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車を所有すると、新車購入から3年経過~2回目以降は2年ごとに必ず車検があります。
車検を無事通すことはとても大切です。車検に引っ掛かってしまい、余分な費用を出すのは避けたいもの。ただ、車検以外にも車には「12ヵ月法定点検」や「24ヵ月法定点検」というものがあります。
自動車の車検と12ヵ月点検や24ヵ月点検との違い
自動車を購入すると、新車~3年後とそれ以降は2年ごとに、必ず車検を受けないといけません。
ただ、車検の他に「12ヵ月法定点検」とか「24ヵ月法定点検」というものもあります。これらは車検のように必ず受けないといけないのでしょうか?また、車検と法定点検の違いとは何がどう違うのでしょうか?
この項目では、それらについてお話しました。
車検とは何か?
車検とは、自動車検査登録制度のことを言います。
日本では、ミニカーや小型特殊自動車を除く自動車や排気量250ccを超える自動二輪車に対して、道路運送車両の保安基準に適合しているかを確認するため、一定期間ごとに国土交通省が検査を行い、また、自動車の所有権を公証するために登録する制度のことを言います。
自動四輪車(自動車)の場合、新車の購入後3年~その後2年ごとに行い、国の保安基準および安全かつ環境に配慮するために、決まった検査項目が設定されています。
12ヵ月点検とは?
12ヵ月法定点検(1年点検)は、道路運送車両法第48条に基づいて、ユーザーが実施する義務のある点検です。安全に走行するための定期点検整備のことであり、車の故障を未然に防ぐことができます。
点検日を過ぎても、点検をしなくても、罰則や罰金が発生することはありませんが、受けるように法律で定められていますので、早急に受けるようにしましょう。
12ヵ月法定点検の点検項目は27項目になります。
24ヵ月点検とは?
。24ヵ月法定点検では、12ヵ月法定点検の検査項目に加えて、さらに30項目の点検が行われます。これらの項目は、車両の構造や重要な機能性に関わる重要な要素を確認するためのものです。
24ヵ月法定点検は、2年ごとにあるため、車検と同時に行われることが多く、その点検項目は、12ヵ月法定点検の26項目+30項目の56項目になります。
車検を受けなかった場合とは違い、罰則や罰金はありませんが、先述したとおり、車が安全に走行できる状態かどうかを調べる検査ですので、しっかりと受けるようにしましょう。
自動車の車検の検査項目一覧
車検の意味や目的については、先述したとおりです。皆さんご理解戴いてるかと思います。
ただ、具体的に車検では、どのような検査項目があるのでしょうか?この項目では、それに関して詳しくお話してみました。
同一性の確認
車検の検査項目の中の一つに、「同一性の確認」という項目があります。
同一性の確認とは、車検証に記載されている内容と、車検を受ける車が同一であるかどうかを確認する項目です。車検証の記載内容と車を比べて内容が合致しているかどうかを調べます。
外回りの検査(目視によるもの)
車検の検査項目の中の「外回りの検査」の内容とは、下の表のとおりです。
検査するところ | 内容 |
電気系統 | ヘッドライト、スモールライト、バックライト、ブレーキランプ、フォグランプ、ハザードランプ、方向指示器などの点灯・点滅を確認する。インパネで確認できる警告灯やランプ類の点灯、クラクションが正常に鳴るかの確認。 |
ワイパー | 正常に作動しているかどうか? |
ウィンドウガラス | 破損やひび割れが無いか? |
タイヤ | タイヤの溝が1.6㎜以上残っているか?タイヤのゴムやホイールにひび割れが無いか? |
発煙筒 | 車両に発煙筒が積まれているか? |
下回りの検査(目視によるもの)
車検の検査項目の中の「下回りの検査」の内容とは、下の表のとおりです。
検査するところ | 内容 |
ブーツ類 | ドライブシャフトブーツ、ステアリングラックブーツ、タイロッドエンドブーツなどのブーツ類に亀裂や破損が無いかどうか? |
マフラー | マフラーに酷いサビが出来ていないかどうか?穴が開いていないか? |
オイル漏れ | エンジン、トランスミッション、サスペンションの各部品からオイルが漏れていないか? |
性能・状態の検査(測定器の使用によるもの)
車検の検査項目の中の、「性能・状態の検査」は、計測器を使用しての検査になります。
それらの内容とは、下の表のとおりです。
検査するところ | 内容 |
サイドスリップ検査 | ハンドルを真っすぐに保った状態で、直進した際に車両が横ブレする量を専用の機械で測定するもの。 |
ブレーキ検査 | ブレーキとサイドブレーキの効き具合の検査。車両をローラーの上に載せ、電光掲示板の指示に従って、ブレーキやサイドブレーキを操作して行う検査。 |
スピードメーターの検査 | 実際の速度とスピードメーターが示す速度との誤差を計測する検査。検査で許容される誤差は、車の製造時期によって若干の差はあるものの、概ね上下合わせて時速10㎞以内とされている。 |
排出ガスの検査 | 排気ガステスターを使用して計測する。マフラーから排出されるガスに含まれるCO(一酸化炭素)や、HC(炭化水素)の濃度を計測。 ガソリン車の場合、CO基準値は1.0%、HC基準値は300ppmである。 |
ヘッドライトの検査 | ヘッドライトの光量と光軸が適正かどうかを検査するもの。適切な明るさで適切な向きにライトが照らされているかどうかを測るもの。車両をローラーの上に載せ、ハイビームの状態で電光掲示板の指示に従ってヘッドライトを点灯させる。運転中に十分な視界を確保するために必要なヘッドライトの照射範囲や明るさが確保されているかどうかの検査である。 |
バッテリーの検査 | 振動や衝撃による移動損傷が無いか?蓄電池本体が木箱などの絶縁物で覆われているかどうか?の検査。 バッテリーが動かず、絶縁状態にあるかどうかを確認する検査。 |
車検で落ちやすい項目と、車検に通らなかった場合の対策
車検では、車の状態にもよりけりですが、落ちやすい(引っ掛かりやすい)項目があります。
それらはどの項目なのでしょうか?また、落ちない(引っ掛からない)ための対策はどうすれば良いのでしょうか?この項目では、それらについてお話しました。
車検で落ちやすい項目
・ヘッドライト
・ブレーキ
・ドライブシャフトブーツとステアリングラックブーツ
車検に臨んで、落ちやすい項目は上記の表の通りです。では、不合格になってしまう原因について考えてみましょう。
ヘッドライト | ・レンズの黄ばみや曇り、規定外のバルブの使用。 ・車高ダウンが原因で光軸が変わってしまう。 |
ブレーキ | ・ブレーキの老朽化による制動力の低下や大きなズレ。 |
ドライブシャフトブーツ、ステアリングラックブーツ | ・経年劣化などによる亀裂や破損。 |
ヘッドライトの修正
上の表のとおりですが、ヘッドライトの場合、曇りや黄ばみは目視で確認できますので、黄ばみ取りなどの専用の薬剤で磨いたりして濁りを取っておくようにしましょう。
意外に多いのが、車高ダウンによってヘッドライトの光軸が変わってしまう場合があります。車高ダウンなどでショックアブソーバーやコイルスプリングを社外品に交換した場合は、それと同時に四輪ホイールアライメントを行って光軸の修正をしておきましょう。
また、「オートレベライザー」が装備された車両では、車高を変化させる製品を装着することで、装着前に比べ、ヘッドライトの高さや前後の車高バランスが変化するため、光軸および照射範囲も変化します。それを修正する製品を取り付けることで修正することは可能です。
ブレーキの修正
車検では、ブレーキパッドの残量に関する項目はありません。検査でブレーキが効けば問題ないと判断されるからです。車検の事前見積もりでブレーキパッドの残量を指摘されるのは、車検の際に制動力不足で落ちる可能性があるからです。制動力不足は車検でひっかかる対象になります。
車検におけるブレーキ調整 | 検査内容 |
ブレーキの制動力 | フルブレーキングで車両重量の50%(4.90N/kg)以上の制動力が必要。 |
ブレーキロック | ブレーキを効かせた際に、後輪がロックされているかどうか(タイヤが回らないか)の検査を行う。 |
サイドブレーキの調整 | ワイヤーの張りを調整することで、利きを調整する。ワイヤーが緩んでいると利きが甘くなり、締めすぎていると常時利いている状態になる。 |
ブレーキに関して、車検で落ちないためには、やはりブレーキパッドの残量を確認しておいて、必要ならば交換しておくことをおすすめします。また、常にホコリやゴミがブレーキ付近に溜まらないように、クリーニングしておくことが重要です。
ドライブシャフトブーツ、ステアリングラックブーツの修正
車が製造からある程度年数が経ち、古くなってくると、どうしてもブーツ類は劣化します。ドライブシャフトブーツやステアリングラックブーツは、走行距離が10万キロを超えると、亀裂が入っていたり破損していたりすることが多いのです。
早めの交換をおすすめします。
車検に落ちてしまったら?
車検に通らなかった場合は、車検で引っかかってしまった箇所を速やかに修正した上で、再車検を受けないといけません。この再検査は、当日受けることができれば追加費用はかかりません。
また、、当日に修正箇所を修正できずに車検満了期間を過ぎてしまうことになってしまったら、満了日から15日間公道を走行することができる「限定自動車検査証」を発行してもらうことができます。
車検で引っかかってしまった箇所は、修正の必要があるところですので、修正さえすれば再検査はスムーズに受けることができます。
最悪、満了日から15日以内に修正箇所を修正できず、車検を受けられない場合は、公道を走れなくなるうえに、車検も一からやり直しになってしまいます。そうなると、「仮ナンバー」の手配など面倒な手間もかさんでくるので、決して良くはありません。
「必ず期日以内に車検を終了させないといけない」ということを肝に銘じておきましょう。
車検をスムーズに通すための対策
車検で落ちない(引っ掛からない)ためには、どのような対策をしておけば、安心して車検に臨めるでしょうか?この項目では、僕の経験を踏まえて、車検をスムーズに通すための対策についてお話しました。
普段から愛車のメンテナンスを行う
普段から愛車のメンテナンスを怠っていると、車検で落ちて(引っ掛かって)しまい余分な費用が掛かってしまう場合があります。
先述した通り、ヘッドライトやブレーキ、ドライブシャフトブーツやステアリングラックブーツ以外にもタイヤの残量やワイパーなど、自分で確認したりしていると、ディーラーや整備工場で交換することもできます。
普段からセルフメンテナンスを行っておくことをおすすめします。
車検の事前見積もりを行っておく
たいていの場合、よほど直前でない限り、車検での事前見積もりというものを行います。その事前見積もりでは、車検で落ちそう(引っ掛かりそう)な箇所を指摘してくれて、交換が必要な場合は交換を勧めてくれます。
車検の期日を忘れているというのはよっぽど、その車に対して愛着が無いか、どうでもいいかとしか考えられません。「愛車」と呼べるぐらい大事な車なのであれば、車検の期日は勿論のこと、今の自分の車の状態を常に把握しておくことが大事でしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って、
●自動車の車検と12ヵ月点検や24ヵ月点検との違い
●自動車の車検の検査項目一覧
●車検で落ちやすい項目と、車検に通らなかった場合の対策
●車検をスムーズに通すための対策
でしたね。
車検をスムーズに通すためには、
・普段のセルフメンテナンスを行う
・車検の期日をしっかり把握しておく
・普段から愛車の状態を把握しておく
・車検の事前見積もりを利用する
ということを行っておくことが大切です。
「愛車」なのですから、普段のメンテナンスや点検、車検を通して車を大切にし、快適なカーライフを送って戴けるよう、この記事を参考にして戴ければ幸いです。
今回は、車検の検査項目と「12ヵ月法定点検」「24ヵ月法定点検」との違いや、車検に落ちた(引っ掛かった)場合の対処法や、スムーズに車検を通すための対策についてお話しました。
このお話を参考にして戴き、お役に立つことができれば幸いです。