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自動車保険のロードサービスとは?

自動車保険に付帯するロードサービスとは、走行中のトラブルに備えるためのサポート機能です。
突然のバッテリー上がりやタイヤのパンク、ガス欠、事故による走行不能など、予期せぬトラブルが発生した際に、現場までスタッフが駆けつけて応急対応やレッカー搬送を行ってくれるのが特徴です。
近年では、基本的な搬送サービスだけでなく、ガソリン配達・キー閉じ込み対応・宿泊費の補償など、契約者の負担を最小限に抑えるためのサポート範囲が広がっており、保険選びにおける重要な比較ポイントのひとつとなっています。
保険に付帯するロードサービスの基本

自動車保険に付帯するロードサービスは、走行中や駐車中にトラブルが発生した際に、現場までスタッフが駆けつけて応急対応を行う「安心のサポート機能」です。
事故の賠償や修理費とは別枠で提供されるため、保険金を使わずに利用できるという特徴があります。
主な対応内容は以下のようなものが挙げられます。
基本的な対応項目
レッカー搬送(所定距離までは無料対応)バッテリー上がり時のジャンピング作業
パンク時のスペアタイヤ交換サポート
キー閉じ込み時の開錠作業(破壊ではなく特殊工具での解錠)
ガス欠時の燃料補給(燃料代は別途請求になることが多い)
軽度の故障に対する応急処置
利用のポイント
24時間365日対応で、専用ダイヤルorアプリから依頼するのが一般的利用しても翌年度の保険料(等級)には影響しない
保険証券やアプリに「ロードサービス専用連絡先」が記載されている
つまりロードサービスは、「保険を使うほどではないけれど、自力では対応できない」というケースで非常に頼りになるサポートです。
ただし対応範囲や無料距離には保険会社ごとの違いがあるため、次項からその比較ポイントを詳しく解説していきます。
JAFとの違いは?併用は意味ある?

自動車保険のロードサービスとJAF(日本自動車連盟)は、「車のトラブルに駆けつける」という点では似ていますが提供内容と立場がまったく異なります。
そもそもの立ち位置の違い
| 項目 | 自動車保険のロードサービス | JAF |
| 運営 | 保険会社が提供 | 民間ロードサービス団体(会員制) |
| 契約単位 | 車両に対して付帯 | 人に対して付帯(会員本人) |
| 利用範囲 | 契約車のみ対象 | 会員が乗っているすべての車でOK(友人の車でも可) |
| 無料範囲 | 距離・回数に制限あり | 会員なら原則回数無制限(一部作業を除く) |
併用する意味があるケース
| 状況 | 併用のメリット |
| 友人の車・レンタカーを運転する機会がある | →JAFなら自分が乗っていれば対象になる |
| 長距離ドライブ・車中泊・高速道路を頻繁に使う | →保険の無料距離では足りないケースに備えられる |
| 山道・離島・未舗装路など、保険側が”対象外”とする場所にも行く | →JAFは広範囲対応で出動実績が多い |
| トラブル頻度が高い車・距離を走る車 | →年間出動回数制限がある保険より安心 |
結論
日常の範囲なら保険のロードサービスだけでも十分「広い範囲で誰の車でも対応してほしい」=JAF加入に価値あり
特にアウトドア志向・長距離ユーザーは「JAF+保険併用」が鉄板
ポイント:JAFは「万能保険」ではなく、「補いながら安心を底上げする追加サポート」として考えるのが正解です。
無料で使える範囲と有料になるケース

ロードサービスは「無料で使える」と思われがちですが、実際には“基本対応のみ無料”という仕組みです。対応内容や距離、場所によっては追加料金が発生するケースがあるため、仕組みを理解しておくことが重要です。
基本的に“無料”になる対応
レッカー移動(指定距離まで) 例:10km/50kmなど保険会社によって差があるバッテリー上がりのジャンプ作業
パンク時のスペアタイヤ交換(スペア積載が条件)
キー閉じ込みの非破壊解錠(※スマートキー等は対象外になることも)
走行不能時の簡易応急処置(クーラント補充・応急充填など)
ここから”有料になるケース “
| ケース | 負担が発生する理由 |
| レッカー距離超過 | 無料距離を超えた分は1km単位で課金される |
| 燃料補給(ガス欠) | 作業は無料でも燃料代は自己負担になることが多い |
| 部品交換 | バッテリー・タイヤ・ホイールなどパーツ代は全額実費 |
| 特種作業(スマートキー対応など) | 専用工具使用で作業費が発生する場合あり |
| 場所が対象外(自宅敷地・私有地・離島など) | 対象外エリアでは特別料金or対応不可のケースも |
重要ポイント:「ロードサービスは何度でも無料」という認識は誤りで、無料枠を超えるとしっかり課金される。
だからこそ、“無料の上限”と“有料に切り替わる条件”を知っておくことが節約につながります。
よくあるロードサービス対応内容一覧

自動車保険に付帯するロードサービスは、いざというときの強い味方ですが、実際にどのような場面で利用できるのかを具体的にイメージできている人は意外と多くありません。
レッカー移動やバッテリー上がり対応といった代表的なものから、「こんなケースでも来てくれるの?」という意外な対応内容まで、その範囲は思っている以上に幅広くなっています。
ここでは、ドライバーからの依頼が特に多い対応内容を項目ごとに整理し、無料枠の範囲や注意点とあわせてわかりやすく解説していきます。
レッカー移動の距離制限

ロードサービスの中でも利用頻度が高いのがレッカー移動(搬送サービス)ですが、「無料でどこまでも運んでくれる」わけではありません。
無料距離には明確な上限がある
多くの保険会社では、「◯kmまで無料」 という距離制限が設けられています。
保険会社の例 無料搬送距離の目安
10kmまで 最低ライン(都市部での軽トラブル対応が想定)
50kmまで 標準的な無料範囲(郊外~整備工場まで届きやすい)
100km前後 充実型(長距離ユーザー向け・外出先でも安心)
※ 実際は「◯km or 最寄りの指定修理工場まで」と表現されるケースも多く、距離制限+搬送先の指定が組み合わされていることがあります。
無料距離を超えるとどうなる?
距離上限を超えた場合、1kmあたり◯◯円という形で追加料金が発生します。
目安:
1km 500〜1,000円程度30km超過 → 15,000〜30,000円の請求も珍しくない
高速道路上での作業・深夜帯は割増になることも
距離制限を理解するメリット
「とりあえず遠くのディーラーまで運んで」→ 高額請求のリスク近くの整備工場や提携工場なら無料範囲で収まる可能性が高い
JAF併用なら距離の補完ができるケースもある
ポイント:レッカーは「無料=どこでも」ではなく、“無料枠内で賢く搬送先を選ぶ”ことが節約のコツです。
バッテリー上がり・ガス欠・パンク対応

ロードサービスの出動理由として特に多いのが、バッテリー上がり・ガス欠・タイヤのパンクといった“走行不能ではないが自力で対応が難しいトラブル”です。これらは「現場での応急対応のみ無料」となるケースが主流です。
・ジャンピング作業(ブースターケーブルによる再始動補助)は無料対
・ただし バッテリー本体の交換費用は自己負担
・ハイブリッド車や輸入車など、一部車種では対応に制限がある場合も
・現場までの出張・作業は無料
・ただし 燃料代(ガソリン・軽油)は実費となるのが一般的
・1〜5L程度の“最低限の燃料”のみ補給。満タン給油は対象外
・スペアタイヤが積載されている場合 → 交換作業は無料
・スペアがない場合 → 応急パンク修理 or レッカー搬送
・パンク修理キット使用やタイヤ交換自体は有料になるケースあり
・ホイール破損・二本以上のパンクなどは“レッカー判断”になりやすい
・作業自体は無料だが、部品代・燃料代など“モノ代”は有料
・特殊車両・大型車・低扁平タイヤは“対応不可”や“有料作業”になることも
・事前に 「応急処置だけなのか/修理費用も出るのか」 を理解しておくのが失敗を避けるコツ
カギ閉じ込み・脱輪・雪道トラブル

ロードサービスの対応内容の中でも、意外に多いのが「カギ閉じ込み」「脱輪」「雪道でのスタック」といった、運転ミスや環境要因によるトラブルです。
これらは突然発生しやすく、自力での対処が難しいため、ロードサービスを頼るユーザーが多い項目です。
カギ閉じ込み(インロック)・鍵を車内に閉じ込めた場合、非破壊解錠で対応
・一般的な鍵穴タイプは無料対応の対象
・スマートキーや高級車など、専用機材を使う場合は有料になることも
・ガラス破壊やボディ損傷を伴う開錠は「対象外」扱いになるケースも
・軽度の脱輪なら現場で引き上げ作業(無料対応範囲)
・足回りに損傷がある場合や、重機が必要な場合は有料になる
・四輪が完全に落ちているケース、砂利・ぬかるみは追加費用や対応不可のケースも
・スタッドレス未装着やアイスバーンでの“空転”などで動けなくなるケース
・タイヤチェーンの装着サポートや、引き出し作業は無料の範囲
・ただし 「チェーンの装着自体はサポート対象外」「チェーンの貸し出しなし」 という保険会社もある
「現場対応のみ無料」の落とし穴に注意
ロードサービスは多くの項目が「無料」と説明されていますが、実は“現場での応急対応だけ無料”というケースがほとんどです。
ここを誤解していると、作業が終わった後に思わぬ請求が発生することがあります。
よくある勘違い例・「パンク対応は無料」と思っていた → 応急処置だけ無料、タイヤ交換費用は別途
・「ガス欠対応が無料」と聞いていた → 燃料代はしっかり請求される
・「鍵開けは無料だから安心」 → スマートキーや特殊機構だと“特殊作業費”が発生
・「脱輪も助けてくれるはず」 → 重機が必要 or タイヤが完全に外れていると有料扱い
つまり
“無料”とは、「手を貸すところまで」という解釈をしたほうが賢明でしょう。
実際の修理・燃料・部品交換・車両引き上げに関わる部分=有料になることがあります。
そのため、「作業そのものが無料なのか」「あくまで応急対応だけが無料なのか?」事前に把握しておくことで、予想外の出費やトラブル時のストレスを防げます。
ロードサービスを呼ぶと等級や保険料に影響する?

ロードサービスを利用すると「事故扱いになるのでは?」と心配する人も少なくありません。
しかし、多くのケースではロードサービスの利用は“保険金請求”には該当せず、等級や翌年の保険料には影響しないしくみになっています。
ただし、「レッカー搬送後に修理費の支払いを保険で行った場合」など、一部のケースでは“実質的な保険利用”と判断される可能性があるため、仕組みを正しく理解しておく必要があります。
ロードサービス利用と事故扱いの違い

ロードサービスは「保険を使う」というイメージを持たれがちですが、実際には“保険金の支払い”とは別枠で運用されているため、通常の利用では事故扱いになりません。ここを正しく理解しておかないと、「呼ぶと等級が下がるのでは?」という不要な不安につながります。
ロードサービスの扱いは「保険金請求」とは別
| 項目 | ロードサービス利用 | 保険金請求(事故扱い) |
| 目的 | 応急対応・搬送サポート | 修理費や賠償金の支払い |
| 保険等級 | 変動なし(ノーカウント) | 等級ダウン(割増の原因) |
| 請求扱い | “サービス利用”として管理 | 正式な保険請求として記録 |
例外的に事故扱いになるケース
以下のようなケースでは、ロードサービス → そのまま修理費を保険で支払う → 結果的に“保険利用扱い” になることがあります。
レッカー搬送後、修理費用を保険で支払ったロードサービス出動後、過失事故として事故受付に切り替わった
相手方への賠償が発生し、示談・保険処理になった
つまり:「ロードサービスを呼ぶ=保険利用」ではない→ “保険金の支払い手続きが発生した瞬間”に保険利用扱いへ切り替わる と覚えておくのが正解です。
補償対象外のパターン(加入前に確認必須)

ロードサービスは幅広いトラブルに対応していますが、すべてが無料で対象になるわけではありません。特に以下のようなケースは、「対象外」あるいは「有料対応」になる可能性があります。
よくある対象外のケース
| ケース | なぜ対象外になるのか |
| 自宅敷地内でのバッテリー上がりやパンク | 「公道での走行トラブル」とみなされないため |
| 泥沼・砂浜・私有地・立ち入り制限エリア | 作業リスクが高いor保険会社の提携業者が入れない |
| 雪道でのスタック(装備不備による) | 「過失トラブル」とされ、対象外や有料になる |
| 飲酒・違法改造などルール違反中のトラブル | 保険契約の適用条件に違反した状態とみなされる |
| 故障ではなく「使用者の判断ミス」扱いのケース | 例:ガス欠を繰り返している/故意に自走不能にした…など |
ポイント:「どこでも無料で助けてくれる」と思っていると、いざという時に「対象外です」と断られることもあります。加入前の段階で「NGになる条件」を把握しておくことで、“呼んだのに対応不可”という最悪のパターンを防げます。
等級を下げないための利用判断基準
ロードサービスの利用は通常「等級に影響しない」仕組みですが、“その後の処理”次第で等級ダウンにつながるケースがあります。
無駄に保険を使ってしまわないためには、「どこで線引きするか」を意識することが重要です。
判断のポイント
| 状況 | 対応の考え方 |
| 現場対応だけで済むトラブル(バッテリー・鍵・軽いパンク) | ロードサービスのみ利用(等級影響なし) |
| 修理費が安く済む場合(1~3万円程度) | 自費で修理(保険を使わない方が結果的に安い) |
| 10万円以上の修理費や相手への賠償が発生するケース | 保険を使うメリットあり→等級ダウンしても総額で得になる可能性 |
| レッカー後に「ついでに保険修理」を依頼 | ここで”保険金請求”に切り替わる→等級ダウン発生 |
注意すべき落とし穴
「レッカーは無料だからついでに修理もお願い」→ その瞬間に保険利用扱い整備工場側が“念のため保険申請しましょうか?”と言ってくることもある → 同意しない判断も重要
ロードサービスは“呼んだだけならノーカウント” → “保険金を使った時点でカウント”という順番を忘れない
まとめ|保険のロードサービスは「内容の理解」が一番の節約になる

保険のロードサービスは、“どこまでが無料で、どこからが有料か”を理解しているかどうかで、大きく価値が変わります。
無料だからと気軽に呼ぶのではなく、「自力で対応できるか?」「保険を使うべきか?」「無料範囲に収まるか?」を判断できるだけで、余計な出費・等級ダウン・時間のロスを防ぐことができます。
ポイントは“内容を知ってから使う”こと。
サポート内容・距離制限・対象外ケース・保険との線引き――これらを理解してから利用すれば、ロードサービスは非常に頼もしい節約ツールになります。



車のトラブルは突然やってきます。バッテリー上がり・ガス欠・パンク・事故後のレッカー移動など、いざという時に頼りになるのが自動車保険に付帯するロードサービスです。
ただし、「どこまで無料なのか?」「JAFとの違いは?」「使うと等級は下がる?」といった疑問を持つ人も多く、正しく理解していないと“無料だと思って請求が来た”というケースもあります。
この記事では、自動車保険のロードサービスの内容・使い方・注意点をわかりやすく整理し、“使えるサービス”と“使うと損する場面”の見極め方まで解説します。