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12ヵ月法定点検の点検項目一覧(26項目)
12ヵ月法定点検は、12ヵ月ごとに行う法律で定められた点検整備です。
12ヵ月法定点検では、車の「走る」「曲がる」「止まる」といった基本性能を保障するために、足廻りや下廻りを入念に点検・整備を行います。故障が発生する前の、未然防止こそが安心して車を運転して戴くためのポイントになります。
この項目では、12ヵ月法定点検の点検項目を見ていくことにしましょう。
・中小型トラック(自家用)、レンタカー(乗用):82項目
・大型トラック、レンタカー(乗用以外)、バス、トラック、タクシー:96項目
前回の点検(または車検)以降の走行距離が5,000km以下の場合省略可 なお、連続しての省略はできません
室内点検
点検箇所 | 点検項目 |
室内点検 | ブレーキペダルの遊びと、床板の隙間 |
パーキングブレーキの引きしろ(フットブレーキの場合は踏みしろ) | |
ブレーキの効き具合 | |
クラッチペダルの遊び、クラッチを切ったときの床板との隙間(マニュアル車) |
※遊びとは、ブレーキやクラッチを操作し始めてから、効き始めるまでの操作しろのことです。この「遊び」は、大きすぎても小さすぎてもダメで、安全に快適に運転を行うためには、ちょうど良い具合に調整することが大切になってきます。
エンジンルームの点検
エンジンルーム内は、運転時の事故や故障を防ぐ上で、必要な点検が数多くあります。エンジン等の内燃機関をはじめ、機器類がとても多く、それらの点検になります。
点検箇所 | 点検項目 |
エンジンルームの点検 | エンジンオイルのオイル漏れ |
トランスミッション、トランスファーの油量や油漏れ | |
ファンベルトのゆるみや損傷 | |
パワーステアリングベルトのゆるみや損傷 | |
ブレーキマスタシリンダ―の油漏れ | |
ディストリビュータのキャップの状態、点火時期、 スパークプラグの状態(白金プラグ、イリジウムプラグは点検省略可) |
|
バッテリーのターミナル部の緩みや腐食、ターミナル部の接続状態 | |
排気の状態 | |
エアークリーナー、エレメントの状態(汚れ、詰まり、損傷) | |
冷却水の漏れ |
下廻り点検
車の下廻りや、環境のために排気システムが正常に作動しているかの点検を行います。
点検箇所 | 点検項目 |
下廻り点検 | ブレーキホース・パイプの液漏れ、損傷、取り付け状態 |
マスターシリンダー、ホイールシリンダ―、ディスク、キャリパーの液漏れ | |
エキゾーストパイプ、マフラー、遮熱版のゆるみや損傷 |
外廻り・足廻りの点検
タイヤの状態と、ブレーキシステムが正常に作動し、ブレーキがしっかりかかるかの点検を行います。
点検箇所 | 点検項目 |
外廻り・足廻りの点検 | ブレーキドラムとライニングの隙間(ドラム式ブレーキ搭載車の場合) |
ブレーキシューの摺動部分とライニングの摩耗(ドラム式ブレーキ搭載車の場合) | |
ブレーキディスクとパッドのすき間、ディスクやパッドの摩耗 | |
タイヤの状態:空気圧、亀裂の有無、溝の深さ等 | |
ホイールナット、ボルトの緩み | |
プロペラシャフト、ドライブシャフトの連結部の緩み |
12ヵ月法定点検に関する質問
12ヵ月法定点検に関する、よくある質問と回答です。
不明なことや、今までわからずに放置しておいたことを、この機会に理解しておいて今後の愛車のメンテナンスに活かせて戴ければ幸いです。
12ヵ月法定点検は絶対に必要ですか?
12ヵ月法定点検って、絶対にやらないといけないのでしょうか?
最初の項目でもお話しましたように、12ヵ月法定点検は法律で定められた点検になります。「道路運送車両法」というものがあり、「自動車を運転する人は、必ずこの点検を受ける義務がある」と明記されています。
走行距離によって省略できる項目はありますか?
走行距離によって、省略できる点検項目はありますか?
あります。以下の項目は、前回の点検(または車検)以降の走行距離が5,000km以下の場合省略可になります。 なお、連続しての省略はできませんのでご注意下さい。
・トランスミッション、トランスファーの油量や油漏れ
・スパークプラグの状態
・エアークリーナー、エレメントの状態(汚れ、詰まり、損傷)
・ブレーキドラムとライニングの隙間(ドラム式ブレーキ搭載車の場合)
・ブレーキシューの摺動部分とライニングの摩耗(ドラム式ブレーキ搭載車の場合)
・ブレーキディスクとパッドのすき間、ディスクやパッドの摩耗
・タイヤの状態:空気圧、亀裂の有無、溝の深さ等
・プロペラシャフト、ドライブシャフトの連結部の緩み
12ヵ月法定点検を受けなかったらどうなりますか?
12ヵ月法定点検を受けなかったら、どうなりますか?罰金はあるんですか?
法定点検は、「道路運送車両法 第48条」(定期点検整備)によって定められた運転者の義務です。ただ、乗用車の場合は、点検を受けなくても罰金や罰則はありません。
12ヵ月法定点検と車検との違いは何ですか?
12ヵ月法定点検と車検との違いって何ですか?
法定点検も車検も定期的に受けることが義務付けられており、車検は、自家用乗用車であれば新車から初回は3年、それ以降は2年ごとに受ける必要があります。車検を受けていないと公道を走ることはできません。
その一方、法定点検は車の故障が無いか、快適かつ安全に走行できるかを確認するものです。
法定点検と車検は別物です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、大まかに言って、
●12ヵ月法定点検の点検項目一覧(26項目)
●12ヵ月法定点検に関する質問
でしたね。
12ヵ月法定点検も24ヵ月法定点検も、運転する人に対して法律で義務付けられている点検です。先述したとおり、自家用乗用車の場合、受けなくても罰金や罰則はありませんが、やっておかないと車が故障したり、車検で余計な費用が掛かってしまう恐れがあります。
普段からしっかりと、愛車の整備を怠らず楽しいカーライフを送って戴けるよう、きちんと法定点検を受けましょう。
12ヵ月法定点検についてお話しました。
24ヵ月法定点検同様、法律で義務付けられた点検になりますので、このお話を参考にして戴いて、愛車のメンテナンスにお役立て戴ければ幸いです。