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「男は黙って4ドアセダン!」僕は常にそう思って車に乗ってきた。
だが、国産自動車メーカーからセダンがどんどん減っていく。実に寂しいことだ。
ユーザーのファミリーユース化がどんどん進んでいく世の中だから仕方のないことなのかもしれないが、あまりにもセダンが少なすぎて、本当にこれで良いのか?と考えてしまう。
世の中の流れに抗うわけではないが、今回はセダンの魅力についてお話しよう。
車のスタンダードはやっぱり4ドアセダン

減っていく日本の4ドアセダン
先日、トヨペットに愛車の30プリウスのオイル交換に行き、待ち時間に担当営業マンと車談義をしていた。
そこでとてもショッキングなことを聞いてしまった。なんとあのクラウンが次のモデルチェンジでセダンでなくなるというのだ!
「クラウンがセダンでなくなるって、いったいどういうこと?」
営業マンが言うには「セダンではなく、”セダンタイプ”になります。」とのこと。何でも、タイヤが大きくなってSUVのような形になるとか。既にインターネットでは各方面から次期モデルの詳細情報は発信されており、ラインナップが
・4ドアクーペ
・クロス
・ステーションワゴン
というラインナップになるそうだ。
僕はとてもがっかりした。クラウンは4ドアセダンだからこそクラウンではないか!
クラウンの次回フルモデルチェンジによって、トヨタのセダンのラインナップがまた減ってしまう。マークXもちょっと前に無くなったし、今残っているトヨタのセダンは超高級セダンのセンチュリーやアッパーミドルクラスのカムリ、小型セダンのカローラとなる。
プリウスもトヨタのカテゴリーの中ではセダンに該当されてはいるが、プリウスは厳密に言えばセダンではない。
トヨタばかりではない。日産はシーマ、フーガ、スカイラインの3車種のみ。ホンダやマツダもセダンは2~3車種のみで本当に寂しい。
セダンの車種が豊富だった古き良き時代
僕の若い頃(20代~30代前半)は本当に国産の良いセダンの車種が豊富だった。
トヨタはエンジン・シャシーが共通で3兄弟車として人気だったマークⅡ・チェイサー・クレスタがあった。
共通のエンジン・シャシーであっても、どの車種もそれぞれオリジナリティがあったし、どれを買うか好みで選べていたように思う。そしてどの車種もとても人気で爆発的に売れていたのだ。

トヨタだけでなく、日産やホンダでもセダンの種類が豊富にあった。マークⅡ、チェイサー、クレスタの3兄弟車のライバルとして日産のローレルがあった。トヨタの3兄弟車には人気こそ及ばなかったが日産らしいこだわりがちりばめられたセダンであり僕は好きだった。
ホンダならアコードの派生バージョンであるインスパイアも人気だった。
トヨタのクラウンや日産のセドリック・グロリアなどのビッグセダンではない「小型セダン」が取り回しが良く乗りやすいということで、セダンにとってはとても良い時代だったように思う。
ユーザーのファミリーユース化が進み、セダンの車種が減少
今は車を所有するユーザーのファミリーユース化が進み、セダンの車種が減少し、家族や大勢で乗って楽しむことができるワンボックスカーが増えた。ドイツなどの欧州車のメーカーのセダンはリヤの形がクーペのようなスタイルの車種が増えてきた。国内や海外を問わず従来の4ドアセダンは不人気で売れないのだ。
子育て世代の若いママさんでさえ、使い勝手が良いミニバンに好んで乗る光景を目にすることが増えた。今のトヨタの3兄弟車と言えば、かつてのトヨタ3兄弟車はセダンではなく、ヴォクシー・ノア・エスクァイア(エスクァイアは2021年で生産終了)のミニバン3兄弟車のことなのである。
別にミニバンが嫌いなわけではないが、熱心なセダンユーザーの僕にとっては何とも寂しい限りではないか。
イケてる人はやっぱりセダンだ!4ドアセダンのおすすめ

カッコ良くて、長距離ドライブでも疲れにくいのはセダンだ!
車のスタンダードはやっぱり4ドアセダンだと僕は思っている。
セダンはなんかおっさん臭くて嫌だという方もおられるかもしれないが、セダンは超距離ドライブでも疲れにくいのが長所だと思う。車の重心が低いので前からのGを低い位置で受けるため身体への負担が少ないし、カーブを曲がる際も車のロールが少なく楽に曲がることができる。
ワンボックスカーは同乗する家族にとっては良いかもしれない。ルーフが高い分室内は広いしコミュニケーションも取りやすい。子育て世代の奥さんにとっては小さい子供さんのおむつを交換するにもワンボックスカーは楽だ。買い物にも便利だし使い勝手は確かに良い。
でも、ルーフが高い車というのは、重心が高くなる分だけ身体への負担が大きくなる。運転するドライバーは長距離だととても疲れるのだ。アルファードやエルグランドなどのホイールベースの長い大型のミニバンなら話は別だが、小型のワンボックスは本当に疲れる。それは重心が高い分だけカーブを曲がる際に車のロールがどうしても大きくなるからだ。
ただ、ワンボックスの場合は渋滞した道路をゆっくり走行するときに目線が高くなる分前方を見やすくなるため楽だという意見もある。
これは実際にセダンとワンボックスの両方を長距離ドライブしてみるとよくわかるはずだ。
おすすめは小型セダン

僕は30プリウスを所有している。
30プリウスを運転して毎日往復65㎞の道のりを通勤している。本当に疲れにくくて気に入っている。
プリウスは先述したとおり、厳密に言えばセダンではなくハッチバックだ。セダンというのは後ろのトランクと居室に仕切りがあって別になっている。でも最近は居室とトランクがつながっている車種も増えているので、セダンと呼んでも差し支えないだろう。
セダンのおすすめは、トヨタならカムリやプリウス、レクサスならIS、日産ならスカイライン、国産ではなく欧州車だがベンツならCクラス、BMWなら3シリーズといった「小型セダン」が良いと思っている。
エンジンの排気量が2000㏄から3000㏄あたりで、ホイールベースや車幅も小さすぎず、大きすぎずでちょうど良いサイズだ。小型セダンはサイズ的にとても振り回しやすく扱いやすい。経済的なハイブリッドを採用したセダンも多いのがこのクラスだ。
しかもセダンは使い場所を選ばない実にオールラウンドな車だ。普段の通勤にはもってこいだし、買い物もOK!素敵な恋人とのデートカーとしても最適だし冠婚葬祭にはセダンじゃないといけないシーンが多いように思う。
極めつけはオヤジが乗ってカッコよく決まるのは絶対にセダンだ。
昔は颯爽とセダンを乗りこなすイケてるオヤジが多かったように思う。セダンに乗る男は他に媚びることなく堂々としているように見える。やっぱり車の王道はセダンだと思う。
国内、海外共々にセダンが復活するのを大いに願ってやまない。
80年代~2000年前半ぐらいの時期にマークⅡ、チェイサー、クレスタとトヨタの3車種のことを「トヨタ3兄弟車」と呼びました。
ハイソカーブームの火付け役となり、特に人気だったのがGX71で人気が爆発し飛ぶように売れたものです。
このような4ドアセダンはおじさんが乗る車という概念がありましたが、当時は20代の若者から中高年まで実に幅広い年齢層から人気を博しました。
グレードは3車種とも3グレードあり、DOHCエンジンを搭載したツインカム24グランデ、OHCをEFIで制御しターボを積んだターボグランデ、通常のOHCをEFIで制御するグランデとあってお好みでグレードを選ぶことができたのです。