鍛造ホイールと鋳造ホイールの違いや、それぞれのメリット・デメリット、どちらを選べば良いかの判断の仕方を徹底解説!

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車のアルミホイールは、車のドレスアップの最適なアイテムです。

ドレスアップだけではなく、ホイールは車の機能性を左右する大事なアイテムでもあるのです。ただ、よく「鍛造ホイール」と「鋳造ホイール」と言う言葉を耳にするかと思います。

この「鍛造」と「鋳造」ってどういう意味なのでしょう?また、鍛造と鋳造の違いって何なのでしょうか?

ライター

アルミホイールには大きく分けて「鍛造ホイール」と「鋳造ホイール」があります。今回は、その両者の違いや、それぞれのメリット・デメリット、また、どちらを選べば良いかの判断のしかたについてお話しました。

あなたの愛車のホイール選びの参考になれば幸いです。

アルミホイール 鍛造ホイールと鋳造ホイールの違いや、それぞれのメリット・デメリット

ライター

車をカッコよくドレスアップするアイテムで、外すことのできないアルミホイールですが、大きく分けると「鍛造ホイール」と「鋳造ホイール」の2タイプがあります。

でも、それらの違いやメリット・デメリットとは何なのでしょうか?この項目では、鍛造ホイールと鋳造ホイールの具体的な違いや、見分け方、それぞれのメリット・デメリットについてお話しました。

 

鍛造ホイールとは?

鍛造ホイールとは、読んで字のごとく「鍛えて造る」と書いて「鍛造(たんぞう)」と読みます。製造方法もまさにその通りで、アルミ素材や合金の塊を高圧プレス機にかけて成型します。その結果、アルミ粒子がホイールの形状に伸び固められて成型されるため強いわけです。

また、鍛造で成型すると軽量に仕上げることができます。

まさに鍛えて造るわけですが、その鍛えられたアルミを切削して造られるのが鍛造ホイールです。

鍛えて固められたアルミ素材を切削機で削り出してホイールを造るわけですから、その技術がとても高度であり、かつてはデザインに制限がありました。

ただ、近年は、その切削技術が大きく進歩を遂げ、実に様々なデザインのホイールを成形するのができるようになったのです。

 

鍛造ホイールのメリット・デメリット

鍛造ホイールは、その製造方法の特徴から、強くて軽いアルミ素材で鋳造ホイールに比べて同等かそれ以上の強度を出すことができます。

鍛造ホイールと鋳造ホイールでは、同じ強度だと鍛造ホイールのほうが軽量にできるのです。それらの特徴から、スポーツカーやレーシングカー(競技用車両)、高級車などの大径ホイールや扁平タイヤを履く車に採用されることが多いホイールです。

メリット デメリット
・厚みを薄くできて、軽くて強い
・大径のホイール(近年は20インチ以上のサイズ)を造ることができる
・コスト(価格)が高くなってしまう
・デザインの自由度が鋳造ホイールに比べて低い

 

鋳造ホイールとは?

鋳造ホイールは、製造方法の一つで、ホイールを成形する金型に、どろどろに溶かしたアルミ合金を流し込み、それをプリンのように冷やし固めて造るホイールです。

鋳造に使用する金型のことを鋳型(いがた)と呼び、鋳造して作った製品を鋳物(いもの)を呼んだりします。

低圧鋳造(LP型)と、重力鋳造(グラヴィティ鋳造)の両方があります。

 

鋳造ホイールのメリット・デメリット

鋳造ホイールのメリットは、製造そのものに手間や時間がかからないため、製造コストを下げることができます。そのため大量生産に適しています。

ただ、問題なのは、強度を出すためには、アルミの厚みが必要であるため、軽量化するのが困難です。

メリット デメリット
・製造コストが安い
・大量生産が可能
・デザイン性の高いホイールを造ることができる
・製造工程の中で、「巣」と呼ばれる気泡のような空洞や穴ができてしまうことがある
・鍛造ホイールと比べると強度が低い
・強度を出すために厚みが必要なので、軽量化が困難

 

余談ではありますが、実は、最近経営破綻したことが発表されたドイツBBS社(BBS Autotechnik GmbH)は、「鋳造ホイール」の製造を行っており、日本に企業がある「BBS JAPAN」とは、資本関係は一切ないということです。

 

鍛造ホイール・鋳造ホイールの見分け方

 

刻印が凹型か凸型かで見分ける

鍛造ホイールと鋳造ホイールを見分ける際は、ホイールの裏側のサイズなどが表記された刻印を見ると一目でどちらかを確認することができます。それは、上の画像は鋳造ホイールです。

鋳造ホイールの刻印は、凸型になっています。

また、画像がありませんが、鍛造ホイールの刻印は鋳造ホイールの逆で、凹型になっています。

理由は、製造方法の違いによるものであり、成形する金型に溶かしたアルミ素材を流し込み、冷やし固めて造る鋳造ホイールは、その特徴から刻印が自由に凹凸を付けることができるため、凸型になり、鍛造ホイールの場合は、アルミ素材を叩いてつくるため、凸型をつくるのが難しいことから凹型の刻印になるという訳です。

 

「FORGED」か「CAST」の表記で見分ける

ホイールのどこかに、「FORGED」か「CAST」の表記がある場合もあります。

「FORGED」と「CAST」の表記の意味
・「FORGED」…鍛造 鍛造ホイール:英語でForged Wheels(フォージド・ホイール)
・「CAST」…鋳造 鋳造ホイール:英語でCasting Wheels(キャスティング・ホイール)

 

未化粧部分がツルツルか?ザラザラか?で見分ける

鍛造ホイール:未化粧部分がツルツル
鋳造ホイール:未化粧部分がザラザラ

これらの理由は、鍛造ホイールと鋳造ホイールの製造工程の違いによって、未化粧部分がツルツルだったりザラザラだったりする違いがでてきます。

鍛造ホイールの場合、アルミ素材を圧縮したり叩いてプレスして形成されたあと、それを切削機で削ってホイールを成形していくため、ホイールの裏側などでもツルツルになりますし、鋳造ホイールのように溶かしたアルミ素材を型枠に入れて冷やし固めると未化粧部分は、ザラザラになるという訳です。

 

鍛造ホイールと鋳造ホイールのどちらを選ぶかの判断基準について

ライター

ホイールを社外品のアルミホイールに交換する際に、迷うのが、「鍛造」か「鋳造」かの判断です。

どちらにすれば後悔しないかは、そのオーナーさんの車との付き合い方や、ホイールへの考え方で決まると僕は考えています。

この項目では、鍛造か?鋳造か?のどちらにするかの判断の仕方についてお話しました。

 

剛性や軽さ、車のパフォーマンスアップであれば鍛造を選びたい!

スポーツカーや、高級車の純正ホイールのメーカーオプションなどに採用されているのは、鍛造ホイールであることが目立ちます。

最近では、BBSやRAYSなどの有名メーカーの鍛造ホイールを、メーカーオプションに採用する車種が増えてきました。理由は、鍛造ホイールは、その性質が剛性の高さに優れ、車のパフォーマンスアップに欠かせないアイテムであることが覗えます。

特にステアリングレスポンスが重要視されるスポーツカーでは、「バネ下重量」の軽減が、その車のパフォーマンスアップのための重要な要素とされています。

インチアップによってハンドルが重くなったり乗り心地が悪くなるのはバネ下重量に原因がある!

今、あなたの愛車に装着されているホイールが鋳造ホイールであるなら、鍛造ホイールに交換することは、「バネ下重量」の軽減が手っ取り早くできる最適の方法と言えるでしょう。

僕の過去の例をお話しますと、JZZ30ソアラ(3代目ソアラ)に乗っていた時、ホイールを外品に交換しようと、タイヤ・ホイールの量販店に行きました。そこで意気投合した若いスタッフの方に、「ホイール変えるなら絶対鍛造がいいですよ!」と勧められるままに、半信半疑で高価なRAYSのVOLKRACINGのホイールに換えました。

換えてみて、ハンドルの軽さや発進時のスムーズさに驚いたものです。それまで「ホイールなんてカッコ良ければいい!」としか考えていなかった僕に影響を与えてくれた体験だったのです。

それ以来、ホイールは、車のパフォーマンスアップのための重要なアイテムだと強く信じるようになりました。

 

燃費の良さは、鍛造ホイールが圧倒的に良い!

鍛造ホイールが、バネ下重量の軽減に効果的なことは、先述した通りです。

バネ下重量が軽減するということは、燃費にも大きく影響します。当然、バネ下重量が軽いほうが、燃費が低燃費になります。

走りが変わる!燃費が変わる!30プリウス(3代目プリウス)に鍛造ホイールを履かせるメリット・効果とおすすめの鍛造ホイールを多数ご紹介!

特にハイブリッドカーの場合のバネ下重量の重さ軽さは、低燃費タイヤ同様、タイヤの転がり抵抗性能に大きく影響するからです。

 

とにかく安さで選びたいなら鋳造ホイール!と「フローフォーミング製法」にも注目!

ホイールの機能は二の次でいいから、とにかくデザイン性が高くカッコ良くて、とにかく価格の安いホイールが欲しい!のであれば、鋳造ホイールが良いでしょう。

ただ、近年は、SSR(タナベ)のホイールのように、フローフォーミング製法と言って、鋳造と鍛造の良いとこ取りをした製法も出てきています。

そのフローフォーミング製法をさらに高度化した新技術である「FFTーR製法」と言った、造形の自由度の高い鋳造製法をベースにして、リム部分をスピニング(圧延)成型する製造方法も出てきています。

 

早いサイクルで車の買い替えをするのなら、鋳造ホイール

車の買い替えのサイクルが早い方は、鋳造ホイールを選んだほうが無難であると僕は考えます。

理由は、アルミホイールのサイズは、インチやリム幅のほかに、P.C.Dが今乗っている車と次の車では違っていたり、インセット(オフセット)が異なるからです。異なるサイズのホイールを取り付けることはできないからです。

鍛造ホイールは、鋳造ホイールに比べると高価です。すぐに乗り換える車に高価な鍛造ホイールを取り付けても、次の車には取り付けることができない可能性があるからです。

 

今の車を長く乗るのなら鍛造ホイールを選びたい!

今、あなたが所有している車に相当な愛着があり、「ずーっとこの車に乗り続けたい!」と考えているのであれば、鍛造ホイール一択だと思います。

鍛造ホイールの採用は、これからの長い間、あなたの愛車の乗り心地やステアリングレスポンス、そして燃費に大きく影響するからです。

その間のあなたが愛車に使う使うガソリン代、乗り心地、そしてあなたの愛車への愛着度に大きく影響することでしょう。そして、鍛造ホイールを選んで良かったと心から思えることだと考えます。

 

まとめ

ライター

いかがでしたでしょうか?

今回のお話は、大まかに言って、

アルミホイール 鍛造ホイールと鋳造ホイールの違いや、それぞれのメリット・デメリット
鍛造ホイールと鋳造ホイールのどちらを選ぶかの判断基準について

でしたね。

鍛造ホイールと鋳造ホイールの違いやメリット・デメリットはご理解戴けましたでしょうか?

鍛造も鋳造も、どちらも長所と短所があります。今回のお話が、あなたのカーライフに合わせたホイール選びの参考になれば幸いです。

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