EV・電気自動車向け自動車保険|バッテリー事故は補償される?

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EV(電気自動車)の普及が進むなか、「もし事故でバッテリーが損傷したら保険で直せるの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

エンジン車とは構造も補償リスクも異なるEVは、バッテリー交換に数十万円〜100万円超かかるケースも珍しくありません。実際、保険会社によってはEV向けの専用特約を設けている場合もあります。

この記事では、

EVのバッテリー事故は保険で補償されるのか?
EV専用プランを用意している保険会社は?
バッテリー以外に気をつけたいEV特有のリスク

といったポイントを、わかりやすく解説します。
「バッテリーが心配で保険料が高くなるのでは?」という疑問にもお答えしますので、EVオーナーの方はぜひ最後まで読んでみてください。

なぜEVの保険は注意が必要なのか?

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電気自動車(EV)は、走行時の静粛性や環境性能の高さが魅力ですが、保険の面ではガソリン車とは異なる注意点があります。特に、バッテリーやモーターといった専用部品が多く、修理費用が高額になりやすいのが特徴です。

「同じ車両保険で大丈夫だろう」と思っていませんか?実はそれが落とし穴。万が一のトラブル時に補償されないケースもあるのです。

この記事では、EVならではのリスクと、保険選びで押さえるべきポイントを詳しく解説します。

バッテリーの修理・交換費用が高額


EVの心臓部ともいえるバッテリーは、最も高額な部品のひとつです。もし事故やトラブルで損傷してしまった場合、その修理・交換費用は数十万円〜100万円以上に及ぶことも珍しくありません。

また、バッテリーは高電圧構造のため、専門の整備工場でしか修理できず、作業工賃も高くつく傾向があります。しかも、車両保険の内容によってはバッテリー損傷が「補償対象外」となるケースもあるため注意が必要です。

「電気系のトラブルは対象外」と明記されている契約もあり、加入前に約款を確認することが大切です。万一の出費を防ぐためにも、EV専用の補償オプションや車両保険特約の有無をチェックしておきましょう。

 

車両保険でバッテリー損傷はカバーされる?

EVのバッテリーは高価でありながら、従来の車両保険ではすべての損傷が補償されるわけではありません。基本的に「事故や災害による外的要因」で壊れた場合は保険金の対象になりますが、経年劣化や自然放電、使用上のトラブルなどは補償外とされるケースが多いです。

また、火災や水没によってバッテリーが損傷した場合でも、保険会社によっては「バッテリー単体の損害は除外」と約款に明記されていることがあります。つまり、同じ“車両保険”でも契約内容によってカバー範囲が大きく異なるのです。

安心のためには、EVに特化した補償内容を持つ保険や、「電装系統の損害」を対象とした特約の有無を確認しておくと良いでしょう。

 

火災・水没時の補償範囲も要チェック


EVは電気系統が多いため、火災や水没による被害はガソリン車以上に深刻になりやすい傾向があります。特にバッテリーが損傷すると発火の危険性が高まり、修理不能になるケースも少なくありません。

その一方で、火災・水没時の補償内容は保険会社によって異なり、自然災害特約や車両全損時の補償範囲が限定されている場合もあります。たとえば、豪雨や台風での冠水被害が「免責対象」とされる契約も存在するため注意が必要です。

万が一に備えるなら、自然災害や電気系統の損害も対象となる車両保険プランを選ぶことが安心につながります。

 

EV専用プラン・特約を用意する保険会社

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近年、EVの普及に合わせて各保険会社が電気自動車向けの専用補償プランを次々に打ち出しています。

従来の車両保険ではカバーしきれなかった「バッテリー損傷」や「充電設備のトラブル」にも対応する特約が登場し、EVオーナーにとって心強い選択肢が増えています。

ここでは、代表的な3社──三井住友海上・東京海上日動・ソニー損保/イーデザイン損保──の取り組みを比較しながら、どんな補償内容が用意されているのかを見ていきましょう。

三井住友海上「EV補償特約」

三井住友海上では、EVオーナー向けに「EV補償特約」を用意しています。

この特約は月々わずか50円ほどで加入できる手軽さながら、バッテリー損害補償・車両搬送中のトラブル費用・充電設備の修理費用といったEV特有のリスクを幅広くカバーします。

たとえば、事故や災害でバッテリーが故障した場合には、修理・交換費用の最大95%を補償。また、搬送中の車両火災や転落事故での損害も最大20万円までサポートされます。

さらに、自宅や外出先の充電器にトラブルが生じた場合も、修理費用を最大10万円まで補償。まさにEVユーザーに寄り添った内容と言えるでしょう。

 

東京海上日動「電動車両専用補償」

※画像は独自で生成したものです。実際のものと類似していないことがあります。

東京海上日動では、電気自動車やプラグインハイブリッド車を対象にした「電動車両専用補償」を提供しています。
この補償では、高電圧バッテリーやモーター、インバーターなどのEV特有部品を事故・火災・水没などの損害から守る内容が特徴です。

また、走行不能時にはレッカー移動費や充電切れ時のロードサービスも対象となり、万が一のトラブルにも手厚く対応。さらに、自然災害による損害も自動的にカバーされるため、予期せぬリスクに備えた安心設計となっています。

EV・PHEVオーナーにとって、東京海上日動の補償は「総合的な安心」を得られる選択肢といえるでしょう。

 

ソニー損保・イーデザイン損保の対応


ネット型自動車保険を展開するソニー損保やイーデザイン損保でも、EVに対応した補償内容が整備されています。

ソニー損保では、車両保険でバッテリーやモーターなどの電装系損傷を補償対象に含むほか、自然災害による損害にも対応。事故や故障で走行不能になった場合のロードサービスも、EV特有のトラブル(バッテリー上がり・充電切れなど)に対応しています。

一方のイーデザイン損保では、専用の「走行不能時サポート」や「自然災害補償」を通じて、EV利用者の利便性を高めています。

両社ともオンライン契約が主流のため、手続きもスムーズ。コストを抑えつつ、EVならではのリスクをカバーしたい人におすすめの選択肢です。

 

バッテリー以外に注意したいEV特有リスク

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EVのリスクはバッテリーだけではありません。実は、電動化によって新たに発生したトラブルや修理コストが存在します。モーターや制御装置、充電設備など、従来のエンジン車にはない構造が原因で思わぬ修理費がかかることも。

さらに、故障時には整備できる工場が限られるため、修理期間が長引くリスクも避けられません。ここからは、EVオーナーが見落としがちな“バッテリー以外”の注意点について詳しく見ていきましょう。

充電設備の事故・漏電トラブル


EVの普及に伴い、自宅や商業施設に設置される充電設備のトラブルも増えています。特に注意したいのが、漏電やショートによる火災事故。雨天時や湿気の多い環境での使用、劣化したケーブルの取り扱いミスなどが原因になることがあります。

また、充電中に車両と設備の間でトラブルが起きた場合、どちらの保険が適用されるのか判断が難しいケースもあります。たとえば、自宅の充電器が原因なら火災保険、商業施設での事故なら施設側の賠償責任保険が関係することも。

そのため、EVオーナーは車両保険だけでなく、住宅側の電気設備に関する補償内容も見直しておくことが大切です。

 

自動運転支援機能の誤作動リスク


近年のEVには高度な自動運転支援システムが搭載されていますが、センサーの誤認識やソフトウェアの不具合によるトラブルも報告されています。たとえば、前方車両を誤って認識し急ブレーキが作動したり、道路標識を誤検出して速度制御が乱れるケースなどが挙げられます。

こうした誤作動によって事故が発生した場合、運転支援中であっても最終責任はドライバーにあるとされるのが一般的です。そのため、保険会社によっては「運転操作ミス」とみなされ、補償が制限されることもあります。

自動運転機能を活用する際は、常に周囲を確認しながら走行し、誤作動を想定した運転姿勢を保つことが重要です。

 

修理対応できる整備工場の限定


EVの構造はガソリン車と大きく異なり、モーターや高電圧系統など専門知識が必要な部分が多いため、どの整備工場でも対応できるわけではありません。特に地方では、EV専用設備を持つ整備工場がまだ限られており、修理までに数週間かかることも珍しくありません。

また、車両保険を使う場合でも、提携先が限られているため修理先の選択肢が狭いのが現状です。もし契約前に「EV対応工場」の数や地域分布を確認せず加入してしまうと、トラブル時に不便を感じる可能性があります。

EVオーナーは、保険会社が指定する整備工場がEV専用設備を持つ認定工場かどうかを事前に確認しておくことが重要です。

 

まとめ|EV時代の保険は“専用補償”で安心を


電気自動車の普及が進むなか、従来の自動車保険ではカバーしきれないリスクが増えています。
バッテリー損傷や充電設備トラブルなど、EVならではのリスクを想定した「専用補償」への見直しは、これからのカーライフに欠かせません。

特に、バッテリーや電装系トラブルは修理費用が高額化しやすく、修理期間も長引く傾向にあります。保険会社ごとに補償内容や特約の範囲が異なるため、加入前に細部をしっかり確認しておきましょう。

これからEVに乗る方、すでに乗っている方も、“専用補償”を意識した保険選びが安心の第一歩です。
次世代のクルマには、次世代の補償を──あなたのEVライフを守るために。

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