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交通違反には実に様々な種類があります。
このサイトの来て戴いている皆さんは、「一時不停止(一時停止違反)」をしてしまったことはあるでしょうか?

一時停止に関するルールや定義、一時停止に違反した場合の罰則(反則金・違反点数)


不本意ながら、一時停止違反で警察に捕まり、反則金や罰則を受ける方が増加しているようです。
では、一時停止とはどのようなものなのでしょうか?また、罰則(反則金や違反点数)に関して詳しく解説しました。
一時停止とは?一時停止の定義
一時停止に関する交通ルールは、道路交通法(道交法)によって以下のように定められています。
道路交通法 第43条(指定場所における一時停止)
車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。
この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
この場合の「車両等」とは、自動車・原動機付自転車・軽車両・トロリーバスのことを言い、「交通整理が行われていない交差点」とは、3灯式の信号機等が無い交差点や警察官が手信号等で交通整理を行っていない交差点のことを言います。
ここで注意しなければならないのが、「道路標識による停止線の直前」で、道路標識により停止すべきところが指定されているときは、その直前で停止しなければならないということです。停止線がある場合はその直前、停止線が無い場合は交差点の直前で停止することが義務付けられています。
また、踏切での一時停止に関しても以下のような一時停止のルールとなっています。
道路交通法 第33条1項(踏切の通貨)
車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。
ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
出典:e-GOV 法令検索 道路交通法第33条1項(踏切の通過)
踏切での一時停止の場合も、指定場所における一時停止の場合とほぼ同じになります。ただし、後述しますが踏切で一時停止をしなかった場合の罰則は、指定場所における一時不停止に比べて重い処分になることもあり、注意が必要です。
一時停止の標識・道路標示

道路標識は主に、
規制標識警戒標識
案内標識
指示標識
の4つに分類されます。一時停止を知らせる標識は「規制標識」になります。ドライバーに対して禁止事項を知らせるのが目的になるのです。
上記の画像のように、赤地に白文字で「止まれ」と表示された道路標識や、路面に白文字で「止まれ」とペイントされた道路標示がそれにあたります。
一時停止する位置や一時停止する時間(秒数)
一時停止する位置は、先述しました通り道路標識により停止すべきところが指定されているときは、その直前で停止しなければなりません。停止線がある場合はその直前、停止線が無い場合は交差点の直前で停止することが義務付けられています。
また、一時停止する時間に関しては、特に定められたルールがありません。ただし、ほんの1秒停止したぐらいでは、停止したと認めてもらえない場合もあり、警察官が一時停止をしなかったと判断される恐れがあるので、最低2秒停止し、左右と前方の安全確認を行った上で車を発進させるようにしましょう。
一時不停止の罰則(反則金・違反点数)と反則金を納めなかった場合
指定場所と踏切での一時停止違反の反則金・違反点数は以下の通りです。
一時不停止の反則金(指定場所・踏切)
大型車 | 普通車 | 二輪車 | 特種小型車 | 原付 | |
指定場所一時不停止等違反 | 9,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
踏切不停止等違反 | 12,000円 | 9,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 6,000円 |
反則金を納めなかった場合
なお、上記の反則金を納めなかった場合は、3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科され、さらに過失の場合は10万円以下の罰金が科されることとなります。
一時不停止の違反点数(指定場所・踏切)
一時不停止の違反点数は、それぞれ2点になります。
一時不停止(一時停止違反)が原因で人身事故を起こした場合
一時不停止(一時停止違反)は、比較的軽微な交通違反であり、それだけで刑事罰に問われることはありません。しかし、一時不停止(一時停止違反)が原因で人身事故を起こしてしまった場合は、「過失運転致死傷罪」などに問われ、懲役または罰金などの罰則を受ける可能性があります。
また、免許停止や免許取消などの行政処分も下される可能性があります。
自転車も一時不停止違反になる!
自転車の違反に対する目が厳しくなってきているのはご存じだと思います。
自転車で一時停止の標識に従わなかった場合は、道路交通法違反となり、罰則として懲役または罰金が科されます。また、運転免許証の違反点数の対象となります。
【罰則】
3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される過失の場合は10万円以下の罰金が科される
【違反点数の影響】
人身事故に至らなくても、一時停止を無視した交通事故では2点の減点となります。一時不停止(一時停止違反)により責任の重い重傷事故を起こした場合は、一時停止違反の2点に加え責任の重い重傷事故の付加点数の9点の合計11点となり、免許停止処分に該当します。
【自転車の交通違反に対する取り締まり】
自転車の危険行為には「赤キップ」が切られています。自転車の運転中に一定の危険な違反行為を3年間に2回以上起こした場合、都道府県公安委員会により「自転車運転講習」を3ヵ月以内に受講する命令が来ます。
一時不停止(一時停止違反)は、先述したとおり比較的軽微な交通違反ですが、一時停止の停止線では必ず停止するように心掛け、左右と前方の安全確認をしっかり行ってから車を発進させるようにしましょう。
一時不停止(一時停止違反)の取締り件数と、一時不停止(一時停止違反)で違反にならないための対策


交通違反の件数は減っても、増加傾向にあるのが「一時不停止(一時停止違反)」という2020年の警察庁のデータがあります。何とも情けない限りです。
この項目では、一時不停止(一時停止違反)の取締り件数のデータと、一時不停止(一時停止違反)で違反をしないための対処法についてお話しました。
一時不停止(一時停止違反)の取締り件数は、直近10年間で最も増加傾向!

一時不停止(一時停止違反) | 1,604,972 |
最高速度違反 | 1,162,420 |
通行禁止違反 | 750,950 |
信号無視 | 635,485 |
携帯電話使用等 | 309,058 |
追越し・通行区分 | 210,240 |
駐(停)車違反 | 191,127 |
踏切不停止等 | 95,684 |
免許証不携帯 | 53,739 |
整備不良車運転 | 24,344 |
酒酔い・酒気帯運転 | 22,458 |
無免許運転 | 19,225 |
積載違反 | 13,391 |
上記のグラフをご覧になって戴ければわかりますが、令和2年中における車両等の道路交通法違反(点数告知に係る違反を除く)の取締り件数は、575万1,798件で、突出して違反件数が高かったのが「一時不停止(一時停止違反)」だったことが報告されています。
一時不停止(一時停止違反)は、比較的軽微な違反とされてはいますが、一歩間違えば人身事故につながる危険性を大いにはらんでいます。とても深刻な問題です。
では、どのようにすれば一時不停止(一時停止違反)が減少するのでしょうか?
納得がいかない場合は、不服申し立てという手段もあるが…
一時不停止(一時停止違反)で、警察に捕まった経験がある方もいらっしゃるかと思います。納得がいかない場合は、不服申し立てという手段もあります。インターネットで検索をしますと、弁護士さんのサイトが発信する記事で、不服申し立てのやり方やノウハウが書いてあったりします。
これは、よっぽど一時不停止(一時停止違反)で捕まったドライバーが、「ちゃんと停止したつもりなのにどうして!」といった具合に、一時不停止(一時停止違反)に納得がいかない方が多いのでしょう。
ただ、「自分は絶対に違反していない!」という自信がよっぽど無いと、不服申し立てといった手段を講じるのは慎んだほうが良いかもしれません。
その理由は、あるニュースで、女性が一時不停止(一時停止違反)で警察に捕まった際に、検問での動画を見せてもらい「確かに完全に停止していない!」という自分の様子を動画で見たというのが報道されていました。今現在は、警察も動画で撮影をし、証拠にしているのです。
ドライバ―側である我々もそうですが、警察も面倒なことはできるだけ避けたいのが心情です。余計なことでドライバーと揉めて、無駄な時間を使いたくないのは同じなのです。
一時不停止(一時停止違反)で違反にならないための対処法
自分はしっかり停止したつもりであっても、ほんの1秒ぐらい停止した程度では、車は動いていたという可能性もあります。しっかり2秒以上停止して確実な停止を心掛けるようにして下さい。
交通違反に「停止したつもり」は通用しません。安全運転を心掛けて絶対に事故をしないという心構えは必要です。それとともに、確実に停止したと認めてもらえるよう、必ず2秒以上停止し、左右と前方の安全確認をしてから車を発進させるようにしましょう。
僕もそうですが、朝の通勤で車の運転をする方は特に遅刻しないように焦ってしまうのは理解できます。でも、違反をして捕まってしまっては何にもなりません。だからこそ時間と心に余裕を持って、運転をするように心掛けましょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って、
●一時停止に関するルールや定義、一時停止に違反した場合の罰則(反則金・違反点数)
●一時不停止(一時停止違反)の取締り件数と、一時不停止(一時停止違反)で違反にならないための対策
でしたね。
一時不停止(一時停止違反)は、増加傾向にあります。その原因は、この違反自体が軽微な違反だというドライバー側の油断や奢りがあるのかもしれません。
どんな軽微な違反であっても、その油断が大きな事故につながることには違いありません。ドライバーの自覚として、丁寧な運転を心掛け、時間と心に余裕を持ったドライブをするようにして下さい。
僕もこの記事を書きながら、「自分こそしっかりした運転をするぞ!」と自分を戒めるようにしています。
一時停止すべき場所や位置、停止時間などがきちんと理解できていないまま運転してしまいますと、一時不停止(一時停止違反)で罰せられる可能性があります。
通勤でいつも通るような慣れた道ほど、油断して運転がおろそかになりがちです。今回は、一時不停止(一時停止違反)のルールや定義、違反した際の罰則、違反してしまわないような有効な対策についてお話しました。
しっかり理解して、安全運転にお役立て戴ければ幸いです。