12ヵ月法定点検の点検項目を徹底解説!罰則はないが「受けるべき」3つの理由

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「12ヵ月点検の案内が来たけれど、車検と違って受けなくても罰則はないって本当?」 「まだどこも故障していないし、数万円の点検代を払うのはもったいない……」

そんなふうに感じているドライバーの方は少なくありません。確かに、12ヵ月法定点検は車検(24ヵ月点検)とは異なり、受けなかったことによる直接的な罰則や免許の減点はありません。そのため、ついつい後回しにしてしまいがちな項目です。

しかし、結論からお伝えすると、12ヵ月点検をスルーすることは「将来的な大きな出費」と「愛車の価値低下」を招く大きなリスクを孕んでいます。実は、この点検を正しく受けているかどうかで、万が一の故障時の保証が受けられなくなったり、売却時の査定額に数万円の差がついたりすることもあるのです。

この記事では、法律で定められた26の点検項目を具体的に解説するとともに、なぜ「罰則がないのに受ける人が多いのか」という3つの大きなメリットを分かりやすく紐解いていきます。

目次

12ヵ月法定点検は「受けなくていい」は本当?義務と罰則の真実

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車のフロントガラスの左上に貼られた、丸い「ダイヤルステッカー」。そこに記された期限が近づくと、「そろそろ点検の時期ですよ」とディーラーや整備工場から案内が届きます。

しかし、多くのドライバーがここで一つの疑問を抱きます。「車検は受けないと公道を走れないけれど、この12ヵ月点検って強制なのだろうか?」と。まずは、知っているようで知らない「法定点検の公的な位置づけ」を整理しましょう。

法律上の「義務」だが、現在のところ罰則はない

結論から言うと、12ヵ月法定点検は「道路運送車両法」という法律の第48条によって、車の使用者に義務付けられた立派な「義務」です。

しかし、不思議なことに、車検(継続検査)とは異なり、この点検を受けなかったからといって、警察に捕まったり、罰金を科されたり、免許の点数が引かれたりといった罰則規定は現在のところありません

この「義務なのに罰則がない」という曖昧な状態が、「12ヵ月点検は受けなくてもいい」という誤解を生んでいる最大の理由です。車検さえ通っていれば、公道を走ること自体に法的なペナルティは発生しないのです。

 

「罰則がない」ことと「安全である」ことは別問題

「罰則がないなら、お金を払ってまで受ける必要はない」と判断するのは、少し待ってください。 なぜなら、車検はあくまで「その時点での保安基準に適合しているか」を確認する検査に過ぎないからです。

一方の12ヵ月点検は、「次の1年間を故障なく、安全に走り続けるための予防整備」です。例えば、車検時には十分だったブレーキパッドの残量が、半年後にゼロになっても、警察は教えてくれません。

罰則がないのは、あくまで「自分の車を管理するのは持ち主の責任(自己管理責任)」という考えに基づいているからです。万が一、点検を怠ったことが原因で故障し、他人に怪我をさせる事故を起こしてしまった場合、法的な「管理不足」を問われ、過失割合が不利になる可能性もゼロではありません。

「捕まらないから大丈夫」ではなく、「安全の責任を自分で負う」ための点検なのです。

 

12ヵ月点検を受けるべき「3つの大きなメリット」

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「罰則がないなら受けない」という選択をする人がいる一方で、ベテランのドライバーや車を大切にする人の多くは、欠かさず12ヵ月点検を受けています。

それは、単に真面目だからという理由だけではありません。実は、点検を受けることで得られる「金銭的・実用的なメリット」が非常に大きいことを知っているからです。

具体的にどのようなメリットがあるのか、3つのポイントに絞って解説します。

1. メーカー保証を継続させるための「必須条件」であるケースが多い

新車で購入した場合、多くのメーカーが「3年」や「5年」といった保証期間を設けています。しかし、この保証には多くの場合「定められた法定点検を適切に受けていること」という条件がついています。

もし12ヵ月点検をスキップしていた期間に、高額なエンジンやミッションの不具合が発生しても、「適切なメンテナンスを怠った」とみなされ、本来無料であるはずの修理が全額自己負担になってしまうリスクがあるのです。

数万円の点検代を惜しんだために、数十万円の修理費を払うことになっては本末転倒です。

 

2. 「点検整備記録簿」が残ることで、売却時の査定額がアップする

法定点検を受けると、必ず「点検整備記録簿(メンテナンスノート)」に実施の記録と整備士の印鑑が残ります。これは、その車がどのように管理されてきたかを示す「健康診断の履歴書」です。

車を売却する際、この記録簿がしっかり埋まっている車は、中古車市場で「素性の良い、安心できる個体」として高く評価されます。反対に、記録が一切ない車は「ノーメンテナンスの放置車両」と疑われ、査定額が数万円単位で下げられることも珍しくありません

点検費用の一部は、売却時のプラス査定で戻ってくると考えることができます。

 

3. 消耗品の寿命を把握でき、結果的にトータルの修理費が安くなる

車の故障は、ある日突然起こるものばかりではありません。例えば、冷却水が少しずつ漏れていたり、ゴム製の部品(ブーツ類)にひび割れが入っていたりといった「小さな予兆」が必ずあります。

12ヵ月点検でこれらを早期発見できれば、部品代数千円の交換だけで済みます。しかし、放置してエンジンがオーバーヒートしたり、足廻りの金属部品が摩耗・破損したりすれば、修理代は跳ね上がります。

「小さな芽のうちに摘み取る」ことが、結果的に愛車の寿命を延ばし、トータルの維持費を最も安く抑える近道なのです。

 

【全26項目】12ヵ月法定点検の具体的な点検箇所と内容

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12ヵ月点検では、自家用乗用車の場合「26項目」の点検が定められています。これらは、車検(24ヵ月点検)の56項目の中から、特に「1年ごとにチェックすべき重要なポイント」を抽出したものです。

大きく分けて、以下の4つのエリアを重点的に診断します。

1. エンジンルーム:オイル漏れからベルトの張りまで「心臓部」を診断

車の寿命を左右する「心臓部」に異常がないかを確認します。

  パワーステアリング・ファンベルト: 緩みや損傷がないか。ここが切れるとハンドルが重くなったり、オーバーヒートしたりします。
  点火プラグ・点火時期: エンジンがスムーズに回る状態か。
  バッテリー: ターミナルの接続状態を確認。
  排気の状態: 異常な煙(白煙や黒煙)が出ていないか。
  エアクリーナー: エレメントの汚れや詰まり。
  各種油脂類: エンジンオイルやブレーキ液の漏れ、トランスミッションの油量を確認。

 

2. 足廻り・外廻り:タイヤの状態と、ブレーキシステムの精密チェック

「止まる・曲がる」を支える重要なパーツです。

  ブレーキディスクとパッド: 隙間や摩耗を確認。パッドが減りすぎるとブレーキが効かなくなり危険です。
  ブレーキドラムとライニング: ドラムブレーキ車の場合、内部の摩耗を確認。
  タイヤ: 空気圧、亀裂、溝の深さ。偏った減り方をしていないか。
  ホイール: ボルトやナットに緩みがないか。

 

3. 下廻り:普段見えない「錆」や「排気漏れ」を早期発見

車を持ち上げないと見えない、地面に近い部分のトラブルを確認します。

  エンジンオイル漏れ: 下から覗いて、深刻な漏れがないかチェック。
  マフラー・遮熱板: 緩み、損傷、腐食。排気漏れは車検にも通らなくなる大きな問題です。
  プロペラシャフト・ドライブシャフト: 連結部の緩みや、保護ブーツの破れがないか。

 

4. 室内点検:ブレーキの遊びなど、ドライバーの操作感覚を維持

運転席に座って操作するパーツが正しく機能するかを確認します。

  ブレーキペダル: 踏み込んだ時の「遊び」や、床板との隙間。
  パーキングブレーキ: 引きしろ(踏みしろ)が適切か、しっかり効くか。
  クラッチペダル: (マニュアル車の場合)遊びや切れた時の隙間。

 

気になる「費用」と「時間」。どこで受けるのが一番おトク?

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12ヵ月点検は、どこで受けてもチェックする「26項目」自体は同じです。しかし、基本工賃の設定や、点検後に提案される整備の質には大きな違いがあります。

ディーラー・整備工場・カー用品店の費用相場を比較

依頼先別の費用目安は以下の通りです。

依頼先 費用の目安(普通車) メリット・デメリット
ディーラー 10,000~18,000円 安心感No.1。その車種専用の診断機があり、リコール情報なども併せてチェックしてくれる。費用は高め。
民間車検場 8,000~15,000円 技術力が安定しており、相談に乗ってくれやすい。地域密着型で、過剰な整備を勧められないことが多い。
カー用品店 7,000~12,000円 とにかく安い。買い物ついでに予約なし(または短時間)で受けられる店舗もあり、手軽さが魅力。

※排気量(軽自動車・普通車・大型車)によって金額は変動します。また、オイル交換などの実費は別途加算されます。

 

作業時間の目安は?待ち時間を有効に使うためのポイント

12ヵ月点検そのものにかかる時間は、約1時間〜1.5時間程度です。 基本的には「当日中に完了する」作業ですが、以下の点に注意が必要です。

  追加整備がある場合: 点検で消耗品の交換が必要と判断された場合、部品の在庫があればプラス30分〜1時間、在庫がなければ後日再入庫となるケースがあります。

  土日の混雑: 週末は予約が埋まりやすく、待ち時間が長くなる傾向にあります。「クイック点検」を謳っているカー用品店などを利用するか、事前に電話予約をしておくのがスムーズです。

 

12ヵ月点検に関する「よくある疑問」を解消

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最後に、多くのユーザーが抱く素朴な疑問に、プロの視点からお答えします。

Q. 走行距離が少なくても、1年経ったら受けるべき?

A. はい、受けることを強くおすすめします。 「あまり乗っていないから汚れていないはず」と思われがちですが、エンジンオイルなどの油脂類は酸化(劣化)しますし、タイヤなどのゴム製品は走行距離に関わらず経年で硬化・ひび割れを起こします。

また、長期間動かさないことでブレーキが固着するトラブルもあるため、乗らない車ほど点検が重要です。

 

Q. 点検の結果、部品交換を勧められたら絶対に断れない?

A. 緊急性が低ければ、断ることも可能です。 点検はあくまで現状の確認です。「今すぐ交換しないと危険」なのか「あと数千キロは大丈夫だが早めの交換を推奨」なのか、整備士に理由を確認しましょう。

納得がいかない場合は、一度持ち帰って検討しても問題ありません。

 

Q. フロントガラスの「点検ステッカー」は自分で剥がしてもいい?

A. 期限が切れたものは剥がすべきです。 フロントガラスに貼っていいものは法律で厳格に決まっています。期限内のダイヤルステッカーは問題ありませんが、期限が過ぎた古いステッカーを貼りっぱなしにしていると「保安基準違反」になる可能性があります。

新しいステッカーがない場合は、期限切れのものは剥がしておきましょう。

 

まとめ:12ヵ月点検は「愛車の健康診断」。長く賢く乗るための習慣に

12ヵ月点検は、たしかに罰則のない「任意性の強い義務」かもしれません。しかし、これまで解説してきた通り、メーカー保証の維持、リセールバリューの向上、そして何より重大な故障の回避という、お金には代えられないメリットが詰まっています。

人間も、自覚症状が出てから病院へ行くより、定期健診で早期発見するほうが治療費も安く済み、体への負担も少ないですよね。車も全く同じです。

年に一度、愛車をプロの目に委ねる。その小さな習慣が、結果としてあなたのカーライフをより安全に、そしておトクにしてくれるはずです。次回の点検案内が届いたら、ぜひ「未来への投資」として前向きに検討してみてください。

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