鍛造ホイール比較:BBS JAPAN vs RAYS vs TWS — 違いはどこに?

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鍛造ホイールと聞くと、「軽くて強い」というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし実際には、ブランドごとに素材や製法、設計思想に大きな違いがあります。

BBS JAPAN、RAYS、TWS——いずれも日本を代表する鍛造ホイールメーカーですが、その“モノづくり”の方向性はまったく異なります。

本記事では、それぞれのブランドがどのような価値を提供しているのか、性能・デザイン・思想の3つの視点から徹底比較します。

どのブランドを選ぶか迷っている方にとって、きっと判断のヒントになるはずです。

 

主要3ブランドの立ち位置

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日本の鍛造ホイール市場を語る上で欠かせないのが、BBS JAPAN・RAYS・TWSの3ブランドです。いずれも国内製造にこだわり、F1やSUPER GTなどモータースポーツの現場で培われた技術を、市販モデルへ惜しみなく投入しています。

しかし、同じ「鍛造ホイール」といっても、それぞれの得意分野や設計思想は異なります。精度・軽さ・デザイン性――どこに重点を置くかで、選ぶべきブランドは変わってくるのです。

ではまず、この3ブランドがどんな立ち位置にあるのかを整理してみましょう。

BBS JAPAN|超超ジュラルミンが生む“走りの精度”

BBS JAPANは、まさに「鍛造ホイールの代名詞」ともいえる存在です。航空機にも使われる超超ジュラルミン(A7075材)を採用し、軽量かつ高剛性を極めたホイールを生み出しています。

鍛造後には5軸マシニングによる精密切削加工を施し、1/100mm単位の精度で仕上げられるため、回転バランスや応答性の高さは群を抜きます。

BBSのホイールは単なる軽さではなく、「しなやかさと剛性のバランス」を追求しており、F1やSUPER GTといったレース現場での信頼性も圧倒的です。

その結果、走り出した瞬間のステアリングレスポンスや、路面からのフィードバックがまるで違う――そう感じるドライバーも多いのです。

 

RAYS(VOLK RACING)|技術革新で支える国産鍛造の雄

RAYS(レイズ)は、国内トップレベルの技術力と革新性で知られるホイールメーカーです。中でも代表ブランド「VOLK RACING」は、モータースポーツの現場からフィードバックを受けて設計されており、軽量化と高剛性を極限まで追求しています。

鍛造製法はBBS同様に1本1本のアルミビレットから成形されますが、RAYSの特徴は自社開発の鍛造機と独自の3Dデザイン技術を融合させている点にあります。特に、RAYS独自の「RCFスピニング」や「A.M.T.マシニング」などの技術によって、造形の自由度と強度を両立。性能だけでなく、視覚的にも美しいホイールデザインを生み出しています。

また、製造工程をすべて国内で完結している点も信頼の証。製品ごとに管理番号が付与され、品質トレースも可能という徹底ぶりです。軽量性・精度・耐久性のすべてを高次元で融合した「MADE IN JAPAN」の象徴的ブランドと言えるでしょう。

 

TWS|レースからフィードバックされた軽量設計

TWS(ティーダブリューエス)は、F1をはじめとするモータースポーツの世界で培ったノウハウを、市販ホイールに惜しみなく投入している鍛造ホイールメーカーです。航空機用アルミ素材の鍛造・加工技術をベースに、極限までの軽量化と剛性バランスの最適化を実現しています。

同社のホイールは、設計段階からCAE解析による応力シミュレーションを繰り返し、不要な肉を徹底的に削ぎ落とす“エンジニアリングデザイン”が特徴です。そのため、見た目の繊細さとは裏腹に、耐久性と剛性の高さはサーキット走行にも対応できるレベル。

また、TWSのホイールは1本ごとに熟練技術者が検査を行う少量生産体制で、仕上げの美しさにも定評があります。まさに「工業製品でありながら工芸品」ともいえる精度で、ハイパフォーマンスカーオーナーからの信頼も厚いブランドです。

 

 

鍛造技術と設計思想の違い

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鍛造ホイールと一口に言っても、各メーカーの設計思想や技術アプローチには明確な違いがあります。

BBSは「精度と剛性」を最優先に、航空機グレードの素材を極限まで圧縮成形。
RAYSは「革新とデザイン性」を両立させ、独自の鍛造機と加工技術で性能と造形美を追求。
一方のTWSは「軽量化と最適バランス」を突き詰め、レース由来の解析技術を惜しみなく投入しています。

つまり、“どのブランドを選ぶか”は単なるデザインの好みではなく、自分がどんな走りを求めるか──その価値観に直結する選択といえるでしょう。

素材と製法のこだわり比較

同じ“鍛造アルミ”でも、素材グレードと成形・熱処理・削りの設計次第で性格はまるで別物になります。

どこまで薄く、どこまで強く、どこまで軽く——その答えは「素材選定」と「鍛流線(メタルフロー)を崩さない工程設計」にあります。各社は何を優先し、どの工程で差を作っているのでしょうか。

BBS JAPAN|超超ジュラルミン鍛造+精密5軸加工

BBSは素材ポテンシャルを“削り”ではなく“工程全体”で引き出す思想が強いブランドです。代表格のA7075(超超ジュラルミン)採用モデルでは、高強度・高弾性率を活かし、薄肉化と高剛性の両立を狙います。

  素材選定:A6061系を中心に、上位モデルでA7075を投入。素材段階での強度が高く、疲労耐性にも優位。

  成形~熱処理:高圧鍛造→T6系熱処理→応力除去の流れで、鍛流線を乱さずに“必要な部分だけ”を薄くする設計。

  5軸マシニング:スポーク裏の“面での肉盗み”により局所応力を回避。ハブ基準面の精度も厳密で、回転ブレの少ない取り付け精度を追求。

  仕上げ品質:前処理から塗膜管理まで一貫。外観の美しさはもちろん、腐食起点の抑制=長期の疲労耐性にも配慮。

  ドライビングの実感:外周の不要重量を削り、慣性モーメントを低減。ステア初期の応答と中速~高速域の安定感を両立します。

「薄くすれば軽い、でも弱くなる」——そのジレンマを、素材グレードと工程精度でねじ伏せるのがBBSの作法。結果として“しっとりと正確”な走りの質感が生まれます。

 

RAYS|特許鍛造技術“RCF”で軽量化と強度を両立

RAYSは、「VOLK RACING」ブランドを通じて鍛造ホイールの革新を続ける日本メーカーです。その核となるのが、独自開発のRCF(RAYS Cast Flow Forming)技術。この特許技術によって、リム外周を“引き延ばす”ように成形し、薄肉化しながらも強度を落とさないという理想的な構造を実現しています。

この工法は、一般的な削り取りによる軽量化と異なり、鍛流線(メタルフロー)を保ったままリムを延ばすため、強度・靭性・耐久性が高いのが特徴です。さらに、TE37シリーズに代表される6本スポーク設計は、剛性の最適化と重量バランスに優れ、サーキット走行からストリートユースまで幅広く対応。

また、RAYSでは各モデルごとに「剛性ターゲット」を数値設定し、

  サーキット志向のモデル → 捻じれ剛性重視
  ストリート志向のモデル → 快適性・乗り味重視

というように、用途に合わせた“設計思想のチューニング”も行われています。結果として、TE37 SAGA S-plusのようなモデルは軽さ・強さ・乗りやすさを高次元で両立しており、まさに“RAYS鍛造”の象徴的存在といえるでしょう。

 

TWS|モータースポーツ直系の高精度削り出し

TWS(株式会社TAN-EI-SHA WHEEL SUPPLY)は、もともと航空機やモータースポーツ用パーツの精密鍛造メーカーとして知られる企業です。その技術を市販ホイールへフィードバックしたのが、TWSブランドの最大の強み。とくにレース現場で得たデータを設計思想に落とし込むアプローチは、他社にはない一貫した開発スタイルです。

TWSの鍛造ホイールは、A6061系アルミを高圧鍛造したブランク材をベースに、5軸マシニングセンターで細部を削り出す工程が特徴。スポーク裏やハブ周辺の“面精度”が極めて高く、共振や応力集中を避ける設計がなされています。これにより、ステアリングの応答性や走行中のフィードバックが自然で、サーキットだけでなく一般道でも“手に吸いつくような”操舵感を味わえます。

さらに、一部モデルではビードシート部に微細なナール加工(滑り止め)を施し、ハイパワー車両のトラクションロスを抑制。表面処理や塗膜厚管理まで“レース基準”で仕上げられており、長期間の使用でも性能劣化が少ないのも特徴です。

TWSのホイールは、レース由来の精密さと量産製品としての完成度を両立させた、いわば「工業芸術品」。その削り出しの美しさと高剛性は、走りにこだわるユーザーを確実に満足させるでしょう。

 

小結|「素材×製法」で性格が決まる鍛造ホイール

鍛造ホイールの世界では、同じアルミでも“どう鍛え、どう削るか”で性能が劇的に変わることがわかります。

BBSは航空機グレードの超超ジュラルミンを使い、徹底した精度管理で「質感の走り」を。
RAYSはRCF技術を駆使して、軽量化と強度を両立した万能なストリート性能を。
TWSはレース由来の削り出し技術で、剛性バランスとレスポンスを極限まで高めています。

つまり、鍛造=軽いという単純な話ではなく、メーカーごとの製造哲学や設計思想がそのまま走りの“味”となって現れるのです。

あなたが求めるのは「精密で上質な走り」なのか、それとも「軽快で俊敏なハンドリング」なのか――。
このセクションで見てきたように、その答えを決める鍵は、“素材と製法”のわずかな違いに隠れています。

 

デザイン・仕上げ・ブランドイメージの違い

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ホイールの“デザイン”や“仕上げ”は、単なる見た目の違いではありません。

ブランドごとの設計思想やユーザー層へのアプローチが、造形やカラーリング、質感にまで表れています。BBSは精密感と高級感を両立し、RAYSはスポーツ性能とタフな印象、TWSは先進的で繊細な美しさを追求。

あなたはどのブランドの哲学に惹かれますか?

デザイン傾向と仕上げの美学

※画像はイメージです。実物と違うことがあります。

BBS・RAYS・TWS——いずれも鍛造ホイール界を代表するブランドですが、デザインの方向性には明確な違いがあります。

BBSは伝統的なメッシュデザインを中心に、細部まで緻密に仕上げられた“精密工芸品”のような美しさが特徴です。一方のRAYSは、軽量化と剛性を両立させたスポーティな5本・6本スポークを多用し、どの角度から見ても“走りの強さ”を感じさせる造形。TWSは航空機部品製造の技術を背景に、流れるようなシャープラインと立体的なリム構成で、洗練された“機能美”を追求しています。

さらに、表面仕上げにもブランドの哲学が反映されています。BBSはマシニング痕をあえて残すことで素材の美を際立たせ、RAYSは艶消しのマット塗装で力強さを演出。TWSは光の角度で変化する金属的なグラデーション仕上げを得意とし、高級スポーツカーにも映える上質な質感を放ちます。

それぞれが“走り”と“美”を両立させながら、独自のデザイン文化を築いてきたのです。

 

ブランドイメージとターゲット層


ホイール選びにおいて“デザイン”や“性能”と並び、意外と重要なのが「ブランドイメージ」です。各メーカーが長年築き上げてきた世界観には、ユーザー層や価値観の違いが色濃く表れています。

BBSは「高級志向」と「精密さ」を象徴するブランド。欧州車やハイパフォーマンスカーの純正採用も多く、品質を最重視する大人のドライバーから厚い支持を受けています。

一方のRAYSは「走り」と「挑戦」のブランド。モータースポーツで培われたテクノロジーを市販モデルに反映し、若いスポーツ志向のユーザーやサーキット愛好家に人気です。

そしてTWSは「モダン」「プレミアム」「スマート」をキーワードに、最新の製造技術とデザイン性を融合。輸入車オーナーやデザイン重視のユーザーから注目を集めています。

あなたが重視するのは“伝統の重み”か、“走りの情熱”か、それとも“先進的な美しさ”か——。ブランドイメージを軸に選ぶと、愛車との一体感は一層深まります。

 

用途別おすすめモデル

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鍛造ホイールを選ぶ際には、「どんな走り方をするか」「どんな車に装着するか」によって最適なモデルが変わります。

同じBBS・RAYS・TWSでも、サーキット走行重視のモデルと街乗りやドレスアップ向けのモデルでは、設計思想も性能バランスも大きく異なります。

たとえば、RAYSなら軽量かつ剛性に優れた「VOLK RACING」シリーズ、BBSなら高精度な鍛造技術を生かした「RI-D」や「LM」、TWSなら上質さと機能美を兼ね備えた「EX-fL」などが代表格です。

この記事では、走行シーン別に最適なモデルを紹介しながら、性能・デザイン・価格のバランスをどう見極めるかを解説していきます。あなたのクルマに“最高の一本”を見つけるヒントにしてみてください。

ストリート派におすすめ

普段の街乗りや通勤・ショッピングなど、日常使いのなかで「走りの質」と「見た目の美しさ」を両立したいなら、BBS・RAYS・TWSの中でもデザイン性と快適性に優れたモデルが最適です。

BBSでは「LM」や「RE-V7」など、クラシックかつ高級感あるデザインが人気。マルチピース構造により、ドレスアップ効果と乗り心地の柔らかさを両立しています。

RAYSなら「HOMURA」シリーズが代表格。スポーツ性を保ちながらも、都会的で上品なデザインが特徴で、輸入車オーナーからも支持を集めています。

TWSでは「Exspur EX-fL」や「Reizend WS05」が好評。軽さと高剛性に加え、塗装やポリッシュ仕上げの質感が非常に高く、上質な大人の足元を演出します。

ホイールは単なるパーツではなく、クルマ全体の印象を左右する“ファッションアイテム”。ストリートをスマートに走るなら、ブランドの世界観にマッチした一本を選びたいですね。

 

サーキット・スポーツ走行派におすすめ

タイムを削る、コーナーを攻める――そんな“走り”にこだわるドライバーにとって、ホイールは戦闘力を左右する重要なパーツです。サーキット派・スポーツ走行派には、軽量かつ高剛性、そして放熱性にも優れたモデルが欠かせません。

BBSなら、超超ジュラルミン鍛造の「RI-D」や、軽量モータースポーツモデル「FI-R」が代表格。F1をはじめとしたレーシングフィールドで培われた技術が凝縮され、精密なバランスとレスポンス性能を発揮します。

RAYSでは「VOLK RACING TE37 SAGA S-Plus」や「ZE40」などが定番。特許鍛造技術“RCF”による高剛性リム構造が、ハードブレーキングや高G旋回時でも確実なトラクションを確保します。

TWSなら「Motorsport RS317」や「T66-F」。超軽量ながら耐久性を損なわず、レースカーからフィードバックされた設計思想で、究極の“走りのための鍛造”を体現しています。

本気で走るドライバーこそ、ホイールのポテンシャルが“走りの余白”を決めるのです。

 

ラグジュアリー志向のオーナーにおすすめ

高級車やプレミアムセダンのオーナーにとって、ホイールは“走り”だけでなく“品格”を映し出す存在です。
BBS・RAYS・TWSの中でも、素材の質感や仕上げの深み、デザインバランスに優れたモデルが、ラグジュアリー志向の方に最適といえます。

BBSでは、鍛造2ピース構造の「LM」や「Super-RS」が代表格。鏡面リムと繊細なクロススポークデザインが、欧州高級車の足元を格調高く引き締めます。

RAYSなら「HOMURA 2x7FT」や「VERSUS STRATAGIA」シリーズ。高級感とスポーティさを融合した造形は、レクサスやクラウンなどの大型セダンに好相性です。

TWSは「Exspur EX-fL Design」や「Reizend WS10」など、シャープで立体感のあるデザインが特徴。ポリッシュ加工の輝きが、昼夜問わず存在感を放ちます。

高級感のあるホイールを選ぶことで、愛車全体が“静かな迫力”をまとい、走るたびにオーナーの美意識が際立つでしょう。

 

まとめ|“見た目”と“性能”のどちらも妥協しない選び方


BBS、RAYS、TWS——どのブランドも日本が誇る鍛造ホイールメーカーであり、それぞれが確固たる哲学と美学を持っています。

BBSはクラフトマンシップが生む精密な造形と高級感、RAYSはモータースポーツ直系の機能美、TWSは洗練されたデザインと最新技術の融合。そのどれもが、“走り”と“スタイル”の理想を形にしています。

ホイール選びで大切なのは、単に見た目の好みだけでなく、自分のカーライフに合った性能と価値を見極めること。サーキットでタイムを削るも良し、街中で美しく魅せるも良し。大切なのは、「自分の車をどう見せたいか」「どう走らせたいか」を明確にすることです。

デザインと性能、どちらかを犠牲にする必要はありません。
自分らしい一本を選ぶことが、愛車と長く付き合うための最良の答えになるはずです。

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