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僕には、忘れることができない思い出深い車があります。
それは、僕が20代の中ごろから31歳ぐらいの頃まで所有し、乗っていたJZZ30 ソアラです。

JZZ30 ソアラの基本スペック


3代目ソアラにはグレードが4つあり、そのグレードごとに少しづつ装備が違うのが特徴でした。エンジンそのものや足廻りも大きく違っていたり、上級グレードと通常グレードには明確な差をつけていたことを記憶しています。
この項目では、グレードごとのスペックの違いについてお話しました。
前期型のグレードは全部で4つ
まずは、JZZ30の前期型のグレードを簡単にご紹介しておきます。
グレード | 4.0GTリミテッド | 4.0GT | 2.5GTツインターボ・2.5GTツインターボL | |
車両型式 重量 |
車両型式 | E-UZZ31‐ACPZK | E-UZZ30ーACPVK | E-JZZ30ーACMZZ |
重量(kg) | 1,640 | 1,590 | 1,590 | |
寸法 | 全長(㎜) | 4,860 | 4,860 | 4,860 |
全幅(㎜) | 1,790 | 1,790 | 1,790 | |
全高(㎜) | 1,340 | 1,350 | 1,350 | |
ホイールベース(㎜) | 2,690 | 2,690 | 2,690 | |
エンジン | エンジン型式 | 1UZ-FE | 1UZ-FE | 1JZ-GTE |
エンジン種類 | V型8気筒DOHC | V型8気筒DOHC | 直列6気筒DOHC | |
排気量(cm²) | 3,968 | 3,968 | 2,491 | |
最高出力kW(PS)/r.p.m | ‐260/5,400 | ‐260/5,400 | ‐280/6,200 |
30ソアラの前期型は、1991年(平成3年)5月7日に発売されました。全部で4グレードあり、上位グレードの2つは、V型8気筒DOHCの4.0Lエンジンであり、ターボは付いていません。NA(自然吸気)です。
下の2グレードは、直列6気筒DOHC2.5Lツインターボエンジンであり、僕が所有していたのは一番下のグレードである「2.5GTツインターボ」になります。
これらの4つのグレードのソアラは、エンジン以外にも装備の内容が全く違うのが大きな特徴でした。グレードごとの装備の内容は以下の通りです。
グレード | 4.0GTリミテッド | 4.0GT | 2.5GTツインターボ・2.5GTツインターボL | |
サスペンション | サスペンション形式(前) | ローリングダイヤフラム空気バネ | ダブルウィッシュボーン | ダブルウィッシュボーン |
サスペンション形式(後) | ローリングダイヤフラム空気バネ | ダブルウィッシュボーン | ダブルウィッシュボーン | |
タイヤ | タイヤサイズ(前) | 215/60R15 90H | 215/60R15 94H | 225/55R16 93V |
タイヤサイズ(後) | 215/60R15 90H | 215/60R15 94H | 225/55R16 93V |
サスペンションやタイヤなどの足廻りの装備も、グレードごとに全く違うのが特徴です。その理由は、2.5Lツインターボのモデルはスポーツ寄りに振ったテイストになっており、4.0LのV8モデルは、ラグジュアリーな志向を狙ったテイストにメーカーがしているということでしょう。
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4.0Lモデルでも細かい違いがあった
同じ4.0Lのモデルであっても、4.0GTリミテッドと4.0GTとでは、少しづつ装備が違っていました。例えば、サスペンションに大きな違いがあり、4.0GTが通常のダブルウィッシュボーンであるのに対して、4.0GTリミテッドは、「ローリングダイヤフラム空気バネ」というサスペンションでした。
4.0GTリミテッドに装備されている「ローリングダイヤフラム空気バネ」というのは、国産車ではまだ新しく出て間もない「エアサスペンション」なのです。コイルばねが無く、エアーによって減衰力を調整できるエアサスは当時では画期的であり、同時期に出回っていたクラウンの上級グレードや日産のシーマなどには標準装備されていました。
また、4.0GTリミテッドには、メーカーオプションで「アクティブサス」というものがセレクトされました。これは、F1などのレースからフィードバックされた装備であり、コーナリングの際に曲がる方向の側の車高が下がることによってコーナリングを安定させるという画期的なもので話題になったことを記憶しています。
4.0GTリミテッドは、シートもファブリックではなく本革シートが標準装備でした。その他、細かい箇所も少しづつ違いというか差があったように記憶しています。
2.5GTツインターボモデルも装備の違いがあった
装備が違うのは4.0Lモデルだけではありませんでした。
僕が所有していた2.5Lツインターボと2.5LツインターボLも、少し装備に違いがありました。これは足廻りやサスペンションは同じダブルウィッシュボーンなのですが、2.5ツインターボLには「ピエゾテムス」というものが付いていました。
このピエゾテムスとは、室内に切替のスイッチがあり、サスペンションの減衰力を自動で切り替えられるという装備です。これと似たような電子制御のサスペンションは、多くのメーカーの多くの車種に装備されていた記憶があります。
インテリアにも少しだけ違いがありました。
2.5ツインターボが通常のプラスチックと一部レザーの内装なのに対して、2.5ツインターボLはプラスチックと一部レザーに加えて、木目調の内装でした。
シートも違いました。2.5ツインターボが通常の手動のシートなのに対して、2.5ツインターボLは電動パワーシートでした。
このように、当時の車メーカーは、トヨタだけでなく同じ車種であっても、グレードごとに細かく差をつけて販売していたイメージがあります。それが車メーカーの戦略だったのでしょう。
1JZエンジンは、トヨタの3兄弟車と共用
ツインターボモデルのJZZ30のエンジンは、今となっては大変貴重な直列6気筒DOHCエンジンにタービンを2基がけのツインターボというものでした。名機である「1JZエンジン」ですね。
実は、これと同じ1JZエンジンを積んでいた車種が同じトヨタに3種類もいました。3兄弟車であるマークⅡとチェイサーとクレスタです。これら3台は全て、車両型式が同じJZX100であり、エンジンだけでなくシャシーも共用でした。
この1JZエンジンは、とてもスムーズに吹きあがる特徴があり、同じ直列6気筒である日産のスカイライン32GTーRのRB26エンジンとは、また違ったテイストがありました。僕はこの気持ちよくスムーズに吹きあがるエンジンがとても好きでした。
GT-RのRB26エンジンのような暴力的な加速ではないのですが、当時のBMWに多く搭載されていた直列6気筒エンジンにとても似ていました。休日に車を運転し、高速道路に乗って阪神高速の湾岸線などをかっ飛ばし、とてもスッキリした気持ちでドライブできたのを覚えています。
「スペースビジョンメーター」は知恵と工夫の心憎い演出だ!
当時のトヨタは、心憎いほどの演出ができたメーカーでした。
初代のソアラ(MZ10系)からデジタルメーターを採用し、おそらく2代目ソアラ(MZ20)からだったと思いますが、「スペースビジョンメーター」を採用していました。
このスペースビジョンメーターとは、直射日光の光によってメーターの液晶が見えにくくなるのを防止するために、上に逆に設置したデジタルメーターをしたのミラーに映し出すことでドライバーから見えやすくするという画期的なアイデアの施されたものでした。
昔のトヨタは、このような仕事ができたのですね。
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JZZ30 ソアラの魅力は伸びやかに回る1JZエンジンのスムーズなパワー感!


僕のかつての愛車であったJZZ30 ソアラの一番の魅力は、上までスムーズに伸びやかに回る1JZエンジンでした。そのエンジンに惚れ込んで、エンジンの特性を活かすライトチューンを施して楽しんでいました。
僕の記憶が鮮明な部分だけ、チューニングの詳細をお話してみました。
今では希少な直6ツインターボエンジン
当時では、直列6気筒のエンジンは、珍しいものではなく、どのメーカーでも当たり前のように装備されていました。歴代スカイラインGTーRもずっと直列6気筒エンジンでしたし、スムーズな吹き上がりとバランスの良さが直列6気筒の特徴でもありました。
1JZエンジンは、RB26エンジンのような荒々しさはありません。バランスが良くスムーズなエンジンとでも言いましょうか。とにかく踏んで気持ちが良いエンジンなのです。静かなエンジンでありながら踏み込むと、きっちりレッドゾーンまでスムーズに回るのです。

昨今は、直列6気筒を採用している車は、国産車ではほとんど無くなりました。国産車でただ一つの直列6気筒エンジンを採用しているのは、トヨタのGRスープラ(DB06)のみですが、エンジンはBMW製ですしね。
世界的にも直列6気筒は、BMWのM2、M4、M5とメルセデスベンツの最新モデルのS500だけでしょうか?縦に長いスペースを要する直列6気筒は、昨今の車の事情にはそぐわないのでしょう。
僕のJZZ30ソアラのチューニング(パワーアップ編)
僕がJZZ30 ソアラに施していたチューニングは、エンジンの排気量アップやタービンを大容量のものに交換するといったハードなものではありませんでした。
あくまでも、普段に使用できて支障がない程度のライトチューンで満足するようにしていました。というより、一度タービン交換をしようと思案したこともありましたが、マニュアルではなくATだったため、行きつけのショップの人に「ミッションが持ちません!」と言われ断念しました。
エンジン本体は手を入れず、ロム書き換えのみ
エンジンやタービンには一切手を入れず、ロムチューンのみでした。今現在で言うと「ECU書き換え」というライトチューンです。
ロムは確か、マインズのVXロムだったと記憶しています。それによってスピードリミッターカット、ブーストアップである程度のパワーアップができたこともあり、それで満足して乗っていました。ブースト(加給圧)は、ノーマルだと0.8ぐらいだったのが、ロム交換によって1.1ぐらいに上がったと記憶しています。
このロムチューンは、当時施している人がたくさんいて、ライトチューン全盛期でした。
吸・排気系チューンで十分楽しめた!
当時の画像が全くありませんので、他の画像で恐縮ですが、吸・排気系チューンではエアクリーナーとマフラーの交換っは定番でしたね。エアクリーナーは確かK&N、マフラーはTRIST(トラスト)の保安基準適合マフラーでした。
吸気と排気の効率が良くなり、パワーが上がるのは勿論のこと、エアクリーナーの「シュゴー!」という音やマフラーからの重低音の効いたエキゾースト音が心地よいのです。高速でフルスロットル(全開)にしたときは、それはもう脳味噌が溶けそうな快感を覚えたものです。みんなこれが心地よくてチューンドカーにハマっていったんですね。
JZZ30 ソアラは元々、ノーマルの状態でも280PSのパワーがあったので、ロム書き換えや吸・排気系のみのライトチューンでも十分に楽しめたものです。1JZエンジンの素養が良かったせいで、サーキットに行くぐらいのハードなチューンをしなくても、一般ピープルにとってはそれで良かったのでしょう。
サス・ショックは、タナベのショートストロークショックにスプリングはプレセディオをチョイス!
サス・ショックも忘れてはいけませんね。
ショック・アブソーバーは、タナベのショートストロークダンパーに、スプリングは同じタナベのプレセディオをチョイスしました。ノーマル形状のショックでしたが、この組み合わせは、今現在の車高調整式(車高調)と同等以上のローダウン(車高ダウン)ができました。
車高は下がっていても、柔らかめのスプリングとダンパーだったので、乗り心地は悪くなかったです。これはもともと、JZZ30のサスペンションの性能が良かったのでしょう。扁平タイヤに当時では大口径だった18インチを入れていても乗り心地は悪化しなかったのです。
僕のJZZ30ソアラのドレスアップ


1JZという名機で名高いエンジンを載せながら、その麗しいほどのルックスにも惚れ込んで、いろいろなドレスアップも施していました。
ライトチューン以上にお金をかけたように思います。
タイヤ&ホイールはヨコハマ グランプリM3とボルクレーシング グループCV PROをチョイス!
タイヤ&ホイールは当時とても人気があったRAYSのVOLKRACING GROUP CV-Proという3ピースの鍛造ホイールと、横浜ゴムのグランプリM3といった組み合わせでした。
ホイールとタイヤのサイズは以下の通りです。
ホイール リヤ:18インチ 9.5J P.C.D:114.3 インセット:46
タイヤ フロント:235/R40 ZR18
タイヤ リヤ:265/R35 ZR18
今現在はタイヤ&ホイールの両方とも廃盤になってしまったモデルですが、当時はとても鮮明で、街中を走ると一目を惹くぐらい目立ったもので、それを装着した僕は得意顔で愛車をドライブしたものです。
既に廃盤になってしまったため、今現在はVOLKRACINGの21C SPEC-SRという鍛造1ピースホイールで、GROUP CV-Proに似ているのが販売されています。
シートはRECARO SRを2脚
シートは、前席2脚ともRECAROのSRー2を装着しました。これも既に廃盤になっています。今現在はSR-3が販売されています。
このシートはバケット型でありながら、横のダイヤルでリクライニング調整もできるものでした。SRの固めの座り心地がとても気に入っており、人気が高かったシートでした。おそらくドリフトなどでサーキットを走っていた人は、皆これを付けていたんではないでしょうか?
本当に良いシートなので、廃盤になったのは実に残念ですね。
JZZ30ソアラとの思い出


JZZ30 ソアラは僕にとって青春のシンボルのような存在でした。この車のおかげで、若い時期を楽しく過ごせましたし、語りきれないほどたくさんの思い出があります。
その思いを話してみました。
妻との出会い
ちょうどこの車を所有して乗っていた25~31歳の頃に、今の妻と出会って結婚しました。
出逢って間もない頃、このソアラに乗って、2人でいろいろなところに出かけました。僕の人生の中で一番楽しく、輝いていた時期だったのかもしれませんね。
結婚して、すんなりと順調にはいかず離婚の危機もありましたが、2人の子供も無事に育ってくれて、妻には本当に感謝しています。
良い思い出や、良くない思い出もたくさん詰まっていて、たまにこの車を街中で見掛けると懐かしい思い出がよみがえってくるのです。滅多に見かけなくなってしまった車ではありますが。
盗まれかけたホイール
妻と結婚してすぐぐらいに、付けていたホイールを盗まれかけたことがありました。
ホイールにロックナットを付けていたおかげで、盗難されずに済みましたが、当時の大阪は車上荒らしや車の盗難が多かった時期でもありました。このことは別記事に上げてますので、興味がある方はどうぞ見てみて下さい。
JZZ30 ソアラはスポーツカーではなく、ラグジュアリーカーである
実際にJZZ30 ソアラだけでなく歴代のソアラは全てスポーツカーではなく、ラグジュアリーカーです。
当時は、スポーツカーでなくラグジュアリーカーであっても、ハイパワーなエンジンやクイックなハンドリングが可能な足廻りを装着した車種が多かったように思います。
ラグジュアリーカーでもあり、昔の呼び方だと「デートカー」とでも言いましょうか?当時のクラウンの上級グレードやセルシオやシーマと同じように、普段なゆったりと余裕を持ったドライブをしながら、いざという時には速いという、まるで昔のBMWの635のクーペのように「羊の皮を被った狼」という表現が合っている気がします。
本当に良いクルマに巡り合えて、幸せな時を過ごせました。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って、
●JZZ30 ソアラの基本スペック
●JZZ30ソアラの魅力は伸びやかに回る1JZエンジンのスムーズなパワー感!
●僕のJZZ30ソアラのドレスアップ
●JZZ30ソアラとの思い出
でしたね。
当時の画像があれば良かったのですが、写真を残しているわけでもなく、今みたいにインターネットも普及していない時代のことですので、画像が無く今現在ネットで出回っているJZZ30の画像を拾ってきたりしました。
また、当時のことを思い出しながら書いたため、取り留めのない話になってしまい、ユーザーの皆さんには読みづらかったことお詫びいたします。
この記事を書いていると、昔のことをいろいろ思い出し、「本当に幸せな時間を過ごせて良かったな!」とつくづく思うのです。皆さんもこういう車に出逢えることが出来れば幸いです。
JZZ30 ソアラの魅力は何と言っても、名機と言われた1JZエンジンではないでしょうか?それ以外にも魅力が満載であり、本当に良い思い出がたくさんできて幸せな時期でした。
JZZ30 ソアラの元オーナーの僕が、その魅力を語ってみました。