車検に通る最低地上高とは？ローダウン（車高ダウン）した車は要注意！最低地上高の基準を解説

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「カッコ良くローダウン（車高ダウン）して、愛車をドレスアップしたい！」

車好きの方で、ローダウン（車高ダウン）を既にしている方やこれからローダウン（車高ダウン）しようと思案中の方もいらっしゃるでしょう。

でも、ちょっと待って！そのローダウンは車検に通りますか？

僕の若い頃と違って、車の保安基準に適合する最低地上高の基準も少しづつ変わってきています。今回は、車検の中の検査項目の一つである「最低地上高」に関してお話しました。

車検に通る最低地上高の基準

せっかく愛車をカッコ良くローダウン（車高ダウン）しても、車検に通らないと余計な費用や手間がかさんでしまい、大変なことになってしまいます。

この項目では、車検に通る最低地上高の基準についてお話しました。

最低地上高とは？

最低地上高とは、車体の最も低い部分と水平な路面との垂直距離を示す数値です。車検の際に測定され、車高の保安基準として定められています。

最低地上高は、路面の凹凸や段差で車の下回りが傷つかないように安全に走行するために定められているものになります。

自動車における「最低地上高」の基準は、保安基準第3条の告示により定められています。それによりますと最低地上高は「9㎝以上であること」と明記されています。

最低地上高測定時に気を付けたい箇所

車検の保安基準に適合するための最低地上高を確保するために、車のパーツの中でも特に注意したいのが以下のパーツになります。

これらのパーツは、特に地面から一番近い垂直距離になりがちであり、車高を下げすぎてしまうと、これらのパーツが地面と接触してしまい、部品を破損する懸念もあります。

よくありがちなのは、マフラーのタイコの部分や少し垂れ下がった形状で地面から近くなった中間パイプです。僕の知り合いは、高額なチタンマフラーを装着していたのですが、車高の下げすぎでマフラーを破損してしまったことがあります。

これは最低地上高の9センチ以上を確保していても十分にあり得るリスクです。ですので、最低地上高の9センチ以上を確保するのは勿論の事、車高の下げすぎで段差などを超える際に、大切な車のパーツが地面と接触してしまい、パーツが傷ついたり破損してしまうのは避けるようにしましょう。

最低地上高の基準パーツは「動かない部分」であり、「可動部分」は基準外！

最低地上高の基準になるパーツは、あくまでも「動かない部分」です。

動かない部分とは、

などになります。これらは、車の本体に固定されたパーツであり、タイヤのように動くことはありません。これらのパーツが最低地上高の基準になります。

それらに反して、「可動部分」とは、

となります。これらのパーツは動く部分ですので、最低地上高の基準外になります。

樹脂製のエアロパーツ等は基準外

また、最低地上高の基準外になるものには以下のパーツがあります。

ただし、エアロパーツの場合、樹脂製であっても、フォグランプなどの灯火類が埋め込まれていないことが条件となります。最近ありがちなフォグランプが埋め込まれるようなフロントバンパーに交換している場合は、その条件の適合外になりますので、注意が必要ですね。

車検の際の最低地上高の測定方法

保安基準に適合する最低地上高の測定方法には、その基準があります。ローダウンなどのカスタムやチューニングをした車の場合、車検に通るかを確認するには、これらの基準を理解しておく必要があるのです。

この項目では、車検の際の最低地上高の基準についてお話しました。

最低地上高の測定方法の基準

車検の際の最低地上高の測定方法には、基準が設けられています。その条件は以下のとおりになります。

車を空車状態にする

最低地上高を測定する際には、車を空車状態にする必要があります。

人や荷物を載せている状態では、容易に車高が下がってしまうため正確な最低地上高を測定することができません。というより車検で不利になるので、やる方はいないとは思いますが、誰も何も乗せて（載せて）いない空車状態にする必要があります。

タイヤの空気圧を規定値にする

最低地上高を測定する際には、タイヤの空気圧を規定値にする必要があります。

タイヤの空気圧が不足していると車高が下がり、適正な数値が出ません。また、最低地上高をクリアしようと規定より空気圧を上げてくる方もいますが、車検の際には空気圧を規定値に設定されてしまうため、意味がありませんし、場合によっては最低地上高を確保できず、保安基準不適合となってしまいます。

タイヤの空気圧の規定値は、ドアの内側の付近や給油口のフタに貼られているシールで確認できます。必ずそれに合わせた空気圧に設定しておきましょう。

舗装された平坦な場所で測定する

最低地上高を測定する際は、舗装された平坦な場所で測定する必要があります。

砂利道などの舗装されていない場所では、段差や凹凸の影響を受けて、適正な最低地上高が計測できない懸念があります。また坂道での測定も傾斜が車高に影響を与えるため、最低地上高の適正値をだすことができません。

必ず、舗装された平坦な場所で測定するようにしましょう。

車高調整装置がある車の測定方法

車高調整式サスペンション（車高調）やエアーコンプレッサーによって車高の上げ下げができるエアサスペンション（エアサス）に対しては、最低地上高を測定する際の基準が別途設けられています。

車高調整装置が搭載されている車の場合、車高を最も高くした位置と、最も低くした位置の中間に設定した状態で最低地上高を測定しなくてはなりません。

カスタムやチューニングで車高調整式サスペンション（車高調）を取り付けようとお考えの方は、ちゃんと車検に通る製品なのかどうかを事前に調べてから取り付けることをおすすめします。

1㎝未満は切り捨てる

最低地上高を測定する際には、測定値は1㎝未満の数値は切り捨てて㎝単位としなければなりません。

例えば、測定した最低地上高が8.9㎝であった場合、端数の9㎜は切り捨てられるため、車検不合格になってしまうわけです。あくまでも最低9㎝以上の車高が必要なのです。

最低地上高に関する注意点

実は、最低地上高の基準が9㎝以上なのは、普通乗用車や軽自動車であり、中にはその基準ではないケースの車両もあります。

また、普通乗用車であっても初年度登録年月日によっては、基準が追加されることもあります。ですので、ローダウンの際には注意が必要です。

車のサイズによって、基準が異なる

最低地上高10㎝以上が必要な車もあります。

ホイールベールが300㎝以上の車は最低地上高が10㎝以上必要になります。また、ホイールベースが350㎝以上になると、最低地上高は11㎝以上必要になります。

それに追加して、前輪の中心から車体の最も前方部分までの「フロントオーバーハング」、後輪の中心から車体の最も後方部分までの「リアオーバーハング」が73㎝以上あれば、最低地上高は10㎝以上、82㎝以上あれば最低地上高は11㎝必要となります。

上記の画像は、F30系のBMWの3シリーズですが、このような普通車はこのような規定には当てはまりません。ホイールベースが300㎝以上の車となると、2トンを超えるトラックなどが対象になります。

このようなトラック等の車両になると、車の構造や機能上で、ある程度の最低地上高は必要になるからです。

初年度登録が2006年の前後で基準が異なる

最低地上高は、これまでの基準だけには限られません。

実は、灯火類の高さにも基準があるのです。

初年度登録が2006年以降の車の場合、フォグランプは水平な地面から25㎝以上、ウインカーランプは下縁の高さが地上から35㎝以上なければなりません。

リフレクターはフォグランプと同じく25㎝以上、ブレーキランプ、テールランプはウインカーランプと同じく35㎝以上に定められています。

保安基準に適合する最低地上高には、いくつもの規定があります。それらをしっかり理解して、ローダウン（車高ダウン）などのカスタムやチューニングをする場合には、車検でNGとならないように注意することが必要ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

今回のお話は、大まかに言って、

●車検に通る最低地上高の基準
●車検の際の最低地上高の測定方法
●最低地上高に関する注意点

でしたね。

カスタムやドレスアップでローダウン（車高ダウン）を計画してらっしゃる方は、ここでの情報を理解して、車検に通るようなカスタムをして戴ければ幸いです。