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学生が自動車保険で損しやすいポイントとは?

学生が自動車保険に加入する際、多くの人が「とりあえず親と同じ保険会社で…」「ネットの一番安いプランで…」と安易に契約しがちです。
しかし、学生という立場ならではの注意点や“見落としがちな条件設定”があり、それを知らないだけで年間数万円もの差が生まれることもあります。ここでは、学生が特に損をしやすい契約の落とし穴を先に理解しておきましょう。
若年層はなぜ保険料が高いのか?

自動車保険の保険料は、事故を起こす可能性(事故リスク)に応じて設定されています。
統計上、10代〜20代前半のドライバーは事故発生率が高く、特に「追突」「スピード超過」「注意不足による接触事故」の割合が顕著です。
さらに、若年層は運転歴が浅く、保険会社からの信頼度(=等級)がゼロの状態からスタートします。そのため、同じ車種・同じ補償内容でも、35歳以上のドライバーに比べて2倍以上の保険料になることも珍しくありません。
つまりポイントは2つ
事故リスクの高さ(統計データに基づく評価)
等級が低く、割引が適用されないスタートライン
この2つが重なることで、若年層=保険料が高いという構造が生まれているのです。
「親名義で契約したほうが安い」は本当?

学生が自分名義で自動車保険に加入すると、等級が「6等級(初期)」からのスタートとなり、割引がほぼ適用されません。
一方、親がすでに10等級以上を維持している場合、その等級を保ったまま「子どもを運転者に含める」設定にすることで、高い割引率を維持したまま保険を使えるケースがあります。
特に、同居している学生の場合は「家族限定」+「35歳未満補償」などの設定が可能で、結果的に個別に学生名義で加入するより年間3〜5万円ほど安くなるケースも。
ただし注意点として、親が事故で保険を使うと等級が下がり、家族全体の保険料に影響するため、「親の等級を守るか・子ども用に新規契約するか」は慎重な判断が必要です。
結論
保険料を抑えるなら「親名義+子どもを運転者に含める」が有利
ただし、親の等級を下げたくないなら「セカンドカー割引」で分けて契約する選択肢も検討
学生がやりがちなNG契約例

学生が保険に加入する際、「とにかく安いプランを選ぶ」ことに意識が向きがちですが、安さだけで選ぶといざという時に補償されないケースがあります。特に以下のような契約ミスが多く見られます。
❌ よくあるNGパターン
「対物・対人は無制限」ではなく、上限ありの安いプランを選んでしまう→ 万が一の事故で、自己負担が数百万円〜数千万円になる可能性 人身傷害補償を外してしまう
→ 自分や友人がケガをしても保険金が出ず、大きなトラブルに 「運転者年齢条件」の設定を間違えたまま契約
→ いざ事故をしても「補償対象外」で保険が使えないことも 親の名義で加入したのに、子どもの運転を保険会社に申告していない
→ “無保険運転”扱いになり、保険金が一切支払われないケース
安いことは大事ですが、「保険料が安い=安全」ではありません。
学生が加入する場合こそ、最低限の補償ラインを理解した上で、安く抑えることがポイントです。
学生でも保険料を安くする方法

学生でも保険料を抑える方法は意外と多く存在します。
単に「若いから高い」で済ませるのではなく、家族の等級を活用する方法や、運転者条件の見直しなど、仕組みを理解すれば年間数万円単位で節約できるケースも少なくありません。ここでは、学生向けの“ちゃんと安くできる具体的な方法”だけをわかりやすく解説していきます。
年齢条件・運転者限定の設定を見直す

自動車保険には、「運転者の範囲」や「年齢条件」を細かく設定できる項目があります。ここを 何も考えずに「全年齢補償」「家族以外もOK」など広めの範囲で契約してしまうと、保険料は一気に跳ね上がります。
特に学生の場合、運転するのは自分か親だけというケースがほとんど。であれば、下記のように条件を絞るだけで1〜3万円ほど安くなることもあります。
見直しのポイント
運転者限定を「本人・家族限定」に絞る
「35歳未満も補償」など広すぎる設定を、「21歳以上補償」など適正範囲に変更
友人に車を貸す予定がなければ、「家族以外補償しない」設定が◎
保険会社は、補償の対象が増えるほど「リスクが高い」と判断し保険料を上げます。つまり、“誰が運転するか” を明確にすればするほど節約につながるということです。
親の等級を引き継ぐ「セカンドカー割引」という選択肢

自動車保険には、「セカンドカー割引」 という制度があります。これは、すでに車を1台保険に入れている家族が、2台目の車を契約する際に使える特別な割引で、親が高い等級を持っている場合、その恩恵を学生が受けられるという仕組みです。
通常、学生が自分名義で新規契約すると「6等級」スタートですが、セカンドカー割引を使うことで「7等級」スタート(=初年度から割引率が高い状態)になることがあります。さらに、親の保険と同じ保険会社で契約するとスムーズです。
セカンドカー割引が使える条件(代表例)
親と同居、または実家に住民票がある1台目(親)の車がすでに7等級以上
2台目(学生の車)を新しく保険に加入する
メリットまとめ
初年度から割引率UP → 新規6等級より確実に安い親の等級はそのまま守れる
学生名義で保険を持てるので、将来的に等級が積みやすい
「親名義の保険に子どもを追加する」だけが選択肢ではなく、“2台目として独立させつつ、割引は最大限利用する”というのが、このセカンドカー割引の賢い使い方です。
同居の家族名義で契約するメリット

学生が実家暮らしをしている場合、わざわざ自分名義で新規加入するよりも、家族(親)名義で契約したほうが保険料が安くなるケースがあります。
これは、保険会社が「家族全体の管理=リスクが把握しやすい」と判断するため、割引率が高くなる仕組みです。
特に以下のような条件がそろっている場合は、“家族名義でまとめる” のが最もコスパのいい選択になります。
家族名義で契約するメリット
年齢条件(例:21歳以上補償など)をまとめて設定できる「家族限定」にすることで、補償対象が狭まり保険料が下がる
学生本人の等級を下げずに済む(=将来独立したとき有利)
事故時のやり取りを親がスムーズに対応できる
逆に、一人暮らしを始めて住所が分かれると「同居家族」と扱われなくなるため、このメリットは使えなくなります。実家住まいの学生なら、まず検討すべき選択肢です。
学生が使える割引・特典まとめ

自動車保険には、テレビCMなどで紹介されるような一般的な割引以外にも、学生でも活用できる“隠れた特典”がいくつか存在します。
特に、ネット申し込み割引・家族限定割引・免許取得からの期間による優遇などは、知らないまま契約してしまうと適用されないことも多い項目です。
「若いから高い」のではなく、「条件を知っていないから高い」というケースも少なくありません。ここでは、学生が実際に使える割引や特典だけに絞ってわかりやすくまとめていきます。
インターネット割引・早割は学生でも使える?

自動車保険のほとんどは、スマホやパソコンからの申込で「インターネット割引」が適用されます。これは学生でも問題なく利用でき、初年度で5,000円〜最大20,000円ほど安くなることもある見逃せない特典です。
また、更新時に早めに手続きをすることで適用される「早割」もあり、こちらも500〜3,000円程度の割引が期待できます。
特に、一括見積もりサイト(インズウェブなど)→そのままネット契約という流れだと、見積り+ネット割でダブルで割引になるケースもあります。
インターネット割引、早割のポイント
スマホ申し込みだけでOK → 学生でも簡単に適用一括見積もりサイト経由なら、そのままネット割適用でさらに節約
早割は「契約更新の30日前〜45日前」に手続きすることで発動する保険会社が多い
知らずに「電話で申し込み」→ ネット割が適用されないというパターンもあるため、必ずオンライン経由で契約・更新するのがコツです。
家族限定運転割引で大幅節約

自動車保険には、「運転する人を家族だけに限定する」設定(家族限定割引)があります。この項目をオンにするだけで、月々の保険料が1,000〜2,000円ほど下がるケースもあり、年間換算すると1万円以上の節約になります。
学生の場合、友人が運転する予定がないなら、基本的に“家族限定”にして問題ありません。
しかし、初めて契約する人の多くがデフォルトの「誰でも運転OK(全年齢・一般)」のまま契約してしまい、無駄に高い料金を払い続けているというケースが非常に多いです。
家族限定割引を使うべきケース
車を運転するのは 自分 or 親 だけ友人に車を貸す予定がない
実家の車をメインで使う
家族限定割引を使う際の注意点
少しでも友人が運転する可能性があるなら「家族限定」はNG(万が一事故をしたら“補償対象外”になる)「家族しか運転しない=リスクが低い」と保険会社が判断し、保険料が下がるというシンプルな仕組みです。学生はここで一気に差がつきます。
学生協定割引や提携クレカ特典を活用する

実は一部の自動車保険では、「学生協定割引」や「提携クレジットカード支払いによる特典」が用意されているケースがあります。
たとえば、大手損保会社の中には大学生協や提携スクールと連携して加入すると、保険料が数%割引になる仕組みがあります。また、保険料の支払いを特定のクレジットカード(例:JALカード、イオンカードなど)にすることでポイント還元や、実質的なキャッシュバックを受けられることも。
学生がチェックすべき特典例
大学生協や学校経由での申し込み → 協定割引提携クレカ(保険会社指定カード)で支払う → 年会費無料でもポイント還元
リボ払い設定でAmazonギフト券プレゼントなどのキャンペーン
※すぐに全額繰り上げ返済すれば手数料ゼロで特典だけ受け取れる裏技も
「割引は保険会社だけが決めるもの」ではなく、「支払い方法・申込ルートでも変わる」ということを知っておくと、さらに節約の幅が広がります。
意外と知られていない「免許取得後●年以内割引」

自動車保険の中には、「免許取得後○年以内」または「免許証の色(ブルー → ゴールド)」によって適用される割引があります。
これは 「免許を取得してすぐの人は事故率が低い傾向にある」 というデータに基づいたもので、一部のネット型保険では“免許取得後3年以内割引”などが用意されていることがあります。
知らないと損するポイント
「免許取得3年以内割引」などの名称で存在(申告しないと適用されない場合あり)ゴールド免許割引は有名だが、「取得年数割引」は意外と知られていない
免許証の更新年を入力するだけで自動判定されるケースもある(特にネット型保険)
まだ免許を取ったばかりの学生は“デメリット”と思いがちですが、実は保険会社によっては“優遇対象”になることもあるため、見積もりの際には 「免許取得時期の入力欄」を必ず確認するのがおすすめです。
おすすめの契約パターンと選び方

学生が自動車保険を選ぶ際、「親と同じ保険に入るべきか」「自分名義で契約するべきか」という悩みが必ず出てきます。
しかし、住んでいる場所(同居 or 一人暮らし)、車の所有名義、運転頻度、保険の等級状況によって、最適な契約パターンは大きく変わります。
ここでは、代表的な3つのケースに分けて「どの契約方法が保険料・補償のバランスが良いのか」をわかりやすく解説していきます。「なんとなく契約」ではなく「条件に合わせて最適化」することで、年間数万円の差になることもあります。
親の等級を守りつつ学生が加入するケース

親がすでに高い等級(10~20等級)を持っている場合、その等級を維持しながら学生が自分の車で保険に加入する方法があります。
その代表的な方法が、「セカンドカー割引」を利用して学生名義で契約するパターンです。この方法では、**親の等級はそのまま維持され、学生側は7等級スタート(通常の6等級より有利)**が可能になります。
このパターンが向いている人
親がすでに高い等級を持っている親の保険に子を追加すると 等級が下がるリスクを避けたい
学生が将来独立して保険を引き継ぐ予定がある
このケースで注意すべき点
セカンドカー割引は同一世帯 & 同一保険会社が条件になることが多い車検証の所有者・使用者の名義が一致している必要がある場合あり
「安くする」「等級を守る」「将来のために等級を育てる」の3つを同時に叶えられる契約だが、条件確認が重要
「親名義に入れておけばとりあえず安い」ではなく、「等級を維持しながら、学生側も育てる」という発想が重要になります。
親と別居している学生の契約パターン例

実家を離れて一人暮らしを始めた学生の場合、親の保険(家族限定・同居条件)をそのまま適用できないケースがほとんどです。このような場合は、「自分名義で契約する」か「親名義で車両だけ学生側に置く」という2つの選択肢があります。
よくある契約パターン
学生の居住地(アパート)で、自分名義の保険に加入する→ 通常の6等級スタートになるためやや割高
車検証の所有者は親、使用者は学生に設定する
→ セカンドカー割引を利用できる場合もあり
住所が分かれていても、“仕送りや生活支援がある場合”は同一生計扱いになる保険会社もあるため確認が必要
注意ポイント
「親とは別居=家族限定の割引が使えない」という事実を理解しておく無理に親名義にしたままにすると、事故時に「実態が合っていない」と判断され保険金が出ないリスクあり
「住所が変わる=保険も再設計が必要」ということを覚えておきましょう。
正しく設定すれば、別居でも割引が適用できるケースがあります。
車を共有する場合の最適な保険設定

「自分の車は持っていないけれど、親の車をときどき借りて運転する」という学生も多いはず。この場合、車の台数は1台でも保険の設定を誤ると“補償対象外”になるリスクがあります。
車を共有するケースで重要なポイント
学生が運転する可能性が少しでもあるなら、必ず「運転者の範囲」に学生を含める「35歳以上補償」「本人限定」のままだと、学生の運転中は補償されない
保険会社によっては、「追加運転者(臨時被保険者)」の登録が必要になるケースあり
「たまに乗るだけだから大丈夫」は通用しない(事故が起きた瞬間に全てが無効になる)
特に注意したいNG例
→ 親だけが契約者・運転者に設定されている保険で学生が運転→ 事故後に「たまに乗ってるだけです」と説明しても認められないこともある
共有するなら「運転する人の範囲」を最初に明確にすることが、最小コストで安心を確保するコツです。
「自分名義+最低限の補償」で済ませるケースのリスク

「とにかく安くしたいから」と、学生が自分名義で“対人・対物補償を最低限”にして契約するケースがあります。しかし、これは もっとも危険な契約パターン です。
ありがちな失敗例
「対人1,000万円まで」「対物500万円まで」などの上限付きプランを選ぶ→ 実際は 1件の事故で数千万円以上の賠償になることも珍しくない 人身傷害補償を外す・弁護士費用特約を付けない
→ もらい事故(過失0)でも自分で交渉しなければならなくなる地獄
保険料は確かに安くなりますが、万が一のときに「人生が終わるレベルの負債」を背負う可能性があります。
覚えておきたい基準
対人・対物は「無制限」が基本ライン弁護士費用特約(年間1,500円〜2,000円)は、学生こそ必須
“最安値プラン”は、事故が起きないことを前提に作られている
保険は「安さ」ではなく「守れるかどうか」で判断するもの。学生であっても、“最低限の安心ライン”は絶対に削らない判断が必要です。
まとめ|学生こそ保険の仕組みを知ると年間数万円の差になる

学生は、どうしても「年齢が若い=保険料が高い」というイメージを持ちがちですが、契約条件や補償の範囲を正しく理解し、家族の等級や割引制度をうまく活用すれば、想像以上に安く抑えることが可能です。
ポイントは、
家族限定・年齢条件・インターネット割引などを組み合わせる親名義・セカンドカー割引などで等級を守る
安さだけで選ばず、最低限の補償は確保する
これらを意識するだけで、「高い」と思われがちな学生の自動車保険も、実は無理なく最適化できるのです。焦らず、仕組みを理解しながら、自分に合った契約スタイルを見つけていきましょう。



大学生や専門学校生が車を持つケースは年々増えていますが、いざ自動車保険に加入しようとすると「学生でも保険に入れる?」「親の保険に入ったほうが安い?」「未成年だと高額になるって本当?」と悩む声が多く聞かれます。
本記事では、学生だからこそ使える割引や契約パターンに焦点を当て、無理なく保険料を抑えつつ、事故時に確実に守られる選び方をわかりやすく解説します。
すでに社会人向けの記事で語られている一般的な保険選びとは異なり、“学生ならではの裏ワザ”や“親の等級を活かす方法”など、実践的な内容に絞って紹介します。