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僕には、とても気になる車がありました。
マツダのスポーツカー、NDロードスターです。実際に試乗すると決めると、従来のソフトトップモデルか2.0Lエンジンを積んだRFか迷いました。
初代モデルからブレない！「人馬一体」を感じる車づくり
・グレード：RF/VS
・ボディカラー：スノーフレイクホワイトパールマイカ
マツダ・ロードスターは、僕がまだ若い頃の1989年の初代誕生以来、「人馬一体」というブレないコンセプトの元、改良・進化をしてきました。
僕自身、マツダ・ロードスターは、若い頃に友人が初代ロードスターを所有しており、それを運転させてもらったことがある程度ですが、試乗してみて感じたことを率直にレビューしてみました。
ビッグパワーではないが、十分なトルクとスムーズな吹き上がりの2.0Lエンジン
ソフトトップモデルの1.5Lエンジンより大幅に排気量アップされたRF専用の2.0Lエンジンは、決してビッグパワーではありませんが、車重の軽さと相まって十分なトルクとパワーを感じることができました。
4発のDOHCエンジンは、ライトウェイトスポーツにありがちな暴れるかんじではなく、スムーズな吹き上がりです。まるで6気筒のようなまではいきませんが、スムーズなテイストのエンジンで、多少驚きました。
これは、ソフトトップモデルの1.5Lエンジンには無い特性であり、「大人のスポーツカー」と言ったところでしょうか？とにかく乗り味がスムーズで乗りやすいのです。
RFのエンジンは、他社の同クラスの排気量のスポーツカーに比べると、マイルドに作られている気がしました。スポーツカーのエンジンにありがちなショートストロークの太いシリンダーのエンジンとは違うのです。
1.5Lのソフトトップモデルが、本来の「元気に走るロードスター」であるならば、RFは「ゆったりと大人のロードスター」と言ったところでしょうか。
試乗した場所が街中だったせいかもしれませんが、試乗の場所がワインディングや高速道路のようにスピードを出せる場所であったなら、もう少し違うドライブテイストを感じたかもしれません。
ロードスターRFは、ソフトトップモデル共に、「一日レンタル」の試乗メニューもあるようですので、是非箱根などのワインディングで試乗してほしいものです。
クラッチは重めではあるが、決して疲れない！
クラッチを踏んでみて感じたのは、意外に重いのです。この重さは、昔、当時の愛車の31スカイラインのクラッチをツインプレートにして強化していたときのクラッチより重く感じました。
でも、実際にドライブしてみて、繰り返しクラッチを踏んでいても、脚は疲れないのです。とても上手に作っているなと思いました。マニュアルのシフトのストロークも、丁度良い塩梅で操作感が良いのです。
マイルドでスムーズなコーナリングが楽しめるアシンメトリックLSD
RFの6MT（6速マニュアル）車に標準装備されている「アシンメトリックLSD」※は、コーナーでの車の動きをとてもスムーズに変えます。
昔の機械式のLSDにありがちなバタつき感がほとんど無いのです。とてもマイルドでスムーズなのです。これはFR好きのユーザーにとっては、却って物足りなさを感じるところかもしれません。ガチガチっとLSDが効いているほうが好きだというユーザーも多いのですが、これはこれで乗りやすいでしょう。
FR車が少なくなった昨今、FR車に乗り慣れていないユーザーが多い中、ワインディング走行を気軽に楽しむことができる車づくりができているのだと思うのです。
※アシンメトリックLSDとは？
アシンメトリックLSDとは、加速時と減速時で左右輪の作動制限力を変化させることで、コーナリング時の安定性と爽快感を両立させたLSDのことです。
特に減速時のLSD効果を強めることで、旋回時の安定性を向上させつつ、爽快なハンドリングを実現します。
ハンドリングの良さも申し分なし！
ロードスターは昔から、曲がりやすい車なのが特徴です。
ダブルウィッシュボーンのリヤサスペンションが、しっかりとタイヤのトラクションを効かせ、ショートホイールベースと相まって、よく曲がりハンドリングが抜群なのです。
後輪駆動で、オシリの下にタイヤがあるダイレクト感は、なかなか他の車種では味わうことができないでしょう。
どっちを買うか？ソフトトップモデルとRFとの共通点と具体的な違いとは？
ロードスターRFの試乗に行く前に、僕がチャンネル登録をしているYouTubeのチャンネルで、ロードスターRFの勉強をして試乗に臨みました。
その際に、ソフトトップモデルに追加でRFを出す際にメーカーがこだわったことが、
1.軽量・コンパクトなこと
2.ホイールベースを変えない
3.荷室を犠牲にしないこと
だったそうです。この項目では、それらの要素を中心にソフトトップモデルとRFとの共通点や具体的な違いを比較してみました。
排気量と出力の比較
| ソフトトップモデル（グレード：Ｓレザーパッケージ） | RF（グレード：VS） | |
| 型式 | 5BA-ND5RE | 5BA-NDERE |
| 総排気量（CC） | 1,496 | 1,997 |
| ボア×ストローク | 74.5×85.8 | 83.5×91.2 |
| 圧縮比 | 13.0 | 13.0 |
| 最大出力 KW(PS)/rpm | 100（136）/7,000 | 135（184）/7,000 |
| 最大トルク N・m（kgf・m）/rpm | 152(15.5)/4,500 | 205(20.9)/4,000 |
RFは、従来のソフトトップモデルから2.0Lに排気量アップしたことで、トルクやパワーが大幅にアップしています。
ボア×ストロークが上がっても、圧縮比はソフトトップモデルもRFも同じ13.0となっています。だから、同じようなエンジンの造りかと思いきや、1.5Lと2.0Lではテイストは全く違うのです。数字上ではわからない特性ですね。
最大出力は、全く違います。ソフトトップモデルは、ライトウェイトスポーツらしい馬力ですが、RFのほうはひと昔前の2.0Lクラスの国産ターボ車と変わらないほどの馬力となっています。NA（自然吸気）のエンジンでリッターあたり100馬力近く出せるあたりは近年のエンジンでは珍しくはありませんが、軽量ボディにこの馬力は、とても強力ではないでしょうか。
サイズや重量の比較
| ソフトトップモデル（グレード：Sレザーパッケージ 6MT） | RF（グレード：VS 6MT） | |
| 全長×全幅×全高 | 3,915×1,735×1,235 | 3,915×1,735×1,245 |
| 室内寸法（長さ×幅×高さ） | 940×1,425×1,055 | 940×1,425×1,040 |
| ホイールベース | 2,310 | 2,310 |
| トレッド 前/後 | 1,495/1,505 | 1,495/1,505 |
| 最低地上高 | 140 | 145 |
| 乗車定員 | 2名 | 2名 |
| 車両重量 | 1,030 | 1,110 |
ボディサイズは、ソフトトップモデルもRFもほとんど変わらず同じサイズです。ただ、車両重量は、開閉するハードトップ（ルーフ）の重さの分やエンジンが大きくなった分、80kgだけRFのほうが重くなっているぐらいです。これは仕方がありませんね。
でも、大きさ的にほとんどソフトトップモデルと変わらないボディを2.0Lエンジンで走ると、相当のパワーやトルクの差を感じるはずです。その分だけ余裕があると言ったところでしょう。
タイヤ・ホイールサイズの違い
| ソルトトップモデル（グレード：Ｓレザーパッケージ 6MT） | RF（グレード：VS 6MT） | |
| ホイールサイズ | 16インチ×6.5J | 17インチ×7J |
| タイヤサイズ | 195/50 R16 84V | 205/45R17 84W |
タイヤ・ホイールは、RFになると一回り大きい17インチとなっています。エンジンが大きくなってパワーやトルクが大きくなる分、そこは、パワー相応のサイズ上のタイヤ・ホイールサイズとなります。
RFのルーフの開閉は13秒！
RFのルーフの開閉は開くのも閉まるのも約13秒です。担当の営業マンが開くのを見せてくれたのですが、とてもスムーズにゆっくりと開閉するので、どこか上品ささえ感じてしまいました。
ひと昔前の他の車種のハードトップのようにガチャガチャしていないところが良いですね。
ヨーロピアンテイストの上質な室内は、ソフトトップモデルもRFも共通！
上の画像は、RFの室内です。
ナッパレザーをふんだんに使ったシートやセンターコンソール、ダッシュボードはとても優雅でヨーロピアンテイストとなっています。
他の車種でもそうなのですが、マツダはこのようにインテリアを作るのがとても上手だと感心してしまいます。決してゴテゴテにならず、上品で質感の高いインテリアを作っているのです。
その他、チェーンステッチを施したシフトノブとサイドブレーキレバーも、とても握りやすく、ドライバーが運転に集中できるように工夫されています。
位置的にも、ハンドルから手を降ろしたところにシフトノブとサイドブレーキがあるので、ドライブしやすい設計になっているなと思いました。
旧モデルからの乗換えユーザーはソフトトップ、トルク・パワーが欲しいユーザーはRF！
ロードスターは、旧モデルからの乗換えユーザーが多いようです。
ただ、旧モデルのユーザーは、そのほとんどがソフトトップモデルを選ぶそうです。やはり、ライトウェイト独特のテイストが気に入っているのでしょう。基本軸はブレないまま、技術面では進化を遂げてきたロードスターだからかもしれませんね。
また、1.5Lじゃトルクやパワーが不満であっても、ロードスターのハンドリングは気に入っているというユーザーはRFを選ぶのでしょう。僕も買うのなら、パワーやトルクのあるRFを選ぶでしょう。
NDロードスターRF ギャラリー
まとめ
いかがでしたでしょうか？
今回のお話は、大まかに言って、
●初代モデルからブレない！「人馬一体」を感じる車づくり
●どっちを買うか？ソフトトップモデルとRFとの共通点と具体的な違いとは？
●NDロードスターRF ギャラリー
でしたね。
発売当初はイマイチだった売れ行きが、ここにきて好調だというロードスターですが、初代からブレていない車へのコンセプトがロードスターファンのハートをつかんで離さないのでしょう。
僕も、試乗してみて、とても欲しい車の一つになりました。
ソフトトップモデルとRFでは、同じようであっても車のテイストが全く違います。購入をご検討されている方は、従来のソフトトップモデルとRFの両方を乗り比べてみて、ご自分の考えに合う方を選べば良いかと思います。
本当は両方とも試乗したかったのですが、「大は小を兼ねる」と言うことで（どういうことやねん！）、2.0Lエンジンを積んだRFに試乗することにしました。
でも、購入を検討されている方は、面倒くさがらずに両方試乗することをおすすめします。
今回は、ロードスターRFの試乗記の記事になります。参考になれば幸いです。