車検を依頼するなら、認証工場と指定工場のどっちがいいの?具体的な違いや特徴、どっちに依頼すべきかの判断基準を徹底解説!

この記事は約 8 分で読めます。

車検を実施する工場には、大きく分けると「認証工場」と「指定工場」の2種類があります。

「具体的にどう違うの?」「車検を依頼するのなら、どっちがいいの?」と思う方が少なくありません。

ライター

どっちに車検を依頼すべきかは、両者の具体的な違いを知った上で、ユーザーさんの状況によって判断されたほうが良いかと思います。

今回は、認証工場と指定工場の具体的な違いや、それぞれの特徴、どっちに車検を依頼すれば良いか?の判断基準についてお話しました。

認証工場と指定工場の違いと、それぞれの特徴

ライター

車検を実施した際に、実施する店舗によって「認証工場」という表記があるところと、「指定工場」といった表記のところがあります。

この認証工場と指定工場って、どこがどう違うのでしょうか?この項目では、それぞれの具体的な違いや特徴についてお話しました。

認証工場とは?

認証工場とは、地方運輸局長から自動車の分解整備整備事業の認証を受けた整備工場のことを指して言います。認証工場では、自動車の特定整備(ブレーキやエンジンなど、その他の装置の分解・整備など)を行うことができます。

認証工場の認証を受けるための条件

①2級整備士がいること
従業員が2~4名の場合、2級整備士が1名
従業員が5~8名いれば、2級整備士が2名

②定められた工場、車両の規模が確保されていること

③指定された機器や備品が確保されていること

④工場所在地、工場に関する法令に抵触していないこと

認証工場の認証を受けるための条件は以上になります。

また、車の分解整備を行うことができる認証工場では、「原動機」、「動力伝達装置」、「走行装置」、「操舵装置」、「制動装置」、「連結装置」というパーツや部品の取り外しや整備、改造を行うことができます。

このような車の整備を行いながら、車検の受付をしている工場も多くあります。

ただ、認証工場に車検を依頼した場合、認証工場は自社の工場で車検を行うことはせず、運輸支局や自動車検査登録事務所(車検場)に車両を持ち込んで、検査を受けます。理由は、認証工場は自社の工場(作業場)には車検を行う機器を保有しておらず、車検を行うことができる検査ラインを保有していないからです。

 

認証工場を示す黄色(関東運輸局の例)

出典:国土交通省 認証工場と指定工場の違い

指定工場とは?

指定工場とは、自動車の整備・点検を地方運輸局長から認められた工場のことを言います。なおかつ工場内で車検を実施できる工場であり、別名「民間車検場」とも呼ばれます。

指定工場になるためには、地方運輸局長による指定を受けなければなりません。指定工場になるための認定基準はとても厳しく、設備の充実度や技術面で認められなければなりません。

指定工場になるための基準

①車検を実施するための作業機器や検査施設の充実

②検査を実施する自動車検査員の配備

 

指定工場を示す青色(関東運輸局の例)

出典:国土交通省 認証工場と指定工場の違い

認証工場と指定工場の違いについて

認証工場と指定工場との具体的な違いを「作業場」「設備」「必要な人材」に分けてまとめてみました。

認証工場 指定工場
作業場 車両整備作業場
点検作業場
部品整備作業場
車両置き場
車両整備作業場
点検作業場
部品整備作業場
車両置き場
完成検査場
設備 点検整備に必要な機器 点検整備に必要な機器
検査に必要な機器
必要な人材 2級整備士がいること
・従業員が2~4名の場合、2級整備士が1名
・従業員が5~8名いれば、2級整備士が2名
自動車検査員が1名いること
2級整備士がいること
工員が4名以上いること
従業員が多い場合、うち1/3以上が1~2級の整備士であること
自動車整備主任者の届け出を提出していること

認証工場と指定工場の具体的な違いは以上の表の通りですが、

・作業場での具体的な違いは、「完成検査場」の有無にあります。車検のための場所があるかどうかの違いです。
・設備面での具体的な違いは、「検査に必要な機器」の有無にあります。やはり車検のために必要な測定機器などを所有しているか否かになります。
・必要な人材での大きな違いは、「自動車検査員」がいるかどうかです。

自動車検査員の業務は、車検を受けた車両が「道路運送車両法」で定めれた基準を満たしているかを検査する「完成検査」を行うことです。自動車検査員がいなければ、工場内で車検を実施することができないのです。

これらが、認証工場と指定工場の具体的な違いになります。

 

車検を受けるなら、認証工場と指定工場のどっちにするかの判断基準

ライター

車検を受けるのなら、認証工場と指定工場のどっちにしたほうが良いのか?の判断に迷った際に、この項目でお話したことを参考にして戴けると幸いです。

僕は、両方で車検を受けた経験がありますが、どっちが良いとは言い切れませんでした。でも、せっかくお金を使って車検を実施するなら、このような判断基準もアリかもしれません。

 

認証工場のメリットとデメリット

認証工場の場合は、車検費用が指定工場に比べて安く設定される傾向があるようです。ただ、認証工場は車検に必要な設備や人材を確保していないこともあり、工場内で車検を実施することができないため、運輸支局や自動車検査登録事務所まで車両を持ち込んで検査を受けなければなりません。

ですので、指定工場で車検を実施するよりも時間を要します。

また、認証工場は指定工場と違い、小規模な家族経営や個人経営の工場が多いので、地元での固定の顧客を多く抱えているかが経営の良し悪しを左右します。口コミ等で、評判が良い工場があれば、車検を依頼してみるのが良いかもしれません。

 

指定工場のメリットとデメリット

指定工場は、工場内で車検を実施する設備や人員を要しているため、工場内での車検実施が可能です。そのため、即日で車検を実施でき、短期で車検を終わらせたい方なら、指定工場に車検を依頼すると良いでしょう。

また、万が一、車検に通らない車両を合格にしたことが発覚した場合、「営業停止」処分になってしまいます。そのため、指定工場のほうが認証工場に比べて検査基準に厳しい傾向にあります。整備不良の車を出さないようにしているため、指定工場は安心だという意見もあります。

それらに対して、チューニングやカスタマイズを施したグレーゾーンな車両は、認証工場のほうが車検にパスしやすい傾向にあります。車検の検査項目の中には、合否の判断基準があいまいなものもあり、そういったグレーゾーンの項目の箇所は、指定工場では不合格になるケースが多いようです。

車高やマフラーなど、改造を施した車は、認証工場のほうが車検には通りやすいのかもしれません。

 

まとめ

ライター

いかがでしたでしょうか?

今回は、大まかに言って、

認証工場と指定工場の違いと、それぞれの特徴
車検を受けるなら、認証工場と指定工場のどっちにするかの判断基準

でしたね。

認証工場と指定工場の具体的な違いはご理解戴けたでしょうか?実際に自分の愛車の車検を依頼するのなら、どっちにするかの判断の参考になれば幸いです。

スポンサーリンク



「大事に乗ってきた愛車を高く売りたい!」 「愛車の売却で損をしたくない!」 と言う方は必見です!