車検の重要な検査項目である「サイドスリップ検査」とは?サイドスリップ検査の意義と、サイドスリップを正常に保つための対策を解説

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車検の検査項目の一つに、「サイドスリップ検査」というものがあります。

いったい、どのような検査でどういう意義があるのでしょうか?

ライター

サイドスリップ検査って、普段では聞きなれない言葉ですが、実はとても重要な検査項目なのです。

車を安全に走らせるための、とても重要で大切な要素ですので、初めて聞く方はしっかり理解して戴いて、愛車のメンテナンスにお役立ててくれれば幸いです。

車検の検査項目のひとつである「サイドスリップ検査」とは?

ライター

車検の検査項目の中の一つにある「サイドスリップ検査」ですが、車検の項目に指定されているぐらいですから、車にとってはとても重要な役割のある要素というのが覗えます。

このサイドスリップ検査とは、いったいどのようなものなのでしょうか?この項目では、サイドスリップ検査の意義や、サイドスリップに狂いが生じる原因、サイドスリップが正常でないことによって、どのような弊害が生じるのかについてお話しました。

サイドスリップ検査は、車の直進性を測る検査

車検の検査項目の一つに、「サイドスリップ検査」というものがありますが、サイドスリップ検査って、いったいどういう検査なのでしょうか?

サイドスリップ検査は、ハンドルを真っすぐにした状態で、直進したときに左右にどれぐらいズレるかを測定したものです。車がまっすぐに走るかどうかというのは、車を安全に走行させるための非常に重要な検査項目です。

サイドスリップの基準値は、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第91条」(かじ取装置)のルに明記されている「四輪以上の自動車のかじ取車輪をサイドスリップ・テスタを用いて計測した場合に、その横滑り量が、走行1mについて5㎜を超えるもの」とあります。

この基準量を超えると、その車は直進性に問題があると判断されます。

通常、車のタイヤは直進性を高めるために、「トー角」といったわずかな角度が付けられています。その角度が適正であるかどうかで、車の直進性が決まり、サイドスリップが適正であることは、車が安全に走るための最低条件であることが言えますね。

 

サイドスリップが狂う原因

サイドスリップが狂う原因については、様々なものがあります。考えられる原因について詳しく見ていきましょう。

 

前輪を路肩などに強くぶつけた

道幅の狭い道路で、対向車をよけての通行の際に、誤って前輪の左側を路肩に強くぶつけてしまった場合は、サイドスリップが狂っている恐れが十分にあります。

これは、縁石にタイヤごと乗り上げてしまった場合でも、路肩にホイールを擦ってしまった場合であっても、強い衝撃を感じた場合は、サイドスリップに狂いが生じている場合が多いです。

車の足回りは、私たちドライバーが考えている以上にデリケートなもの。速やかに最寄りの整備工場やディーラーに行き、サイドスリップの点検を行うようにしましょう。

 

側溝に脱輪させた

側溝にタイヤを脱輪させてしまった場合も、サイドスリップが狂ってしまう大きな原因の一つです。

側溝への脱輪の場合、サスペンション部品と車の車体をつなぐ役割を担っていて、サスペンションの土台となっているロアアームが損傷してしまっている恐れがあります。ロアアームが損傷することで、次のような症状や危険性が車に現れます。

車が勝手に曲がっていく
ステアリングがブルブルと震える
ボールジョイントが傷んでガタが発生する
ロアアームが脱落する

サイドスリップが狂ってしまうのは、当然のことで、ロアアームを破損するとロアアームボールジョイントブーツも破損してしまっていることが多いです。

 

サス・ショックを交換した

ドレスアップやカスタムの一環で、サス・ショックを社外品に交換した場合も、サイドスリップが狂ってしまう原因の一つです。社外品だけでなく、純正品の経年劣化での交換でも同様です。

 

ブーツが破れてしまっている場合は、車検には通りません。速やかに点検し、ロアアームを修理するとともに、ボールジョイントブーツの交換も行っておきましょう。ブーツが破れてしまっている場合や、サス・ショックを交換した場合は、同時にアライメント計測・調整を行うこともおすすめします。

 

サイドスリップが狂うことで現れる現象

タイヤやホイール、サスペンション部品などの足廻りに強い衝撃を受けることで、サイドスリップが狂ってしまいますが、サイドスリップが狂うことで、次のような症状や危険性があります。

車がまっすぐに走らない
スピードを出すと、ハンドルがブルブルと震える
タイヤの偏摩耗が発生

サイドスリップが狂ってしまったまま、放置してしまうと、上記の現象が起きてしまうことが要因で、大きな事故を起こしかねない危険性があります。

サイドスリップの狂いを放置することなく、しっかりと点検・修理を行い、車を常に安全な状態にしておきましょう。

 

サイドスリップを正常に保つための対策

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正常なサイドスリップは、車が安全に走行するために、大変大切な要素です。それだけに、狂ってしまった場合は、速やかに調整しておかないといけません。

それよりも、サイドスリップを常に正常に保つためのメンテナンスや方法があれば、対策しておきたいものですね。この項目では、サイドスリップを正常に保つための対策についてお話しました。

 

サスペンションなど、足廻りを交換したらアライメント調整を行う

ショックアブソーバーやコイルスプリングなどの足廻りを交換した場合は、必ず四輪アライメント調整を行っておきましょう。

足廻りの交換や修理をした際には、必ずと言ってよいほど、サイドスリップが狂っていると考えた方がよいです。それもトー角だけでなく、特に、カスタムによって社外品の足廻りに交換した場合は、キャンバー角やキャスター角の調整なども行っておいたほうが、サイドスリップを正常に保つことができます。

キチンと整備した足廻りは、その性能を十分に発揮することができ、安全運転や快適なドライブにもつながります。それだけに足廻りのバランスはとても重要な要素になっているのです。

 

丁寧な運転を心掛ける

ラフで雑な運転は、足廻りを傷め、サイドスリップが狂う大きな原因の一つです。

公道はレース場ではありません。また、公道はサーキットと違い、どの道路でも平坦でキレイに整備されているわけではありません。特に都心部のような交通量の多い道路の路面は、轍やギャップなどで荒れているところが多いのです。

そんな道路を、「急発進、急ハンドル、急ブレーキ」などの「急」が付くようなラフな運転をしたらどうでしょうか?たちまち足廻りは歪み、サイドスリップなど簡単に狂ってしまいます。

意外かもしれませんが、レーシングドライーバーを生業としている方ほど、公道でのドライブはとても丁寧で慎重です。決して車を傷めてしまうようなラフな運転はしないものです。

そういう運転を心掛けていると、故障も少ないですし、タイヤも長持ちするしで、良いことづくめですよ。

 

硬すぎる足回りは公道ではNG!

カスタムやドレスアップの一環で、サス・ショックを社外品に交換している方を多く見かけます。最近多くなった車高調整式サスペンションキット(車高調)でローダウンすると愛車の足元が引き締まって、立ち姿が良くなりカッコいいですよね。

僕も、程よいローダウンは賛成です。ローダウンすることによって、車のポテンシャルは上がります。ただ、硬すぎる足廻りは、サイドスリップが狂う大きな原因の一つですし、何より車を傷めてしまいます。

公道を走るのに、硬い足回りは必要ありません。車高調整式サスペンションキット(車高調)も、ストリートメインのものと、サーキットメインの競技用とがあります。最近は、ストリートメインのものも製品の種類が充実してきて、品質の良いものが出てきています。

そういうストリートメインの車高調整式サスペンションキット(車高調)は、付属のコイルスプリングもバネレートが低めの柔らかいものがセレクトされています。それに交換することで、純正品よりも乗り心地が向上したという製品もあったりします。

是非、公道に適したサスペンションキットを選んで戴ければ、サイドスリップが狂うことも少なく、快適なドライブをすることができるでしょう。

 

まとめ

ライター

いかがでしたでしょうか?

今回のお話は、大まかに言って、

車検の検査項目のひとつである「サイドスリップ検査」とは?
サイドスリップを正常に保つための対策

でしたね。

サイドスリップ検査という、なかなか聞きなれない言葉ですが、車を安全に走行させるために、決して欠かすことのできない大事な要素だっていうことはご理解戴けたかと思います。

いくら良いエンジンの車でも、足廻りが歪んだ状態では、安全で、なおかつ正常にポテンシャルを発揮することができません。

しっかりと整備を行って、いつも安全で快適なドライブを楽しみたいですね。

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