ABARTH(アバルト)F595 【試乗記】イタリア生まれのホットハッチは、小さくてかわいい暴れん坊!

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既に生産は終了してしまっているスポーツカーに乗ってきた。

ABARTH(アバルト) F595である。

ライター

ABARTH(アバルト)は、以前からとても気になっていた車なのですが、忙しくてつい後回しになっていました。ただ、既に生産は終了しており、今後は内燃機関のガソリン車からは撤退し、EVメーカーになってしまうと聞いて、慌てて試乗してきました。

イタリア生まれの小さな暴れん坊は、噂以上の毒サソリでした!

まさに毒サソリ!1.4L直列4気筒DOHCターボエンジンは、刺激的で気持ち良い!

ライター

初めてABARTH(アバルト)F595に乗ってきました。

噂以上に刺激的で、とても気持ちの良いクルマだと感じました。エキゾーストサウンドも是非聞いてみて下さい。

小型車特有の怖さが全く無い!高いレベルのボディ剛性

運転し始めてすぐに感じたのは、小型車独特の不安定さを感じないぐらいボディがしっかりしていることだ。

国産の小型車なら、ボディの華奢なところがどうしてもあり、ちょっとスピードを出すと怖さを感じるところだが、アバルトR595には全くそれが無い。ボディ剛性がかなり高いことが乗っていてわかる。

担当営業の方が言うには、国産車のボディ剛性とは全く桁が違うということ。国産のスポーツカーをスポット溶接増ししたり、ロールケージを組んで剛性を高めるのとは全く訳が違うのだ。

生産の段階でのスポット溶接の数が全く違うので、歪みや異音がしないのがメリットだということだ。

担当営業の言う言葉は、実際にドライブしてみると納得するだろう。イタリア車だけでなく、ドイツ車や他の欧州車にも言えることかもしれないが、とにかく小型車を乗っている感覚ではなく、国産の大型のセダン以上の安定感があると感じた。

 

165PS(馬力)でも、パワフルで楽しいエンジン!

肝心のエンジンはとてもパワフルだ。

1.4Lの直列4気筒DOHCターボエンジンは、一旦アクセルを強く踏み込むと、咆哮を上げながらゴアっと鋭く加速していく。アクセルのレスポンスもとても良好だ。イタリア車独特の甲高いエンジンの音がとにかく気持ちが良い。

タービンは、あのGARRETT(ギャレット)製のタービンだそうだ。チューンされたターボタービンの定番である。

あまりに気持ち良さに「脳から汁が出る!」というのは、まさにこのことかもしれない。噂通りの「小さな暴れん坊」である。この気持ち良さを味わいたくて、購入して所有する人が多いのだろう。

しかし、1.4Lなのに、このパワー感はひと昔前の国産テンロクスポーツよりもずっとパワーがある気がする。小さくて軽く吹けるのだ。市街地でも2速で引っ張ると、気持ちのよい加速を味わえるので、普段の通勤や買い物でも十分に楽しむことができる。

 

とても気持ち良い!RECORD MONZA(レコードモンツァ)マフラーの乾いたエキゾーストサウンド!

 

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気持ち良さの原因は、エンジンだけではない。

リヤから響いてくる乾いたエキゾーストサウンドだ。まさにイタリアのスポーツカーと言う感じで気持ち良い!

この気持ちの良いサウンドを奏でるエキゾーストは、RECORD MONZA(レコード・モンツァ)というアバルトの純正のスポーツマフラーである。エキゾースト音が気持ち良いのは、スポーツカーに乗る醍醐味だ。

このエキゾーストの仕組みは、最近の欧州スポーツカーで標準装備が増えているバルブ制御のエキゾーストシステムであり、排気出口が2系統になっている仕組みの、エンジンからの排気の流れを抑制するものだ。

排圧の高低に応じてバルブが開閉し、サイレンサーをスルーする取り回しで排気効率を向上させている。

このレコードモンツァのマフラーは、F595に標準装備となっている。

 

小さくてかわいい暴れん坊は、内外装も尖がっている!

ライター

ABARTH(アバルト)F595は、とてもイタリア車っぽい造りになっています。ベースは、フィアット500ということですが、性格は全く違いますね。

こだわりが強いところと、適当なところのギャップは、イタリア人の気質のような気がしました。そういうところも魅力の一つなのかもしれませんね。

サソリのマークの由来は、創始者がサソリ座だったから!

皆さんは、ABARTH(アバルト)のエンブレムであるマークの毒サソリの由来をご存じだろうか?

実は、アバルトの創始者の星座がサソリ座だったからという理由だそうである。僕は、てっきりサソリのように鋭い加速のクルマであってほしいという意図からだと思っていたが、なんとも拍子抜けするような理由だと思った。

でも、その一見安直に思えるような発想が実にイタリア人っぽくて僕は好感が持てると感じた。考えようによっては、とても素敵な発想ではないだろうか?

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内装の雑さは却って良いかもしれない

アバルトの内装は、実にメリハリがある。

どうメリハリがあるかというと、内装の内張はほとんどがプラスチックだらけで、適当な感じがする。ダッシュボードの上に鎮座したように装備されているブーストメーターも取ってつけたような印象を受ける。

と思えば、インパネフードにアルカンターラを貼っていたりするし、ステアリングはパンチングレザー巻きでステアリングマーカーが入っており、シフトノブはアルミ製のそれなりにレーシーな雰囲気を醸し出している。

とにかく、こだわるところはこだわって、適当なところはすごく適当であり、良い意味でも悪い意味でもメリハリが効いている気がする。と言うより、ムチャクチャ好きなことをして車づくりをしている感じである。

「俺は走りさえ良ければ、カッコなんてどうでもイイんだよ!」と言っているようである。却って潔いかもしれない。スポーツカー乗りは、そういう適当なところが好きな人も多いのが事実である。

 

スポーツカーなのにスポーツカーらしくない!座高が高くて座りやすいシート

フロントシートは、スポーツカー独特のホールド感のあるシートではない。ファブリックとアルカンターラのコンビのシートだから、決して安っぽくはないのだが、スポーツカーに装備されているセミバケットではない。

着座位置も高く、座りやすいのだが、悪く言えば「ただのイス」と言う感じを受ける。さすがにロングドライブでは疲れるだろう。

アバルトF595を所有して、乗ることを考えれば、遠い通勤には使えそうにない。片道10km以内の近場の通勤か、もしくは休日の買い物やレジャーに使用するのならちょうど良いだろう。

でも、実際に購入して乗っている人は、そういうところは気にしていない気がする。そういう適当なところも良いのだろう。

 

MTシフトのストロークは長め

5速マニュアルのシフトは硬めである。しかもストロークは長めである。

走りにこだわる人はクイックシフトに交換するのかもしれない。アルミ製のシフトノブで見た目は良いのだが、見かけによらずにロングストロークなのである。こういうところはメーカーにはこだわって欲しかったなと思ったりする。

ABARTH(アバルト)も、とっくに生産は終了してしまい、現在庫が売れてしまうと内燃機関のガソリン車の市場からは撤退して、EVメーカーとなると言う。とても残念だが、世の中の流れには逆らえないのだから仕方がない。

どうしても欲しい方は、今しかない!買いに行かないと間に合わないぞ!

 

ABARTH(アバルト)F595 ギャラリー

ABARTH(アバルト)F595 主要諸元

[ABARTH F595 主要諸元」

形式:3BA-31214T
車両重量(kg):1,120
車両総重量(kg):
燃費     :14.2
市街地モード :10.2
郊外モード  :15.1
高速道路モード:16.3

[エンジン仕様詳細]

型式:312B3
総排気量:1,368
種類:直列4気筒 16バルブ インタークーラー付ターボ
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
内径×工程:72.0×84.0
最高出力(ネット)kW(PS)/rpm.:121(165)/5,500
最大トルク(ネット) N・m(kgf・m)/rpm.:230(23.5)/2,250(SPORTスイッチ使用時)
燃料タンク容量(L):35

[車両寸法・定員]

全長×全幅×全高(㎜):3,660×1,625×1,490
ホイールベース(㎜):2,300
トレッド フロント/リヤ(㎜):1,410/1,400
乗車定員(名):4

[足回り/ブレーキ/駆動方式]

サスペンション(フロント):マクファーソンストラット式(スタビライザー付)
(リヤ)  :トーションビーム式(スタビライザー付)
ブレーキ(フロント/リヤ)   :ベンチレーテッドディスク/ディスク
駆動方式                           :FF(前輪駆動方式)
トランスミッション:5速マニュアル

メーカー希望小売価格:4,480,000円(税込)(仕様がハロゲンヘッドライト、レコードモンツァマフラー標準装備)

 

まとめ

ライター

いかがでしたでしょうか?

今回のお話は、大まかに言って、

まさに毒サソリ!1.4L直列4気筒DOHCターボエンジンは、刺激的で気持ち良い!
小さくてかわいい暴れん坊は、内外装も尖がっている!
ABARTH(アバルト)F595 ギャラリー&主要諸元

こんなにいいクルマが生産終了で、EVメーカーになってしまうとは、とても残念です。でも、ABARTH(アバルト)が作った歴史は、車好きの人々に語り継がれていくと思いますし、「こんなにいいクルマが有ったんだよ!」と記憶に残る事でしょう。

僕も、最後の最後に試乗できて大変良かったです。車好きの人間として幸せです!

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