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ルノー・スポールの集大成「メガーヌR.S. ウルティム」とは

ルノー・スポール(R.S.)の約50年にわたる輝かしい歴史。
そのラストを飾るモデルとして登場したのが、今回ご紹介する「メガーヌR.S. ウルティム」です。
世界中のファンが注目するこのモデルは、単なる特別仕様車ではなく、モータースポーツで培った技術のすべてを注ぎ込んだ「究極(Ultime)」の一台となっています。
ルノー・スポール(R.S.)の歴史を締めくくる最終限定車
ウルティムの生産台数は、ルノー・スポールが設立された年にちなんで、世界限定「1976台」。
シリアルナンバーが刻まれたこのモデルは、今後二度と現れることのないガソリンエンジンを積んだルノー・スポールの最終形です。これまでニュルブルクリンクで数々の記録を打ち立ててきたメガーヌR.S.のDNAが、この一台に凝縮されています。
伝説のカラー「ジョン・シリウス」が放つ圧倒的な存在感
ボディカラーは、ルノー・スポールを象徴するパールイエロー「ジョン・シリウス」。
光の当たり方によって、鮮やかなイエローから深みのあるゴールドのような輝きへと表情を変えるこの色は、圧倒的な存在感を放ちます。
サイドやボンネットに施されたマットブラックの専用デカールが、その輝きをさらに引き締め、特別なモデルであることを主張しています。
【走行レビュー】ニュルFF最速の片鱗を感じる圧倒的トルク

実際にステアリングを握り、アクセルを踏み込むと、そこには「ニュルブルクリンクFF最速」の記録を保持してきた誇りが確かに息づいていました。
300ps/420Nmがもたらす暴力的な加速
搭載される1.8L直列4気筒ターボエンジンは、最高出力300ps、最大トルク420Nm(EDCモデル)を発生。
アクセルを軽く踏み込むだけで、どこからでも溢れ出す強大なトルクが車体を力強く押し進めます。その加速感はまさに暴力的でありながら、緻密に制御されており、ドライバーに高い昂揚感を与えてくれます。
4CONTROL(4輪操舵)による異次元の旋回性能
ルノー独自の「4CONTROL(4輪操舵システム)」の恩恵は絶大です。
低速域では後輪が前輪と逆方向に切れることで、驚くほどの小回りを実現。一方で中高速域では同方向に切れることで、まるで路面に吸い付くような安定したコーナリングを見せます。
大柄なボディを感じさせない、鋭いハンドリングは圧巻の一言です。
【本音の評価】「硬すぎる足まわり」がもたらす街乗りの苦悩

しかし、これだけのパフォーマンスを誇るウルティムですが、実際に日本の公道に連れ出すと、カタログスペックだけでは見えてこない「影」の部分が露わになります。
シャシー・カップが日本の公道に突きつける「覚悟」
ウルティムに採用されている「シャシー・カップ」は、サーキット走行を前提とした非常に硬いセッティングが施されています。
フラットな路面では抜群の安定感を誇りますが、日本の市街地にあるマンホールやアスファルトの継ぎ目といった凹凸に対しては、一切の容赦がありません。
突き上げはダイレクトに車内へ響き、ドライバーの腰へと伝わってきます。
街乗りメインなら「そのまま」では厳しいという現実
「HCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)」という優れたダンパーシステムを搭載していても、スプリングそのものの硬さは隠せません。
たまの休日にワインディングを楽しむ程度ならまだしも、日常の足として使うには、この足まわりはあまりにスパルタンすぎます。
正直なところ、ノーマルの状態では「街乗りには不向き」というのが、試乗して感じた率直な感想です。
解決策としての「最適化」:あえてレートを下げるデ・チューンのススメ

この「究極」の車を、本当の意味で日常の相棒にするためには、メーカーが設定した数値を鵜呑みにするのではなく、自分の走る環境に合わせた「最適化」が必要です。
コイルスプリングのレートを2段階下げるという選択
もし私がこの車を街乗りメインで購入するなら、まず最初に着手するのはコイルスプリングの交換です。
具体的には、スプリングレートを現状から2段階ほど下げるデ・チューンを検討します。
あえてレートを落とし、サスペンションを「動く足」へと変えることで、路面からの衝撃をしなやかに受け流し、強大なパワーをより扱いやすくコントロールできるようになるはずです。
「引く」ことで完成する、自分だけのウルティム
スペックを落とすことは、一見すると退化のように思えるかもしれません。
しかし、日本の公道というフィールドにおいて、ウルティムのポテンシャルを「使い切る」ためには、この「引き算」こそが真のチューニングとなります。
ガチガチのサーキット仕様を少しだけストリートに寄せる。その余裕こそが、この名車と長く、深く付き合うための秘訣ではないでしょうか。
まとめ:ウルティムは「飼い慣らしてこそ」究極の相棒になる
メガーヌR.S. ウルティムは、ルノー・スポールが到達した一つの完成形です。
その高いポテンシャルをどう引き出すかは、オーナーの手に委ねられています。カタログの数字に縛られるのではなく、自分の感性を信じて「足を馴染ませる」。
そうして飼い慣らされたウルティムは、あなたにとって唯一無二の、真に「究極」な一台へと進化するはずです。
Renault Megane R.S Ultim(ルノー メガーヌR.S ウルティム)のギャラリーおよび主要諸元
トランスミッション:6AT
ボディカラー:ジョン シリウス M
Renault Megane R.S Ultim(ルノー メガーヌR.S ウルティム) ギャラリー
Runault Megane R.S Ultime(ルノー メガーヌR.S ウルティム)主要諸元
型式:7BAーBBM5P2
車両重量(kg):1,470(EDC)
燃費 :11.3
市街地モード :8.0
郊外モード :12.0
高速道路モード:13.0
最小回転半径(m):5.2
[エンジン仕様詳細] 型式:M5P総排気量:1,798
種類:水冷直列4気筒横置
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
内径×工程:79.7×90.1
最高出力(ネット)kW(PS)/rpm.:221(300)/6,000
最大トルク(ネット) N・m(kgf・m)/rpm.:420(42.8)/3,200
燃料タンク容量(L):47 [車両寸法・定員] 全長×全幅×全高(㎜):4,410×1,875×1,465
ホイールベース(㎜):2,670
トレッド フロント/リヤ(㎜):1,620/1,600
最低地上高(㎜):明記なし
室内(長さ×幅×高さ)(㎜):明記なし
乗車定員(名):5 [足回り/ブレーキ/駆動方式] サスペンション(フロント):マクファーソンストラット式コイルスプリング
(リヤ) :トーションビーム式コイルスプリング
ブレーキ(フロント/リヤ) :油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク
駆動方式 :FF(前輪駆動方式)
メーカー希望小売価格:6,590,000円(税込)



















ルノー・スポール(R.S.)の歴史を締めくくる、世界限定1976台の特別仕様車「メガーヌR.S. ウルティム(Ultime)」。
ジョン・シリウスの鮮やかなパールイエローに身を包んだその姿は、まさに有終の美を飾るにふさわしいオーラを放っています。
今回、幸運にもこの歴史的な一台に試乗する機会を得ました。ニュルブルクリンクFF最速の称号を持つその走りは、期待通りトルクフルで圧倒的な速さを誇ります。
しかし、実際に日本の公道を走らせてみて痛感したのは、カタログスペックだけでは分からない「硬すぎる現実」でした。
「最高の性能が、最高の乗り心地とは限らない」。本記事では、実際にステアリングを握って感じたウルティムの本音と、この名車を日常の相棒として楽しむための「大人なカスタマイズ」について深掘りします。