テレビキャンセラー装着車は要注意!OBD検査開始で車検で引っかかる懸念について

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同乗する家族や友達がロングドライブに退屈して、暇を持て余してしまうのを解消するアイテムとして、「テレビキャンセラー」というものがあります。

ライター

皆さんは、愛車にテレビキャンセラーを付けておられるでしょうか?僕も付けていて、家族が同乗するのに大変便利なアイテムです。

でも、その便利アイテムであるはずのテレビキャンセラーを装着している車が車検に引っ掛かるという懸念事項がでてきています。

今回はテレビキャンセラーのメリットやデメリットと同時に、テレビキャンセラーが車検における影響を解説しました。

テレビキャンセラーとは?テレビキャンセラーのメリットとデメリット

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テレビキャンセラーを付けていると、走行中でも車内でテレビの映像やDVDなどで映画を楽しむことができて便利です。でも、テレビキャンセラーには、メリットもあればデメリットもあるのです。

テレビキャンセラーとは?

テレビキャンセラーとは、車の走行中に、テレビやDVDの映像が視聴できるようにするための装置のことです。カーナビに取り付けて使用するものであり、キャンセラーの多くには、走行中にテレビの映像のONとOFFを切り替えるスイッチが付属しています。

通常、車に付いているテレビはカーナビや他のアイテムと画面を兼ねており、走行中のテレビ映像は映らないようになっています。「走行中は音声のみでお楽しみ下さい」といったメッセージが出たりして、映像は映らないように設定されています。それを走行中にも映像が見れるようにできる装置がテレビキャンセラーです。

近年は、ミニバンが人気だということもあり、車の前席だけでなく、「ヘッドレストモニター」といった車の後部座席で、同乗した家族や友人がテレビやDVDの映像を大画面で楽しむことができるアイテムの需要が高くなっているようです。

 

テレビキャンセラーのメリット・デメリット

通常、カーナビは、走行中のスピードやパーキングブレーキの状態によって映像を映し出すかを決めています。そのため車が走っている状態のときは、映像が映し出せないことがあります。

そういう時に、テレビキャンセラーを用いることで、「車が停車している」といった誤った情報をカーナビゲーションのシステムが受信するため、走行中でも映像が映し出される仕組みなのです。

例えば、ドライブなどで家族や友人が車に同乗している際に、長時間のドライブに飽きてしまい、暇を持て余すかもしれませんね。このようなシチュエーションでテレビやDVDが視聴できないと退屈します。

こういった場合に活用できるのがテレビキャンセラーです。ドライバーが運転している最中であっても、助手席や後部座席に同乗している家族や友人がテレビ番組の映像やDVDなどで映画などを楽しめるとても便利なアイテムになります。

しかし、その便利なアイテムである反面、デメリットもあるのです。

同乗した家族や友人がテレビの映像を見るのはいいのですが、運転しているドライバー本人が運転中にテレビの映像を見入ってしまったらどうなるでしょうか?テレビの映像に気が行ってしまい、誤って事故を起こしてしまう懸念が十分予測できますよね。

本来、正しい使い方をすれば便利なはずのアイテムが、装着することによって事故を誘発するアイテムに変貌してしまうことは十分に考えられることです。

愛車にテレビキャンセラーを装着しているドライバーは、十分に注意して戴き、運転中に決してテレビの映像を見ないようにして戴きたいと思います。

ただ、運転中のテレビ映像を視聴できる装置であるテレビキャンセラーを車に装着している場合、今後の車検における保安基準不適合の懸念が発生しているのです。

 

OBD検査開始に伴うテレビキャンセラー装置の車検への影響

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2024年(令和6年)10月に始まった「OBD検査」の導入によって、テレビキャンセラー装着車は、車検に引っ掛かる可能性が出てきました。

このOBD検査の内容はどのようなものなのでしょうか?また、テレビキャンセラーとはどのように関係してくるのでしょうか?

 

車検に導入された「OBD検査」とは?

OBD検査とは、車の電子制御装置の故障を特定する検査であり、2024年(令和6年)10月以降の車検で実施されています。

OBD検査では、車載式故障診断装置(OBD)に記録された故障コード(DTC)を読み取り、保安基準不適合となるDTCに該当するかどうか確認する検査です。

従来の自動車の検査(車検)では発見できなかった電子制御装置の故障の有無に対応する電子的な検査です。

 

OBD検査が導入された背景

昨今の車には、自動運転装置や自動ブレーキなどの電子制御装置が多用されています。

僕が若い頃からあるアンチロックブレーキ(ABS)やトラクションコントロール(TRC)などの電子制御装置などに加えて、車が安全に走行するための電子制御装置が多用されていて、車に装着するパーツの点数が嵩増しされ、どんどん車自体の重量も重くなってきています。

車の安全に関わる運転技術をドライバー本人に任せるだけではなく、車の電子制御装置を増やすことによって、ドライバーの運転をリカバリーし、ドライビングスキルの有無に関係なく、安全にドライブができるように技術は目まぐるしく進化し続けています。

その反面、従来の車検のシステムだけでは、これらの新しい電子制御装置に不具合があった場合への検査が難しくなってきていることもあり、OBD検査は、それらの懸念を解消すべく導入された検査になります。

 

OBD検査の検査項目

OBD検査の対象とする車の装置は以下の通りです。

①排出ガス等発散防止装置
・道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(以下「細目告示」という。)第41条および第119条並びに別添48に規定された装置

②運転支援技術
・アンチロックブレーキシステム(ABS)
・横滑り防止装置(ESC/EVSC)
・自動ブレーキ(AEB/AEBS)
・ブレーキアシストシステム(BAS)
・車両接近通報装置

③自動運転技術
・UN/ACSFで審議されUN規則が成立した自動運転技術(Category A, BI, C 及び緊急操舵技術(BSF)

引用先:国土交通省 車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方について

以上の内容で発信されてはいますが、OBD検査の詳細に関しては、今現在(2025年1月現在)では、まだ情報が不十分であり、今後どうなるか不明な状況になります。

 

OBD検査の検査項目に追加される可能性がある項目

また、今後OBD検査に追加されるかもしれない車の装置は以下の内容です。

このほか、上記装置へのOBD検査の導入状況及び現行の車検手法の効果を見極めた上で、将来、以下に掲げる装置についてもOBD検査の対象とする可能性がある。

・車線逸脱警報装置(LDWS)
・オートライトシステム
・先進ライト(自動切替型、自動防眩型、配光可変型等の前照灯)
・ふらつき注意喚起装置
・視界情報提供装置(バック、サイドカメラ、アラウンドビュー等)
・車両周辺障害物注意喚起装置(周辺ソナー)
・運転者異常時対応システム

引用先:国土交通省 車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方について

これらの国土交通省が発信している内容を読んでみれば、現在の車の電子制御装置の増加に対して、現行の車検制度が追い付いていないことが覗えます。文章の内容を見てみても、これから試行錯誤しながら施策を追加・決定していくといったところでしょうか。

 

OBD検査の対象車両

OBD検査の対象車両は以下の通りです。

(2)OBD検査の対象とする自動車
以下の全てに該当する自動車をOBD検査の対象とする。ただし、③の適用日については、自動車側の対応や検査実施期間・自動車整備工場における準備に要する時間を考慮して、変更があり得る。
①型式指定自動車又は多仕様自動車
②乗用車、バス、トラック(M1, M2, M3, N1, N2, N3)
③2021年(輸入自動車は2022年)以降の新型車

引用先:国土交通省 車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方について

OBD検査の対象となる車両は、国産車は2021年(令和3年)10月1日以降の新型車(フルモデルチェンジ車)、輸入車は2022年(令和4年)10月1日以降の新型車(フルモデルチェンジ車)です。

ただし、大型特殊自動車、被牽引自動車、二輪自動車は除きます。

 

 

テレビキャンセラー搭載車は、OBD検査で引っかかる可能性も!

OBD検査は、具体的にはレーンキープアシストや自動ブレーキなどの運転支援装置、自動運転技術が正常に稼働するかどうかを検査します。

テレビキャンセラーを設置していることによって、検査時にエラーが発生した場合は、車検に通らない懸念が出てきているのです。

すべてのテレビキャンセラーが車検にひっかかるわけではありませんが、テレビキャンセラーの構造は、先述したとおり「車が停車している」という誤った情報をカーナビが受信することによって、走行中でもテレビの映像が映し出される仕組みです。

ということは、テレビキャンセラーが働くことによって、運転支援装置や自動運転技術が正常に働くのを邪魔してしまい、OBD検査にひっかかるという懸念は十分に予測できるのです。

僕の愛車は、2024年(令和6年)10月に車検を受けました。2015年式の車だということもあって、OBD検査のことは何も言われませんでしたし、対象車両からは除外されているのでしょう。僕の愛車もテレビキャンセラーが装着されています。

テレビキャンセラーを装着している方は、すべての車ではないものの、OBD検査によって保安基準不適合(車検に通らない)可能性は十分に考えられます。現時点でテレビキャンセラーを装着している場合は、車検でのリスクが伴うことを理解しておくのが賢明です。

ただ、全ての車が対象になるわけではありません。先述したとおり、国産車は2021年10月1日以降の新型車、輸入車は2022年10月1日以降の新型車になります。これからテレビキャンセラーを装着しようと考えてられる方は、自分の車が対象になっているかを確認しておきましょう。

 

まとめ

ライター

いかがでしたでしょうか?

今回のお話は、大まかに言って、

テレビキャンセラーとは?テレビキャンセラーのメリットとデメリット
OBD検査開始に伴うテレビキャンセラー装置の車検への影響

でしたね。

OBD検査は、まだ始まったばかりであり、先述したように車の技術進歩に車検制度が追いついてなく、今後の変更や追加は十分にあり得ます。

僕も、OBD検査に関しては目を離さず、変更や追加の情報があれば、随時記事を更新していきたいと考えております。

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