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若者の車離れが激しいと言われて久しいですね。車好きの僕としては、とても残念で寂しい現実なのです。

若者の車離れの原因いろいろ


若者の車離れの色々な原因について考えてみました。
時代背景の変化やライフスタイルの変化など要因は実に様々です。この項目では、いろいろな原因についてお話しました。
維持費がかかるのが嫌
若者の車離れの原因を、大手自動車メーカーや損保会社などが調査しています。それらを見てみますと、車離れの要因として一番多いのは、維持費などのお金がかかるのが嫌だというのが、回答として一番多いという結果なのです。
車を運転するのは楽しいです。僕は18歳で自動車免許を取ってから一度も途切れずに車を所有してきました。スピードを出して走らなくても車を運転すると気持ちがいいですし、とても楽しい気分になるのです。
しかし、車を所有するのはお金がかかります。車を購入する際の車の代金のほかに、ガソリンなどの燃料費に自動車税や保険代、それに車検となると車検費用、自宅に駐車場が無く、賃貸のマンションに住んでいると駐車場代が別途かかります。
車には軽自動車のような小さいものから、ベンツのSクラスなどの大きなものまで様々な大きさがあり、車が大きくなればなるほどかかる諸経費は高額になってくることは、車を所有することへの大きな代償でしょう。
車への価値観の変化
国土交通省の調査によるHPより、「年齢階級別運転免許保有率」と「車を保有しない理由」を抜粋してみました。この項目の文章は、国土交通省のHPの文言に僕の意見を加えたり、少し言い回し方を変えて明記しています。
年齢階級別運転免許保有率の推移(全国・東京都)

年 | 1991 | 1996 | 2001 | 2006 | 2011 |
20歳未満 | 19.6 | 17.7 | 18.6 | 18.2 | 16.4 |
20~29歳 | 84.8 | 85.6 | 85.5 | 85.5 | 81.8 |
30~39歳 | 83.9 | 89.6 | 92.8 | 94.2 | 90.4 |
40~49歳 | 72.0 | 79.6 | 86.4 | 91.0 | 95.5 |
50~59歳 | 51.8 | 63.0 | 73.9 | 80.7 | 83.8 |
60~69歳 | 32.2 | 41.6 | 51.5 | 62.2 | 72.7 |
70歳以上 | 8.9 | 15.0 | 21.3 | 27.0 | 33.9 |

年 | 1991 | 1996 | 2001 | 2006 | 2011 |
20歳未満 | 11.9 | 8.7 | 8.7 | 8.0 | 7.1 |
20~29歳 | 74.2 | 71.6 | 67.6 | 67.7 | 63.5 |
30~39歳 | 74.6 | 83.5 | 89.1 | 89.3 | 82.8 |
40~49歳 | 61.8 | 68.7 | 76.3 | 85.5 | 89.3 |
50~59歳 | 47.6 | 53.5 | 63.2 | 69.8 | 76.2 |
60~69歳 | 31.2 | 39.0 | 46.5 | 51.9 | 60.8 |
70歳以上 | 9.1 | 14.5 | 18.6 | 21.9 | 24.8 |
上記の表をご覧になって戴くとわかりますが、若者の運転免許の保有率は、他の年齢層の運転免許の保有率が上昇しているのとは対照的に減少の傾向にあります。
この傾向は、特に東京都において顕著であり、20代では1991年には74.2%あった免許保有率が2011年には63.5%まで減少しています。ただし2011年時点でも全国においては20代の8割以上、30代においては9割以上の人が免許を保有していることから、若者の免許保有率は依然として高い水準にあると言えるでしょう。
特に交通網が発達した東京都においては当然の結果かもしれません。交通手段が豊富な東京都では、運転免許が無くても生活に支障がありませんし、困ることも無いわけです。全国平均と東京都の数字に多少の隔たりがあるのは当然かもしれませんね。
また、10代および20代で免許保有率の低下がみられることについても、他の年齢層の免許保有率が上昇基調で推移していることから、現在の若者についても取得年齢の後ろ倒しが起こっている可能性もあり、免許取得意向が弱まっていると一概に言うことはできないでしょう。
車を保有しない理由

車への価値観の変化は、上記の資料のように「車を保有しない理由」にも顕著に表れています。
維持費がかかる車を保有せず、必要な時だけ利用できる「カーシェアリング」の普及は、今の時代背景を物語っていると言えるでしょう。車を自分の専有物として保有しなくても、利用したいときや必要な時だけ利用すればいいという考えは合理的かもしれません。
景気の変動による所得の低下

僕が車の運転免許を取ったのは昭和61年の3月でした。その頃の日本は、バブルの絶頂期で世の中の景気がとても良かったと言われ、僕もそれを記憶しています。。僕はその恩恵は受けことはありませんでしたが、銀行や証券会社勤務の人々が花形でとても華やかだった印象がありました。
その頃、僕も何回か銀行員の女性たちとコンパをしたことがあります。地元の土木建設業の企業で働いていた僕はとても見下げた態度をされてました。銀行員はとても威張っていたのです。
ディスコが大流行りし、当時の東京の有名ディスコのジュリアナ東京では「ボディコン」と呼ばれるボディラインがくっきりとでるピッタリしたドレスで着飾った女性がお立ち台の上に立ち、扇子を広げて踊り狂い、お立ち台の下でそれを物欲しそうに見上げる男たちの姿がテレビでも映されていたものです。
車を所有する人で景気のいい人の中には、新車購入から3年で最初の車検を迎えるのですが、車検を受けることなく次の新車に乗り換えるような裕福で酔狂な人もいたりして、やたら華やかな世の中に見えたものです。
しかし、時代は平成に入ってしばらくするとバブルが崩壊し、倒産する企業が相次ぎ、なかでもとても世の中を騒がせた山一證券という大手証券会社の倒産がとても印象的です。多くの証券会社は倒産し、銀行も倒産や合併を余儀なくされました。世の中がガラッと変化した印象だ。最もバブルと呼ばれるぐらいだから、実は見せかけだけで実際に景気の良さは架空だったという見方もあるが。
景気が悪化すると、我々サラリーマンの収入は下がり車にお金をかける余裕は無くなっていく人が増えました。
新車を3年ごとに乗り換えるなんてもってのほかであり、とにかく乗れなくなるまで乗り倒してやるという人が増えたものです。
困ったのは各自動車メーカーやディーラーです。車が売れないのです。特に新車の販売台数で生計を立てているディーラーは困惑し、新車の販売による売り上げ確保から、修理やメンテナンスやサービスによる売り上げ確保にシフトせざるを得なくなりました。また、車の耐久性が昔と比べて格段に向上したこともあり、壊れて買い替えることが少なくなったのも大きな原因の一つなのでしょう。
ライフスタイルの変化とレジャーの多様化
僕の若い頃は、恋愛に車は不可欠なものでした。
当時のクラウンやセドリック、ソアラなどの高級車に乗っているとモテていた記憶があります。僕の実家が交通網が発達していなく不便な四国の田舎だったこともあるのですが、女の子とのデートに車は絶対不可欠でしたし、車を所有していないなんて考えられなかったものです。
今は昔と変わって、ライフスタイルが大きく変化し、レジャーも多様化しました。一番の大きな要因はやはりインターネットの発達でしょう。パソコンだけでなくスマートフォンが普及し、iPadなどのタブレットもたくさん出てきました。
家の中だけでなく、外でもYouTubeやダゾーンなどの動画を楽しむことができます。
そのほかにもレジャーが多様化しました。先述しましたが、特に公共交通機関が発達した都市部では、車を所有する理由が少なく若者に限らず合理的に考える大人も増えました。カーシェアリングによる車の合理的な利用方法も出てきました。お金をかけてまで車を所有する必要がないのです。
それだけではない!若者の車離れの理由と今後の展開


若者の車離れのその他の理由とこれからの車業界の展開はどうなるのか?どのように車の魅力をユーザーに対してアプローチしていくのか?についてお話しました。
本当に魅力的な車が少なくなった!
また、「僕の若い頃は…」というくだりで大変恐縮なのですが、以前は本当に魅力的な車が豊富にありました。
ハコスカやケンメリと呼ばれる日産の歴代スカイラインや通称330や430、Y31などのセドリックやグロリア、「世界に一つ、日本にソアラ」というキャッチコピーで大人気だったトヨタの高級車ソアラなど、高級車が「ハイソカー」と呼ばれた先駆けとなったものなど、車好きにとってはとても良い時代だったのです。
自分の写真を撮るのは必ず愛車の前で撮ったものですし、車に乗らない日は無いというぐらい、いつも車が一緒だったものです。
ところが、時代の変化とともに本当に魅力的な車は減っていきました。メーカーも生産ラインの合理化や撤廃などを余儀なくされ、コスト重視へシフトせざるを得なくなってきています。背景には世界的なCo2削減の問題が大きく、自動車メーカが以前のように車を作れなくなってきているので仕方ないのでしょう。
また、ある専門家の方が言うには、車離れの背景には「車の進化スピードの圧倒的な差」にあるという意見があります。。新型になっても性能が少ししか上がらないのであれば、車を買おうという購買意欲など湧くはずもなく、新商品に対する興味が薄れるのは当然のことであると言います。
例えば、僕は20プリウスに乗っていたが、それを手放してしばらくは自分専用の車は所有していなかった。ある事情があり自分専用の車が必要になって30プリウスを購入して乗り始めたのだが、20プリウスとの違いにとても驚き感動した。
乗り心地やハンドリングなど、色んな箇所が圧倒的に進化を遂げてきました。でもそれは「乗ってみてわかる違い」であって、実際に車を購入して乗ってみないとわからない違いであり、車に対して無関心になってしまった人たちを再び車へと興味を抱かせるには至らないのです。技術の進化だけで車離れを食い止めることはできないでしょう。
さまざまな車の楽しみ方の提案
今の車には昔と違い実に多くの様々な機能があります。
例えば自動運転です。車が勝手に運転してくれるのです!日産のプロパイロット、スバルのアイサイトなど各自動車メーカーが続々と独自の技術を採用し車の技術は大きく進化しました。前を見ていなくてうっかり前の車にぶつかりそうになったら車が勝手にブレーキをかけて車を静止させたり、道路状況に合わせて速度制御してくれたり機能はいろいろあるから驚きですよね。
先日国産のカーディーラーにある車の試乗に行きました。カーナビがスマートフォンと連動してスマートフォンに入れたアプリをディスプレイで表示できるのです。高いナビキットを装着しなくてもスマホをつなぐだけでナビゲーションが使えるという、まさに今の時代にマッチした機能と言えるでしょう。
そのほかにもハンズフリーで電話がかけられたり、YouTubeで動画が楽しめたりと至れり尽くせりになっています。こういうクルマの楽しみ方もあるんだなと思いました。
これらのことから言えるように、自動車メーカーは今後、車を作って売ることから車の楽しみ方を提案するサービスへと変化していくことでしょう。既に各メーカーが行っている「モビリティサービス」と呼ばれるカーシェアリングやライドシェア、テレマティクス保険などもその一環です。
自動車メーカーだけでなく、様々な工夫や提案が今後の車離れに対する対策になってはくるのでしょう。今後の展開に期待したいと思いました。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は大まかに言って、
●若者の車離れの原因いろいろ
●それだけではない!若者の車離れの理由と今後の展開
でしたね。
今の車業界の動向は車好きの僕としては、とても残念な様子になっていますが、Co2削減の問題など地球環境が抱えている問題などから鑑みれば仕方のないことかもしれません。
今後は許される状況の中で、車のことを考えていかないといけないのでしょうね。
若者の車離れには様々な要因があると思いますが、大手自動車メーカーや損保会社などが、若者の車離れの原因について調査し、そのデーターが公開されています。
ただ、車離れの原因についての調査によるデーターだけでは限定されないのではないかと僕は見ています。
今回は、若者の車離れについてお話しました。