年式・グレード
を入力するところがあります。国産車だけでなく輸入車も選ぶことができます。一部の古い車種は選択肢が無い場合もあります。あなたの車種を選択してみて下さい。
仮にスカイラインGT-R(BNR34)を選択しますと、「ホイール一覧」という画面になります。
また、ホイールを選ぶ際には「絞り込み検索」ができます。
サイズ(インチ)価格
デザイン・カラー・材質/構造
メーカー/ブランド
おすすめ、アウトレット
と選ぶことができます。
もし、僕が検索する場合は、デザイン・カラーのところで「鍛造」を選び、メーカー/ブランドのところで「BBS JAPAN」「RAYS」「TWS」と選択します。理由は、僕がホイールを買うのなら「鍛造ホイール」一択ですし、鍛造ホイールを選ぶのであれば「BBS JAPAN」「RAYS」「TWS」のどれかにすると決めているからです。
また、鍛造のマグネシウムホイールを選ぶのであれば、僕がおすすめできるのはTWSの鍛造マグネシウムホイールになります。
例えば、僕の愛車のZVW30プリウス(3代目プリウス)で、ホイールを17インチのRAYS/VOLKRACINGのTE37 サーガ SLを選ぶとします。
「フィッティングルーム」をクリックすると、そのホイールを履いた愛車の画面に切り替わります。
上の画像は僕の愛車の30プリウスにRAYS/VOLKRACING TE37 SAGA SLを履かせた画像です。PCの画面であれば車高ダウンやアップもできるので、面白いですね。
ぜひ、あなたの愛車でフィッティングを試して戴いて、お気に入りの鍛造ホイールやマグネシウムホイールを探してみて下さい。お役に立てれば幸いです。
国産の鍛造ホイールのおすすめのメーカーは3社
あなたの愛車をカッコ良くし、バネ下重量の軽量化にとても最適な鍛造ホイールをご紹介します。実は、国産の純然たる鍛造ホイールのメーカーは日本には「BBS JAPAN」「RAYS(レイズ)」「TWS」の3社のみになります。
他にも鍛造ホイールを販売しているメーカーはあります。「MUGEN(無限)」や「NISMO(ニスモ)」などの自動車メーカー系レースブランドですね。ただ、それらのブランドはBBSやRAYS、TWSのいずれかからのOEM生産が現状です。
鍛造ホイールの製造には高圧プレス機などの特殊な設備と、特殊で高度な技術が必要なため、私たちユーザーが考えている以上に大変なのです。製造できるメーカーが限られるということですね。
それら3社のメーカーの特徴を簡単にご紹介しました。
RAYSの鍛造ホイール

RAYSは、大阪府東大阪市に本社を置く、自動車用アルミホイールの販売会社です。その中のグループ企業である「株式会社レイズエンジニアリング」は、鍛造ホイールの製造を行っています。
RAYSが取り扱うブランドは以下の通りです。
RAYSは、各自動車メーカーの純正オプション品や、NISMOや無限、TRDなど、各自動車メーカー系チューナーのホイールをOEM生産している実績もあり、各種モータースポーツにも製品を供給しています。
ぜひ、あなたの愛車にフィットするRAYSの鍛造ホイールを見つけて戴いて、自慢の愛車に仕上げて下さい。
TWSの鍛造ホイール

TWSは、株式会社TAN-EI-SYA(鍛栄社)の鍛造ホイールブランドです。
富山県射水市に自社工場を持ち、地元のサプライヤーから供給される高品質のアルミニウムビレットから、ワンストップ生産による徹底した品質管理のもと、高い品質の鍛造ホイールを造っているメーカーです。
TWSは、鋳造ホイールは一切造っておらず、鍛造ホイール一筋の質実剛健なメーカーです。ぜひ、あなたの愛車にもTWSの鍛造ホイールを履かせてみてはいかがでしょうか?
BBS JAPANの鍛造ホイール

BBS JAPAN(ビービーエスジャパン)株式会社は、車両用軽合金ホイールの輸出および国内で製造・販売する自動車部品製造メーカーです。
僕が若い頃のひと昔前は、小野ホールディングスの子会社であったワシマイヤー株式会社で鍛造ホイールの製造を行ってきましたが、小野グループの経営破綻により、前田工繊の子会社となりました。
数々のモータースポーツシーンで、BBSのホイールは引っ張りだこであり、自動車レースのフォーミュラー1(F1)と、NASCARは、2022年シーズンよりBBSホイールを独占的に使用することとなっています。
鍛造ホイールとなる素材には、アルミ以外にマグネシウム、最近ではジュラルミンも素材として使用されています。
R31スカイラインGTS-RとR32、R33、R34のGT-Rや、第二世代の日産R35RT-Rの純正ホイールにも、BBSの鍛造ホイールが採用された話は、あまりにも有名ですね。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って、
●タイヤ・ホイールのインチアップの際に鍛造ホイールやマグネシウムホイールをチョイスするメリット
●インチアップに最適!バネ下重量の軽量化におすすめの鍛造ホイールや、マグネシウムホイールのお得な買い方をご紹介!
でしたね。
今回は、インチアップする際のバネ下重量の軽量化のために鍛造アルミホイールやマグネシウムホイールのご提案でした。
愛車のタイヤ・ホイールを鍛造品に替えるのは、バネ下重量の軽量化のためには一番手っ取り早い方法です。バネ下重量が軽くなると乗り心地や燃費が改善されて愛車のパフォーマンスが高まるので、オススメの手軽なチューニング方法です。
納得のいくチューニングで安全で快適なカーライフをお楽しみ下さい。
それは、インチアップすることでタイヤ・ホイールの重量重くなった影響でバネ下重量が重くなり、愛車のハンドリングに影響を与えているのかもしれません。
解決策は、ホイールを鍛造アルミホイールやマグネシウムホイールに替えてバネ下重量を軽量化することで車のハンドリングが劇的に良くなった場合が多いのでおすすめです。